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2020年11月9日月曜日

BRM1024呉・高知600km その2 おーい!竜馬

どうも、たっかんです。

今回は四国山地を越える


600ブルべの振り返り、続きます。


10月24日(土)午後5時40分、わしは愛媛県西条市のファミマ西条加茂川店にいた。

600キロブルベの192キロ地点。PC(フォトチェック)2である。

今回はPCごとの関門時間は設定されていない。

だが、ペース配分は重要。

コンビニと自転車はブルベの最強ペア


想定クローズ時間が午後8時50分だから、貯金は3時間10分になる。


わしとすれば出木杉君の途中経過である。

ここからは夜の寒風山の上り。

高知までの山越えが続く。

麺類はいいねえ

腹ごしらえをしないと。


店内のイートインでがっつり味噌ラーメンをいただく。

間もなくモリリンや代表たちも続々と到着。

店内外がランドヌールたちでにぎわう。


バックパックから長袖ジャージを出して、着替える。

仕事の電話をしているノダカナを横目に、お先に出発。

手早く済ませたつもりだが、それでも40分間も休憩していた。

オストリッチのサドルバッグに結わえていたモンベルのバックパックを外し、長袖ジャージを取り出し、着替える。

今まで着ていた半袖ジャージを脱ぎ、バックパックに入れて背負う。

今回の600キロで新たに投入したのがバックパック。

重量約100グラムという軽さで、背負っても重さをほとんど感じない優れモノだ。

これな。モンベルのバーサライトパック15。

画像はモンベルから



秋用の長袖ジャージはかさばるので、サドルバッグに入れるとパンパンになる。

本来は背中に背負いたくないけど、衣類だけなら軽いので大丈夫じゃないか。

そう考えて採用したのだが、今回は実にうまくいった。

日中は20度、朝晩は零度近くになる激しい寒暖差の中。

気軽に服を脱いだり着たりできるのは、大きなメリットだった。


加茂川沿いを寒風山トンネルへ向かう。

左手にある河川敷は暗闇の中だが、キャンプ場らしく、ランタンの光に照らされてたテントが、並んで立っているのが見える。

暖かそうだ。

キャンパーさんがうらやましくなるけど、きょうのワシはランドヌールなのだ。


この道を通るのは、通算3回目だ。

過去2回は2017年のBRM503須波・太平洋600キロと2018年のBRM501広島600km須波・徳島。

いずれも5月の晴れの日の日中で、日差しがやたらときつかったのを覚えている。

途中にある湧き水スポットがえらく気持ちよかったよなあ。


が、今回は晩秋の宵の口。

ガーミンさんによると、すでに気温は一桁台。

しかも高度を上げるごとに下がっていく。

体を動かしているので、寒さは感じない。

暗闇の中、比較的緩やかな坂道を淡々と上っていく。

空には三日月。

キャットアイのVolt1700とVolt300が前を照らす。

道とわしと自転車だけが存在する世界。

寒風山トンネル到着


午後7時38分、標高540メートルの寒風山トンネルの入口に到達した。

207キロ地点、上りだったので貯金は2時間10分ほどに減った。

ガーミンによると、気温4度。寒いよね。

トンネルの長さはおなじみ5432m。

そしてじわじわと上りが続く。


トンネルの中に入ると気温が10度ぐらいまで上がった。

前の2回は寒いぐらいだったが、今回は逆に暖かい。

トンネルの中は気温が季節が違ってもほぼ一定なのだね。

さっきまで寒さと運動量の均衡が取れていたのに、次第に汗ばんできた。

いつまで続くのだろう


トンネル内部は同じ景色の繰り返し。

所々、道路わきに避難所があり、ゴミが吹きだまっている。

まだ宵の口なので眠たくはないが、眠気と戦う深夜だったら、ゴミなど構わずに休みたくなるような場所だ。


走り続けること30分、ようやくトンネルを脱出した。

ここから高知までは下り基調になるので、道端に止まる。

トンネルから生暖かい風。温風山トンネル


トンネルの外はかなり寒い。

トンネルから吹き出す風が生ぬるく感じられる。

サドルバッグからレインウエア、シューズカバー一式を出して装着する。

大先生ことK代表が通過していく。


わしも装備を整え、夜の高原へ走りだす。

いったん下った後は川沿いの道をじわじわと上っていく。

忍耐の時間が続く。


トンネルをいくつか越え、ようやく下り坂が始まる。

標高650メートルからのダウンヒル。

寒い。実に厳しい。

ガーミンによると気温2度。


と、下り坂で車体に異変が起き始めた。

ブーンと唸るような音を立てて、車体が震えるのだ。


先週の400の後半でも同様の症状が起きていた。

まさか再発するとは。


ハンドルのフロントバッグに食料、トップチューブバッグにモバイルバッテリー、サドルバッグに着替えとフルアーマー状態なので、重量が影響しているのか。

すぐに原因が分からない。

ブレーキをかけると一瞬泣き止むが、すぐに再発する。

ただペダルを回して、軽くでもトルクをかけ続けていると、泣き止むことに気が付いた。

しょうがない、下り坂でもペダルを回し続けるとしよう。


今回のこの症状はブルべ終盤まで続き、わしを大いに悩ませてくれたのだった。

なので以降ずっと、下り坂で同じ行動を取っていたと思ってほしい。


下り坂が一段落した。

標高も100メートル台まで下がった。

240キロ地点を過ぎたころ、右手に道の駅633美の里が見えた。

あらかじめ仮眠ポイントと目算を付けていたのだが、まだ午後9時半と早い。

眠気はないが、ともかく寒い。

温かいものでも飲むとしよう。


自販機コーナーにはテーブルがあり、K代表と6時組の方が暖を取っていた。

ホットコーヒーとスープを飲み、おむすびを食べると体の中に小さな炎がともった。

野外なので寒い

まもなくモリリン、ノダカナコンビも到着した。

寒い寒いと互いに言いかわす。

いつ見ても元気な代表(左)



6時組の方とスタートする。

ライトがかなり明るい。

ライト談義を交わした気がするが、忘れてしまった。


まもなくK代表、モリリンが追い付いてきた。

ノダカナはおいてきたらしい。

二人のトレインにしばらく乗っからせてもらう。

仁淀川沿いの下り基調の平坦路。

減っていた貯金がぐんぐん増える。


小一時間走ったか。

K代表、モリリンの二人が離脱する。

実にお世話になりました。


270キロ地点、道は仁淀川沿いを離れる。

午後10時40分前後か。

なんと貯金は3時間20分。

下りで取り戻した。


しばらく走ると、車道の左側に単線の線路が敷かれている。

路面電車としては実に中途半端な感じ。

左手に線路、右手に車道

これが高知スタイルか。

午後10時を過ぎて、交通量が少ないし、電車も走っていないので問題ないが、夕方のラッシュ時とかは怖いだろうな。


次第に高知の市街地に近づいてくる。

左手にちょっと大きな駅があり、そのそばにネットカフェがあった。

事前調査によると、オンルートのネットカフェはここだけ。

だが、まだ23時ぐらいで疲れていないのでパス。

あとの事を思えばここでしっかり休む手もあったかもしれない。

う~~ん、難しい。


ともかくここのネカフェは通過。

ひとまず竜馬さんのいる高知に早く着きたい。

市内が近づいてくると、信号峠が続く。

ストップ&ゴーを繰り返すしかない。


ビルが増え、街の明かりが増え、人の姿も増え。

ここまで来れば、太平洋をにらむ竜馬像はもう少し。

「おーい!竜馬」と声をかけたら届くかもしれない。(タイトル回収)


土佐の高知のはりまや橋で


午後11時23分、281キロ地点のPC3、はりまや橋に到着したのだった。


つづく。




2018年7月1日日曜日

BRM501広島600km須波・徳島はDNF その7(完結編)

出発から317キロ、22時間経った5月2日午前4時過ぎ。
四国の屋根を支える剣山からなんとか下山した、わしら3人。
夜明けも間近な徳島県つるぎ町の貞光駅にいた。
お邪魔しま~す

時刻表を見てみると、始発は6時台。
ならば、始発までしばらくお邪魔させていただこう。
失礼します。


駅のベンチのなんとありがたいことよ。
屋根があって壁があって、最高じゃないか。
深甚なる感謝の念とともに横になる。
お休みなさい・・・・。


人の気配がする。。
まだ5時過ぎだよ。
どうやらご近所の方が駅の掃除にいらっしゃったみたい。
ううん、そろそろ退散するか。


ところで、つるぎ町から四国をどう脱出するか。
いろいろ考えたよ。
自走で帰る手もある。
ただ徳島県のど真ん中にある、つるぎ町から、しまなみ海道の入り口である今治まで120キロ以上。
ということは須波まで200キロ以上あるってことじゃん。
なので却下。


となると輪行がいいのだが、ケーキさんがががが・・
なので、最寄りの街で輪行袋を購入して、輪行して帰るようにしよう。
輪行袋を扱っていそうな自転車店があるのは、つるぎ町の北にある高松市か。
山越えをしないといけないが、距離は約60キロといったところ。
なので、今の状況ならなんとか大丈夫だろう。
ってな内容を、グーグルさんに聞けばすぐ教えてくれた。
高松なら大きい自転車屋さんもあるみたい。
そこから瀬戸大橋線で四国を脱出して、山陽線で戻ればいいじゃん。


よし、行きますか。
午前5時半、サクさんと別れのあいさつをして、貞光駅を離れた。
空が明るくなってきた。
この日も雨予報だったが、まだ曇り空で踏みとどまっている。
グーグルさんによれば、国道438号を北上すれば、山越えできるらしい。
吉野川に架かる橋を渡る。
ゆるやかな上り。
インターチェンジのそばに自販機があったので、一息つく。
目の前に讃岐山脈の山塊が東西に横たわる。
剣山ほどでないにしろ、なかなかの山々だ。
なかなかの山塊。あそこを越える

国道438号クライム開始!
午前6時ごろなのだが、結構交通量が多く気を遣う。
トラックの姿が目立つ。
徳島と香川を結ぶ幹線道路なのだろう。
路肩はそれほど広くない。
正直、自転車向きの道じゃない。
走っていて楽しくない。
けど、最短ルートならここ。
STRAVAで地元の人がセグメントを設置していた。
標高差385メートルで距離5.5キロ。平均勾配7%。
結構な上りである。
ほぼ徹夜で1000メートル級の山を二つ越えた体には応える。
結局、上るのに1時間弱もかかってしまった。


トンネルを越える。
結構長い。
2、3キロあったのではないか。
ちなみにこの界隈、テンションがだだ下がりで全自動機械になっていたので、写真はありません(^^;)


トンネルを過ぎると、香川県側に突入。
しばらくゆるやかなダウンヒルが続く。


時折、自転車を停めてグーグルさんで進路を確認する。
そろそろスマホの電池がヤヴァイ。
モバイルバッテリー、5000mAh前後のものだけど、もっと大容量にすれば良かったなあ。


まんのう町から国道438号を走り、国道32号へ。
eTrexを見ると、地図上にブルベのルートであることを示すピンクのラインが。
敗残兵の撤退ルートと正規ルートがたまたま重なったということだ。
正規ルートとは進行方向が逆向きになるが、走ってみることに。


午前8時ごろだったか。
対向車線に蛍光ベストを着たランドヌールの姿が。
おおお。
彼はあの魔の山を越えてきたのだ。
決して速くはないけど、着実にペダルを回している。
ああ、すごいな。
手を振る。
分かってもらえただろうか。
心に灯が灯った。


さ、頑張ろう。
国道32号を高松方面へ向かって進む。
道幅の広いバイパスなので、趣には欠けるが、走りやすくはある。


そろそろ腹が減ってきた。
ところで現在わしらがいるのは香川県。
そう。世に名高い、うどん県なのである。
聞くところによると、うどん県人は朝からうどんを食べるらしい。
となると、どっかに朝うどんを食べられる店があってもいいはずだ。


道すがら何軒かのうどん店を見つけた。
実はこの界隈、過去にうどんツアーで訪れた場所だったのだ。
しかし不幸にも朝うどんをいただける店には出会えなかった。


と右手に、うどん店の看板が。
ロードサイドの結構な大型店。
しかもやってるっぽい。
やったあ!


道路を渡って、店内に突入!
丸亀某でお馴染みのセルフ形式なので安心するね。
うどんとお稲荷さん、天ぷら。安定のトライアングル。
朝うどんをしばく。ンマー ('ω')

うまいわ~。
時刻は午前8時半。
こんな早い時間なのだが、店内は結構にぎわっていた。
さすが香川県やね。


小一時間、のんびりした。
DNFしているので時間は気にしなくていい。
次に行くべき場所は自転車店。
グーグルさんに相談すると、近くにイオンモールがあり、そこに自転車店があるようだ。
しかも9時ごろから営業しているという朗報も。
さっそく向かってみる。
あっという間にイオンモール綾川前に到着。
改めて電話で確認すると、あるというじゃないですか輪行袋。
やったぜ、ケーキさん!
なんでもそろうイオンモール


大枚数千円を払って、ようやく輪行袋をゲット。
これでJRで帰れるぜ。


さらに進むこと1時間ちょっと。
高松の市街地に突入。
ずんずん進む。
都会の道を行く

有名な栗林公園とかあったけど、外から眺めるだけ。
11時前に高松駅に到着したのだった。
走行距離379キロ、28時間45分の自転車旅はひとまず終わった。
DNFした剣山が281キロ地点だったので、撤退にほぼ100キロを費やした。
駅前で輪行スタート!


で、ここから輪行モードに突入。
売店で家への土産を買って、11時40分発のマリンライナーに乗り込む。
外国人観光客もちらほら

ノンアルで乾杯したかったけど、売店にはなかった(^^;)
うつらうつらしている間に瀬戸大橋の上に。
車窓に瀬戸大橋の橋脚が


1時間の鉄旅はあっという間。
車窓を見ていると、雨が降り始めた。
岡山で乗り換えて山陽線で三原へ。
自転車は端っこにまとめて

福山までは結構人が多く、座ってられなかった。
三原駅には14時半ごろ到着。
外はすっかり雨。
すり減った感

呉線への乗り換え時間が40分ほどある。
ケーキさんに「須波まで自走する?」と聞いたのだけど、固辞された。
40分待って、呉線へ乗り換え。
一駅乗って、須波駅で15時過ぎに下車。
輪行を解除する。
須波駅で変なポーズをとるおぢさん


一路、みはらし温泉へ向かうよ。
DNFとはいえ、雨具に反射ベストというランドヌールの正装である。


雨が結構降っている。
しまなみ海道を帰るみんなは大変だろうな。
600キロ走っていないDNF野郎なのだけど。
でも、帰るってのはやっぱ、ほっとする。
顔がにやける。
にやにやおぢさんが通りますよ~


みはらし温泉が見えた。
ただいま~~~~。
午後4時前、駐車場に滑り込む。
T前代表やこなきさんの姿が。
ただいま~(撮影・こなきさん)


ほんまは午後10時の締め切り前にへろへろで帰ってくるつもりだったのが、思いもよらぬ展開で、明るいうちの帰還に。
もっとも速いランドヌールさんはすでに帰ってらっしゃるわけで。
山口のfuk@さんとか。
早く帰れる人の気分を少しだけ味わえたのだった。
こなきさんにコーヒーを振舞ってもらった。
カフェこなき♪


うれしいねえ。
その後は温泉に浸かって、夕食をいただく。
お風呂、まじ気持ちいい♡
自分へのご褒美定食、いただきます


んで、午後9時には帰宅。
翌朝帰宅するつもりだったので、よかったのかな。
だが、体に残ったダメージはさすがにすさまじかった。
足や肩の筋肉が熱を持っていたので、時折、バンテリンをすりこんで、どったんばったんのたうちながら寝たのだった。


というところで、今回のブルベの記録はおしまい。
実にハードな旅でございました。
AJ広島のサイトによると、出走27人中完走は17人。
DNFが10人もいたという・・。
そりゃ、ま、そうだよね。


だが、厳しい四国の山々に挑んだ経験は得難いものだった。
DNFしてからの旅も味わい深かった。
シカやタヌキやイタチやテンたちとの出会いもあった。
記録には残れなかったが、記憶に深く刻まれた旅だった。
そして昨年秋のDNFとは違い、不思議と口惜しさはない。
力を出し切ったけど、力が届かなかったのが分かったからだろう。
ただただ力不足だった。
四国の山に負けた。
己の矮小さを知った。


AJ広島のみなさん、ありがとうございました。
サクさんもまた走りましょう。


自転車シーズンはこれからだ。
さあ、次はどこへ走ろうか。

おわり