フォトチェックのある道の駅ピュアラインにしきに到着した。
一休み(撮影・AJ広島のゆかいな仲間たち) |
フォトチェックの前のテーブルにAJ広島のゆかいな仲間たちがたむろっている。
ツネちゃんやマグナムさん、モリリンが迎えてくれた。
こういう場所で知った顔を見ると安心するねえ。
キリッ!(撮影・AJ広島のゆかいな仲間たち) |
指定のオブジェの手前で撮影を済ませ、飲み物を買って再出発する。
ツネちゃんいわく「ここを4時までには出発しないと厳しい」
了解です。頑張ります。最善を尽くします。
次の目標は531キロ地点、標高776メートルの松の木峠。
ここもフォトチェックだ。
ここからずっと上り。
つまり26キロ上りが続く。
四国の京柱峠とか剣山みたいなもんだ。
ぼろぼろに打ちのめされたとはいえ、あれを思えばなんとかなるだろう。
さあ行くか。
ラスボスを倒しに。
いやラスボスにぼこられに。
午後3時45分、みんなに見送られて出発する。
実は松の木峠、吉和側から下りたことはあるけど、上るのは初めて。
序盤は錦川支流の宇佐川の道を行く。
気持ちのいい清流。
未成線である岩日北線の遺構が川向うに見える。
途中の雙津峡温泉まで「とことこトレイン」っていう遊覧車が走っているのよね。
一度は乗ってみたいな~。
川沿いの国道434号は、序盤はほぼ平たん路だ。
それほどの傾斜ではない。
じっくりと進んでいく。
広々とした道。右手には清流・宇佐川 |
次第に高度を上げていく。
深谷川との出合いを過ぎると、斜度が徐々にきつくなる。
山が両側に迫ってくる。
道はまだ2車線できれいだ。
トンネルをいくつか通る。
きれいな道が終わった、
道幅は1・5車線に狭まる。
酷道434号 |
両側は切り立った崖。
右下には渓流。
昔ながらの酷道が始まった。
ケーキさん、この坂がうれしいのか? |
それでも時々、車は通る。
谷をはさんだ右手上では、新しい道路を造成している。
あの道を通ればもっと楽なのに…
道をじわじわと上る。
ようやく狭い道が終わり、拡幅工事の途中らしき道に出る。
頭上には中国自動車道の橋。
よくもまあこんなとこを通したものだ。
どなたかに抜かされた |
ここからが宇佐郷の集落だ。
集落を抜ければ、松の木峠のとっつきのはずだ。
時刻は午後5時。
集落とはいえ、家はまばらだ。
そのまばらな中をじわじわ上っていく。
立派なバス停があった。
中にはぬいぐるみが飾られている。
地元の人に愛されているのが分かる。
豪華ホテル。寝ないけど('ω') |
また動き出す。
相変わらずな斜度は相変わらず続く。
道は続く |
宇佐郷ってこんなに広かったかな。
下りではあっという間に終わった気がするのに。
こんな山の中なのに、ぼちぼちと人家が続き、田畑がある。
どうなってんのよ、一体・・
さっきから30分以上上って、疲れた。
一息入れますか。
だいぶ上のほうまで来たのだが |
路傍で止まる。
むすびを食べる。
食べると力がわく。
もぐもぐ |
来た道を振り返る。
空が広く感じる。
山里の日暮れ |
またペダルを漕ぐ。
右手に宇佐川の源流部が流れる。
三面護岸化されていて風情はない。
コンクリートの水路を水がさらさらと滑り落ちている。
集落がようやく途切れた。
道はますますそそり立ち、わしらの行方に立ちふさがる。
頭上に再び中国自動車道の高架橋が表れる。
時折、車が往来している音が聞こえる。
斜度は体感で十数%。
なのにEdge520は4~5%とか、残念な数値を表示し、わしの神経を逆撫でする。
リア34Tをしても、はいつくばってしか上れない。
34Tでよかった。
マジよかった。
ってか、終盤にこの峠道残すとはfuk@さん、マジ卍だよ。
あんな優しそうな笑顔の裏で、ひどい・・・・。
一番斜度のきついあたりを越えたが、まだまだ坂は終わらない。
つづら折りを上る。
左右は植林されたスギだかヒノキだかの針葉樹が続く。
うっそうと暗いが、夕日がその間を縫って、差し込んでくる。
路面は荒れているが、のろのろと上る分には関係ない。
こんな山奥なのに、路肩にはごみが散乱している。
eTrexの地図は、つづら折りの道を正確に書き出している。
そのピンク色の航跡をたどって、ピークを目指す。
そして、午後6時過ぎ。
ようやく着いた。
ラスボス、松の木峠のピーク、標高776メートルに。
531キロ地点。
フォトチェックなのでケーキさんに記念撮影してもらう。
ラスボス松の木峠に倒された! |
止まると、虫が顔の回りに群がってくる。
目つぶしだ。
勘弁してくれよ。
夕暮れの高原風景 |
防寒用のレインジャケットを羽織る。
バフで口元を覆う。
さあ下るぞ! |
これでよし。
一息入れて高原の緑の中を走り出す。
ここからは下り基調。
残り70キロ。
あとは重力に体をゆだねるだけ。
3時間もあればゴールできるのでは・・・
と、思っていましたよ。この時は…。
しかし問題はそう簡単ではないわけで。
一気に小瀬川沿いを下っていく。
荒々しい渓流を見ながら、いいペースでのダウンヒルだ。
らかん高原の道の駅を通過する。
津田への分かれまで順調に下る。
ここからしばらく上り返し。
再び下る。
道は小瀬川のダム湖沿いを進む。
そう。このダム湖沿いってのが実は厄介なのだ。
ダム湖だから水面からの距離はほぼ一定。
つまり川を下っているのだけど、ほぼ平坦路なのだ。
というか微妙なアップダウンがある。
松の木峠と戦った、わしらの疲れ切った足には実にきつい。
なかなか前に進まない。
ダム湖沿いの道 |
そんなのろまな亀を馬鹿にするかのように、カラスの群れが周囲を飛ぶ。
2,3羽が交代交代でわしらの行く手をさえぎる。
山の斜面を覆う落石防止用の金網につかまって、こちらをうかがう。
ヒッチコックの「鳥」じゃないけど意思を持つもののように見えてくる。
しばらく付きまとわれたが、なんか嫌な感じだった。
疲れた脳はいろいろとマイナスな思考を繰り出すのだろう。
午後7時、日は落ちて |
そして周囲がだんだんと暗くなる。
2回目の夜が始まる。
ライトを点灯する。
メインのVolt1700はインジケーターの色がオレンジ色から赤色に変わった。
200ルーメンで15時間持つとはいえ、昨夜一晩ずっと付けたままだったからね。
黄昏時を過ぎる。
そろそろ眠気が襲ってきた。
なんだか脳内が意味不明なことを考えている。
危ないな。
一度、路肩に止まる。
補給をして気分転換。
再び走りだす。
Volt1700のインジケーターが点滅を始めた。
あ、電池切れか。
弥栄ダム湖沿いの覆道の中。
路肩に自転車を止める。
サドルバッグから交換電池を出し、取り付ける。
よし、これで大丈夫。
弥栄ダムは大きい。
なかなか終わらない。
それでも。
それでも。
ようやく右手に大きなダムの堰堤が見えて、ダム湖が終わった。
下り坂だ。
いくつかのトンネルを通過する。
坂が終わり、平坦部に出た。
道路の左端を走るわしらを、車が間隔を開けて抜いていく。
時折、ありがとうの意味をこめて右手を上げる。
ドライバーは見ていてくれたろうか。
気持ちがあっちに行ってしまわぬように懸命に押しとどめる。
耐えろ。耐えろ。
小瀬川沿いを進む。
左岸から橋を渡って、右岸へ。
広島県から山口県に戻った。
右折する。
小瀬川と錦川は水系が違うので、山で阻まれている。
その山を越す。
何度か走ったことがあるので、心の準備はできていた。
100メートル強の小さな峠。
でも600キロ近くを走ってきた足にはきつい。
トンネルを抜ける。
急傾斜の直線路を駆け降りる。
岩国インターチェンジの入口を過ぎ、錦川を渡る。
午後8時48分、581.1キロ地点のPC4デイリーヤマザキ岩国IC店にたどりついた。
貯金は1時間4分。
ゴール締め切りは午後11時、残り20キロ。
どうやら時間内に完走できそうだ。
買い物をしてレシートを受領する。
残り20キロ、無事故で走り切ろう。
錦川右岸を通って錦帯橋へ向かう。
途中、スマホを落としたけど、無事でした。
そしてライトアップした錦帯橋が眼前に。
錦帯橋よ!私は帰ってきた! |
ようやく。ここまで。
感動もそこそこに走りだす。
夜の岩国市街地を抜けて、国道188号へ。
慣れ親しんだ道。
帰り道。
藤生から通津、由宇へ。
左手にコンビニの明かりが見えた。
セブンイレブン山口由宇店だ。
滑り込む。
ゴオオオオオオーーーーール!!!
5月12日午後10時17分。
山口県をぐるりと回る600キロの旅は終わった。
輪は閉じた。
ケーキさんと乾杯。
安堵の一杯 |
わしはノンアルで、ケーキさんはホットコーヒーで。
お疲れ様。
お互いよく頑張った。
この安堵感がブルべの魅力なのだよ。
最後にもう一仕事残っている。
跨線橋を越え、出発地点の潮風公園みなとオアシスゆうに戻る。
事務所の前に、ウノさんをとめる。
手前はノダカナ号 |
手続きを済ませる。
これで600キロ認定完走と相なった。
受付、お待たせしました! |
今年初のブルべにしては上出来じゃないか。
リザルトによると、36人が出走し、33人が完走したそうな(認定試走含む)。
わしは後ろから3番目。
正真正銘のギリギリ隊だ。
認定タイムは39時間17分 |
ちゅーピーズのノダカナもわしらより30分以上早くゴール。
これで彼女は今季SRが確定。
「夢」への切符を手に入れた。
しゅごい。
ともかくも600キロの長い長い旅は終わった。
楽しくしんどい旅を企画してくれたAJ広島のみなさん、本当にありがとう。
一緒に走ってくれたケーキさんもありがとう。
感謝しかない。
STRAVAから |
この日は車内で日付が変わるころまで仮眠。
眠気が取れるのを待って帰宅したのだった。
翌日は休みをいただいた。
疲労と睡眠不足と筋肉痛でほぼ一日使い物にならなかった。
日焼け対策を怠っていたせいか、筋肉痛ともあいまって体が熱を持ってしょうがなかった。
いやあ、600ブルべって本当にハードだわ。
ともかく今となっては、いい旅だった。
さあ、次はどこへ走ろうか。
終わり
お疲れ様でした。
返信削除長い長い旅でしたね。
最後に私も登場させてもらって光栄だわ。
さて、次の400が待っとるよっ!(←鬼か・・)
くるちゃん
削除ようやくゴールしました。
ライブで疲れて、ブログでくたびれて。
一粒で二度苦しい。いや楽しんでいます。
次の400、始まる前から気が重い( ;∀;)