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2022年9月21日水曜日

一泊二日、乗鞍ヒルクライムの旅

 どうも、たっかんです。



8月15、16日の両日、一泊二日で長野県の乗鞍に行ってきました。

そう、標高2700メートルを超す自転車で行ける日本の最高地点にして、言わずと知れたヒルクライムの聖地。

毎年8月下旬には「乗鞍ヒルクライム」という市民レースが開かれていることで有名だ。

ことしは夏休みが取れたので、思い切って企画した。

家族は「仕事が」「バイトが」と付いてきてくれないので一人で行ってきた。

ま、数日前に言ったワシも悪いのだが。


15日(月)の午前8時に福山のアパートを出発した。

むっちゃいい天気で、きょうも暑くなりそうだ。
予報によると、好天は16日ぐらいまでらしい。

8時半には山陽道に乗る。

あとは淡々と東へ走るだけ。

ナビによると片道約580キロ。

高速道路を延々と岐阜県の飛驒高山まで走り、そこから一般道で日本アルプスの山塊を越えるルート。

ナビは15時半ぐらいに付くと示しているが、さてどうなるか。


帰省客で、車の数はそこそこ多く感じた。

走行車線に乗り、ゆるゆると進む。

瀬戸PAと淡河PAでそれぞれトイレ休憩。


山陽から新名神へ。

新名神を初めて通った。

ほぼほぼトンネル。

カーブが多い中国道を避けられるのはありがたいな。

大学時代を過ごした豊中付近の風景を見られないのは、ちょっと寂しい。


新名神から名神、京滋バイパスへ。

巨椋IC付近で事故かなんかで一部渋滞していた。

腹が減ってきたので、高速に乗る前に買ったパンをかじった。



名神は京都付近で渋滞していたようだ。

草津で名神に合流し、琵琶湖東岸を北上する。

関ケ原を抜けて、養老山地を横目に濃尾平野に入る。

一宮JCTから東海北陸道へ。


14時過ぎに長良川SAに到着。

ラーメン750円で昼食を取った。


ついでにガソリンを給油した。

リッター184円とむっちゃ高いが、ガス欠にはなれないのでしょうがない。


16時過ぎに飛驒清見ICを下りる。福山西ICから10900円だった。

中部縦貫道を通って高山で地道に下りる。


セブンイレブン高山下切町店で買い出し。

今夜の夕食と明日の朝食用の食料や酒類を買い込む。

ここからは途中で国道158号に合流し、乗鞍方面へひたすら上っていく。

延々約30キロ、標高1400メートルの平湯トンネルまで上がる。

道沿いに観光客向けの宿泊施設や土産物店、酒店がちらほらある。

夏は登山や避暑、冬はスキーやスノボでにぎわうのだろうね。


トンネルを越え、少し下ると谷間の平湯温泉郷に入る。

キャンプ場もあり、森の中にはテントがたっていた。

ここで温泉キャンプを楽しむのもいいよね~。


有料の安房峠トンネルを通る。790円。

トンネル内は広くて走りやすかった。

もう1本トンネルを抜けると、上高地の手前側。

ここからはマイカー規制になるそうだ。


梓川沿いを下る。

さすが日本アルプス。

山は高く、谷が深い。


大きな駐車場を過ぎる。

沢渡駐車場と言う名前。さわんどと読むらしい。

ここが上高地へのアクセス拠点になり、マイカーを止めてバスかタクシーで向かう。


トンネルをいくつか抜けて、ダム湖を越えて、坂をひたすら上る。

午後5時半ごろに乗鞍観光センターに到着した。

福山から9時間半で約580キロ。

ストリームさん、頑張ってくれたよ。


17万キロ近く走ってくれているストリームさん。

これが最後のロングドライブかなあ。

そう思うと感慨深い。


しばし下って宿を発見。

現在のゲストハウスの名前の看板よりも昔の旅館の名前の看板が大きくて、なかなか見つからなかった。

部屋は築60年の木造和室。

鍵なし、エアコンなし、テレビなし。

布団はセルフ。



素泊まりでクーポン割引ありで4000円内なので、よし!

そして何よりも風呂が素晴らしかった。

乗鞍温泉の加温なしの源泉掛け流しの檜風呂。

カランが二つの個室が二つある。

貸し切り制で入っているときは表のプレートを「貸切中」にするだけ。



浴槽が太ももぐらいまであり、深い。

お湯は乳白色に濁っており、沈殿物がたっぷり。

漬かったらつま先すら見えない。


硫黄臭がむんむん。

まさに正しい温泉。

建て付けが今ひとつの窓を開ければ、川のせせらぎが。

控えめに言って、最高である。


夕食はセブン弁当。

ビールを飲んで就寝した。



エアコンはないが、さすが標高100メートル以上。

気温20度前後と涼しいので窓を開ければ問題なかった。


午前5時半起床。

屋根が濡れている。

寝ている間、雨が降ったのだろう。


朝風呂をいただく。

朝食は前日購入したおむすび。

布団のシーツ類をまとめて、返却かごに入れ、7時過ぎには宿を出発した。


乗鞍観光センターの駐車場に車を止める。

「車中泊禁止」の看板があるが、どうみても車中泊のみなさんが何台も・・・。



自転車を組み立てる。

天気は良くもないが、悪くもない。

標高1460メートル、気温は19度。

山頂まで標高差1200メートルをはい上がる。

10度近く気温が下がる計算だが、さて。

午後に向けて好転してくれればいいが。



ウエアは夏用にした。

AJ広島ジャージにチンクのビブショーツ。

バックパックに下山用のウインドブレーカーや薄手のフルフィンガー手袋、補給食など軽めのものを入れた。



7時50分、いざ出発!

序盤は2車線あり、斜度もさほどではない。

だが走り始めたら、いきなり心拍数が上がる。

空気が薄いのか。



ペースを抑え気味にして、ペダルを回す。

涼しいので、下界に比べると楽でしょうがない。

高原地帯なので虫が寄ってこないのもありがたい。



走り始めて15分。

山頂へのシャトルバス2、3台に抜かされる。

8時発のバスかな。



ゆっくり上る。

約30分かけて標高1700メートルに。


約40分で標高1800メートルの三本滝レストハウスに着いた。

ここまでマイカーで上がれる。

ゲートの監視員さんに「上は風が強いよ。気をつけて」と励まされる。

「ありがとう!」と返して、上り始める。


ここからは道幅がやや狭くなる。

スキー場のゲレンデを縫うように高度を上げていく。


最初はそうでもないが、部分的に斜度がきつくなっている。

ただ風景が開けているので、視覚的には斜度をそれほど感じない。



レストハウスまでは一人旅だったが、ここらから同好の士をちらほらと見かけるようになった。

斜度がきつくなってきた。

のろのろと坂道を抜きつ抜かれつ。


ベテランらしき2人組は、道幅を一杯つかいジグザグに進んでいる。

対向が来たらどうするつもりなのだろう。


走り始めて約1時間。

道路脇に涼しげな滝が。


標高が2000メートルを超えた。

気温は18度、さほど下がっていない。



朝一で上ったサイクリストと時折すれ違う。

「上がすごい風だよ、気をつけて」と声をかけてくれる。

みんなやさしいなあ。


冷泉小屋に到着。

一息入れる。

小屋は閉まっていた。



位ヶ原山荘を過ぎる。

ここが山頂前の最後の補給地点になるのか。


標高2500メートルを超えた頃から、木々の高さが低くなる。

森林限界を超えたのだ。

ハイマツの間に高山植物が咲いている。



見上げると、尾根を越えてガスが吹き下りてくる。

時折、ガスの合間に白い雪渓がのぞく。


写真を撮ろうとするが、すぐガスに覆われて見えなくなる。

次第に風も強くなってきた。


ウノさんを止めて、ウインドブレーカーを着込む。

息を整え、のろのろと走り出す。


道路脇に雪渓がある。

わずかだが雪が残っている。



さらに高度を上げる。

ガスの中に突入した。

先が見えにくい。

風が吹き、そして冷たい。



またもや一息。




風にあおられながら上る。



そして午前10時30分。

ようやく標高2716メートル地点に登頂!



一緒に登ってきた人たちと記念撮影しあう。やったぜ!

風が暴れている。

風速10メートル以上あるだろう。

立っているのもつらい。



そして気温一桁。9度か8度か。

体感はもっと寒い。

ガスがかかって見通しも悪い。

さすが2000メートル級の山ならではの厳しさだ。



視界さえ良ければ、山頂付近は広々として、バスターミナルのレストハウスがあるようなのだが全く見えない。

道路を頼りに意を決して歩を進める。

風がすごく、自転車に乗っているとあおられて恐ろしい。


左手には池があり時折、ガスの合間に見える。

が、写真で撮ろうとして、スマホを向けてもすぐ見えなくなる。


山頂付近を進んで、ガスの中に建物が見えたときは本当に安心した。

店内でいただいた400円のホットコーヒーが温かくてうまかったなあ。


2階の有料トイレ100円で小用を足す。



11時過ぎ、意を決して建物の外に出る。

相変わらず暴風とガスが続いている。


間違ってスカイライン側に下りそうになりながら、なんとかバス停地点にたどりつく。

標高差1200メートル、20キロのダウンヒルが始まる。


風に翻弄されつつ、山を下る。

ガスに隠されて、下の景色もよく見えない。



そして寒い。

ウインドブレーカーの上にジレを着用し、フルフィンガーの手袋をしているのだが。

我慢しつつ下る。


位ヶ原山荘を過ぎる。サイクリストでにぎわっていた。

冷泉小屋は人の姿は見えたけど、閉まっていた。


シャトルバスが下りてきたので、先に行ってもらう。

道幅はそこそこあるが、カーブがきついので曲がるのも大変そう。


だんだん気温が上がってくる。

一息つく。

慎重に下りていく。


12時前に乗鞍観光センターに到着。

下山に小1時間かかった。



ということで乗鞍ヒルクライムは終了。

なかなか得難い体験だった。

景色がよければもっと楽しかったのに。

こればかりはしょうがないな。


近くの日帰り温泉「湯けむり館」で一風呂浴びる。入湯料は750円。

ここもゴリゴリの温泉。硫黄臭がすごかった。


あれから1カ月以上たつのだが、温泉で使ったタオルやてぬぐい、温泉後に着たTシャツからいまだに硫黄臭がする。

ちょっとすごいよね。


付属のレストランで昼食。

豚丼1000円で満腹に。

土産を購入して、13時15分に乗鞍を出発した。



帰路は9時間かかった。

途中、東海北陸道のぎふ大和PAで仮眠をして、新名神でトイレ休憩をしたぐらい。

あとは走行車線で時速80キロを順守し、走り詰めだった。

養老SAと関ケ原周辺でゲリラ豪雨に出くわした。


たんたんと走って22時過ぎに福山に到着したのだった。

帰りはなんと580キロを無給油で。

燃費がリッター17キロまでいったのだった。


といったところで今回の旅は終了。

疲れたけど実にいい経験ができた。

さあ、次はどこへ走ろうか。


おわり

2020年12月31日木曜日

BRM1024‌呉・‌高‌知‌600km‌ ‌そ‌の‌‌5 ‌鬼滅の刃

どうも、たっかんです。

年内にブログを完走させようかと思っていたのですが。

厳しいようですね。


というわけで、10月25日(日)午前10時24分。

430キロ地点のPC6宿毛駅に到着したのでした。

「ようこそ宿毛市へ」。マジでそう思う

駅舎にある「ようこそ宿毛市へ」の看板と自転車を撮影しメールする。

想定締め切りが午後零時43分なので貯金は2時間19分。

ほぼほぼ時速15キロのブルベペースは維持できている。


のどかな田園地帯。

ちょっと戻ってルート上のローソン宿毛バイパス店に立ち寄る。

昼前だし、ここはがっつりと補給タイム。

日当たりのいい場所に腰掛け、チキンカレーをいただく。

空は青く、最高の日よりだ。

腹が満ちたので、補給用のむすびを買って、再出発する。


宿毛から峠を越える。

ここから国道56号は、港町と峠が連続していく。

日本全国津々浦々というが、あれは日本の沿岸にいかに港が多くあり、そうした港は海から訪れたほうが、おそらく往来しやすかったのだろう。

つまり津々浦々は、陸路に向いていないのだ。

陸路では津々浦々の間は、山々で峠。

つまり自転車には極めて優しくない地勢なのだ。

そんなことをうそぶきながら、歩を進めていく。


愛南町に入る。

山の上に風力発電のプロペラが


そういやわしが通うカフェ、トリポーのご主人がここのトライアスロンに出場したことがあると言っていたな。


左手に道の駅みしょうがある。452キロ地点かな。

トイレを借り、観光案内所のソファで一休みさせていただく。

しばらく気を失っていた。


再び走り出す。

また峠。

歩行者・自転車用のトンネルがあるのが有難い。

安心して走れる


トンネルを抜けると、左手に太平洋というか豊後水道の雄大な景色が広がる。

海から吹き付ける風が強い。

風が吹きつける

峠からの下りなのだが、逆風のせいでスピードの乗りが悪い

せっかく稼げるところなのに・・・。


宇和島市に入る。

湾奥にブイが数多く浮かんでいる。

真鯛の養殖が盛んだという。

海面、ブイが多い


集落を過ぎると左手に郵便局だ。

なんと嵐郵便局とか。

インスタ映えするパネルが設置されている。

ツイートしたら嵐ファンの方から「いいね」をしっかりいただきました。

ここは活動休止せんじゃろう


そして港のあとは峠。

この坂は嵐坂というらしい。

なんかジャニーズと女子アイドルグループがコラボしたげな名前じゃな。


嵐坂のピークはトンネル。

ここも歩行者・自転車用トンネルがあって助かる。


坂を下る。

港があって、また上り坂。


炭水化物は正義


むすびを食べて、元気をチャージした。

午後2時16分、走行距離は483キロ。

あと120キロ


あと120キロぐらいだが、ここにきて右足のアキレス腱が痛くなってきた。

負担をかけないように、軽めに脚を回していく。

がんばれ、わしの脚。


国道56号はバイパスになったりして、道がちょっと複雑になる。

歩道橋を渡らにゃいけんとこもあって気を使う。


歩道橋を渡る


脚の痛みはまだ続いている。

ちょっと対策を取るか。


左手にドラッグストアのコスモスがあった。

駐車場に滑り込む。

コスモスは自宅の近くにもあるのだが、店内の配置が似通っていて使いやすい。

湿布などのコーナーに直行し、テーピングテープとパスタイムを購入。

駐車場でさっそく手当てする。

足首が固定され、だいぶん楽になった。

もう少し頑張ろう。

午後3時21分、宇和島駅前を過ぎる。


宇和島駅


ここから国道320号を鬼北町方面へ上る。

トンネルを抜ける。

ダム湖の横を通り過ぎる。

斜度がきつい。

標高ゼロメートルから250メートルまで上がる。

しんどい。




アキレス腱が痛いのもきつい。

何回かペダリングすると、しばらく足を止める。

それを繰り返すのだが、坂道なので余計にしんどい。

なかなか進まないし上らない。

しんどい上り


太陽は次第に傾いてきて、紅葉の木々がより美しく映える。

でもわしの心と体はヤバイ。

鬼滅の刃ならぬ鬼北への道はヤバイである(タイトル回収)

なんとか耐え抜きて、鬼北への上りをクリアする。

ここは本当にしんどかった。


わしは高度を上げたが、太陽は夕刻なので高度を下げて、山に隠れる。

これからは寒くなるな。

道端にラピュタのロボット兵が。


鬼北のラピュタ

午後4時、路肩に自転車を止めて、雨具を着込む。

夜間モードに突入だ。

疲れた



鬼北町に入ると、しばらくは高原上の道だ。

何回かペダリングして、足を止めるというパターンで進んでいく。


ん?

進行方向の路面にオレンジ色の何かが落ちている。

わしが着ているモンベルのゴアサイクルレインジャケットと同じ色じゃん。

自転車を止めて確認すると、やっぱし同じジャケット。

バッグに縛り付けて、持って行くことにする。

ブルベえの定番だ

これって結構高いしね。

きっとなくした人は困っていることだろうて。


鬼北町の高原の道を淡々と走る。

だんだんと太陽が落ちていく。

午後5時40分、526キロ地点のPC7道の駅日吉夢番地に到着したのだった。


続く。


なんとか到着