2021年1月28日木曜日

BRM919東広島・岡山400Km Zガンダムに会いに その1 Ζ・刻をこえて

どうもたっかんです。

昨年の話ですが、2020年9月19日(土)~20日(日)にブルべ走ってきましたよ。

Facebookにメモで上げていたのですが、ブログは忘れていました。

せっかくなので大幅に加筆訂正してアップします。

Gネタをちりばめ、いつもとは若干文体が違うのですが、そこはご愛敬で。

ちなみにサブタイトルの「Ζ・刻をこえて」はZの前半OPね。


府中焼き

さて、BRM919です。

東広島市を出発して、岡山県津山市久米地区を往復する400キロです。

前の週の9月13日(日)にも広島市一周の200を走っているので、コロナ明け2発目になりますな。


久米地区の久米の道の駅には知る人ぞ知るZガンダムの立像があります。

今回のブルベの目的地はその格納庫がある道の駅。

昔、ドライブがてら遊びに行ったことはありますが、自転車では初めて。

 

われわれは午前9時スタート組。

スタート時の「密」を避けるために、午前7時から1時間おきに出発するのだ。

Zガンダムが格納庫入りするのが午後6時らしい。

なので、9時間で約200キロ走ればどうということはない。


今回は相棒のケーキ氏との出走。

さてわしらは刻をこえて、生き残ることができるか。(タイトル回収)


出発地点は新幹線東広島駅の近く。

広島市民にはなじみのないところだが、駅近くにはビジネスホテルが数軒建っていて、そこそこ賑わいが見れる。

安いパーキングに車を止めて、集合場所へ向かう。

こなきさん、くるぱんさん夫妻が笑顔で迎えてくれた。

よくこんな場所見つけたよね

午後8時半から受付、車検を済ませて順次スタート。

当初は雨とかの予報だったのだけど、どんどん上方修正され、この日は最高の晴天になった。


いい風景

収穫期を迎えた豊穣の大地を走っていると「みんな地球はいいところだぞ!」と∀ガンダムのロランばりに月に吠えたくなる。


往路は国道486号を東へと進む。

尾道市御調町からは府中市勤務の時にさんざん通った道だ。

ルート上に、仕事でお世話になった備後府中焼きの名店かたおかがある。

これは寄らざるを得まい。

府中焼きの名店

ちょうど昼時だし。

ミンチがポイントね

定番のそば肉玉は、脂身主体のミンチのうまみを吸い、カリっとした食感とも相まってうまい。

これで550円はありえない。

10年前から値上げしてないんだぜ

府中の人は幸せだ。

うちの子は広島に戻って、転校のあいさつで「府中から来ました」といったのを「宇宙から来ました」と聞き取られ、以来「宇宙人」と呼ばれていたという(一部創作)。

息子、おまえはスペースノイドだったのか。


大将との念願の再会も果たせ、自分的にはミッションを果たせた感でお腹一杯に。

とはいえ旅は続く。


福山市新市町から神辺町へ。

アンパンマンとフォトチェック。

アンパーンチ!

県境を越えて岡山県井原市へ。

息子が幼児の時に、井原にも勤務していたので、これまた懐かしい。

よい道ができていた

国道313号のバイパスが完成していたのには隔世の感が。



井原市から旧芳井町へ。

お笑い芸人の千鳥のノブの故郷な。

そういや昔、芳井夏祭りのゲストに営業で来ていたような。

コンビニで一休み

山を越える。

K代表たちに軽々と抜かされていく。

ピークには貴重なカップヌードルの自販機が

山を越える高梁市に入る。

旧川上町に入ると、高梁川水系が迎えてくれる。

高梁川と出会う。あれ?成羽川だったか?


成羽川を横目に下りながら、快走する。

旧成羽町の美術館のある街並みを過ぎると、高梁川に出合う。

まもなく備中松山城下に出る。

高梁市の中心部だ。


ここから高梁川に別れを告げ、なぜか吉備高原に上る。

夕暮れの高梁市街を見ながらのろのろと坂を上る。

登坂

「おーい」。下から声がする。

K代表じゃないか。

どうやらフォトチェックを通り過ぎていたらしい。

大先生、なんていい人なんだ。

若干、坂を戻ってループ橋の下で撮影する。

フォトチェックである

また激坂を上り、急坂を這い上がる。

重力に魂を引かれた我々は、肉体も重力の楔につながれている。


途中、電アシの高校生にぶち抜かれた。

コースディレクター氏への感謝の念が胸中をどす黒く塗りつぶす。


日が沈んだ。

このペースではZガンダムとの対面はどう考えても無理だ。

刻の涙が頬をつたう。


吉備高原は山の中である。

賀陽ICを過ぎると、コンビニすらない。

この週末、世間的には4連休だった。

川沿いのキャンプ場にはテントが立ち並び、あたたかなランタンの光が周囲を照らしている。

キャンプ場の明かり

小さな温泉宿もある。

むっちゃいい感じ


そこは天国かもしれない。

でも、われわれランドヌールは、ぬくもりを振り払い、真っ暗な道を突き進む。


午後8時、津山市の手前で実に2時間ぶりのコンビニを発見した。

これは寄るしかない。


「塩が足らんのです」。

加齢臭のするオヤジ二人はカレーヌードルとキーマカレーをむさぼり食う。

生き返ったよ。

華麗なる加齢臭のする彼らのためのカレーヌードル

出発直後、左手に昔懐かしい、うどんの自販機があったのを知り、深く悔やんだ。

この素晴らしいグラフィック


そして午後8時37分。

出発から約12時間。

197キロ地点のPC4久米の道の駅に到着したのだった。


到着


つづく

2021年1月24日日曜日

BRM1024‌呉・‌高‌知‌600km‌ ‌そ‌の‌‌7 HOTEL(完)

2020年10月25日(日)午後11時5分。

愛媛県松山市の道後温泉の坊ちゃんからくり時計前。

24日午前8時に呉市を出発してから609キロ(ガーミンでは612キロ)。

39時間5分の旅が終わった。

やった!


先着したK代表が迎えてくれた。

「ランタンルージュです。お疲れ様」

ランタンルージュとはフランス語で赤いライトのこと。

転じてツールの最下位ゴールの選手を示す。

だが、完走しなくては最下位になれない。

走り切った人間だけが受け取れる「名誉」だ。

ここは誇っていい。

元気そうだな。K代表


とはいうものの、一時3時間以上あった貯金は派手に食いつぶしてしまって、結局、40時間の制限時間に対し55分を余すだけ。

結局、AJ広島ギリギリ隊としての務めをまたもや全うしてまった。

と思っていたら某氏から「使わなければ貯金じゃない」という名言をいただいた。

制限時間いっぱい楽しんだ(苦しんだ)のだから、よしとしよう。


そして今回の600キロの完走で、2020年のSRが決定。

これで2年連続だ。

コロナ禍の年という厳しい条件下だったが、200、400を2本、600でなんとかやり切った。えらいぞワシ。


1月中旬に届いた2020年のSRメダル

さて、ちなみにK代表は午後8時過ぎのゴールとか。

これから三津浜港に向かって、柳井行きのフェリーに乗って帰るという。

まじかよ。元気だなオイ。


一息ついたので、例の拾ったゴアジャケットを手渡し、別れを告げる。

無事、持ち主が現れたそうです。

お役に立ててよかった。

ブルべ中にブルベエさんの落とし物拾ったの3度目じゃわ。


50代半ばのわしはK代表ほど元気でないので、もちろん宿泊。

道後温泉のホテルに予約しているのだが、自家温泉の営業が午後12時まで。

これは急がないと。


坊ちゃん時計を離れ、丘を上る。

ホテル発見。

フロントに自転車を預ける。

風呂なしの部屋だと、自転車持ち込みOKだそう。

だが、今回は間に合わなかった時を想定してバストイレ付きにしたので。

ま、結局滑り込みセーフだったのだけど。

事前にホテルあてに送っていたドロップバッグを受け取って部屋へ。

部屋はツインの畳スペース付きだ。


いい部屋じゃないか

GoToの恩恵。これで5000円は安い。

浴衣に着替えて、香ばしいウエア類を袋詰めする。


たちまち大浴場へ。

天井が高く、広々とした贅沢な造りだ。

道後温泉の香りを楽しみながら、湯舟に体を浮かせる。

気持ちいい。600キロを頑張ったご褒美だ。

サドルで擦れたお尻にちょっとしみるけど。

なんとか20分ほどゆっくりできた。

部屋に帰って、勝利のビールをあおる。うまい。


あああ、うまい


午前0時半には就寝した。

zzzz


体がホテルじゃない火照る(タイトル回収)。

眠りが浅い。

疲れているのに。

体はまだ走り続けているのだ。

しばらく、うとうととして結局6時前には起床した。


朝風呂に向かう。

月曜の朝なので人は少ない。

浴槽のふちに寝転んでリラックスする。

温泉成分が痛めた右足のアキレス腱にしみ込んでくれたらいいのに。

風呂を出る。


松山の街並みを眺める場所にマッサージチェアが並んでいる。

マッサージチェアに体をあずける。

600キロのライドでこわばった体がほぐれていく。

むっちゃ気持ちいい。

これは天国だ。

あっという間に時間が過ぎる。


レストランで朝食の鯛めしむすび弁当を受け取る。

「密」回避対策だ。

部屋に帰っていただく。

鯛めしむすび弁当


もう一泊のんびりしたいぐらいだが、午前10時のチェックアウトは近づいてくる。

しょうがないので荷物をまとめる。

フロントで自転車を返してもらって、再び走りだす。

明るくなって見た坊ちゃん時計


右足が昨日より痛い。

昨日はアドレナリン出ていたのだろうな~。

のろのろと走って、松山の市街地方面へ。

念願の「周平」

「周平」でラーメンをいただく。

これまで何回か松山は来ていたけど、日曜日は開いていないので、ずっと来たかったんだ。

広島の「周一」では食べられなくなったからね。

コレコレ。この感じだよ


ただ疲れで味覚がおかしくなっていたのか、若干だしが薄く感じたのだった。

ともかく完食。

食後に同じブルベに参加した、ちゃけのびさんと遭遇した。

「松山はつけ麺もうまいよ」という、わしのツイートを読んで、同じ店を探し当てたらしい。

しばし歓談してお別れ。

SNSの時代だなぁ。


いったん忘れ物を引き取りにホテルに戻ったら、今度は駐輪スタンドにヘルメットをぶら下げて忘れてしまい、もう1回取りに戻った。

やっぱ疲れて注意散漫になっていたのかな。

のろのろと松山観光港へ向かう。

港へ向かう


足が痛いので、ストップ&ゴーがほんまにつらかった。

13時半過ぎに観光港に到着。

サイクルーズパスをつくると自転車の輸送代が無料になり、呉まで片道3000円で帰れる。

港のロビーでお土産を購入し、午後2時15分発の新造船シーパセオに乗りこんだ。


シーパセオが到着

船内はモダンでゆったりとした造りだ。

トイレも現代水準。

一番上の展望デッキを効果的に使っていて、特別感を演出していた。

上は展望デッキ


売店やカフェスペースも充実している。

いい感じ


わしはフェリーで定番のカーペット席にスタンバイ。

ここで昼寝


しばし午睡を楽しんだのだった。

午後4時前に音戸の瀬戸を通過。

ちょ、陸が近い。

すぐそこに建物


そして橋桁


音頭大橋が頭上を過ぎると、音戸渡船が。

音戸の渡船

フェリーが瀬戸を抜けるとともに対岸へ向かっていった。

そして右手に広がる、赤茶けた巨大な建物群。

この景色は壮大だ


日本製鉄瀬戸内製鉄所呉地区である。

わしらには日新製鋼呉製鉄所のほうが通りがいいが。

この鉄を産みだす巨大な施設群が閉鎖されるとは、本当に信じられない。


午後4時、呉港に到着。

本通りのコインパーキングに向かう。

土曜日の朝から月曜日の夕方まで駐車して、料金は3200円だった。

広島呉道路、南道路を乗り継いで、午後5時半には無事帰宅できた。


というところで、今回の旅はおしまい。

非常にしんどいが、いい旅だった。

右足を痛めたのが誤算だったなあ。

これがなければ、もっと楽だったろう。

楽なブルベはない、ってことを実感させてくれた600キロだった。


厳しい時期だったが、走れてよかった。

AJ広島のみなさんに感謝を。

そして道中、一緒に走ってくれたり、励ましあったりした仲間たちにも感謝を。

ありがとう。ほんまにありがとう。


今年も困難な状況は続いている。

それでも前を向いて足を回そう。

走り続けよう。

明けない夜はないから。

さあ、次はどこへ走ろうか。


おわり。