2021年5月9日日曜日

新テント「ニーモドラゴンフライバイクパック1P」でチャリキャン

 どうもたっかんです。


この3月から広島県東部の福山市で単身赴任中です。

仕事の関係で今までのようにブルベを走れないかなあと思っております。

なのでキャンプ関係に軸足を移したりなんかしてみようかと。

ニーモ ドラゴンフライバイクパック


と思っていたら、密林から手元にシン・テントが届いた。

買っちった。

ニーモのドラゴンフライバイクパック1Pである。

2021シーズンの新製品。

自転車キャンプ向けにポールを短くし、コンパクトになるらしいのでポチった。

40センチ幅のロードバイク用ハンドルにもギリギリ収まる。

STIも操作できる。

収納用のロール式防水バッグはあらかじめストラップが付けられて、ハンドルに結わえやすくなっている。

ハンドルに当たる部分はゴム引きで滑りにくい。

細やかな心配りだ。


新兵器が入れば、使いたくなるのはサガ。


というわけで4月下旬、隣まちのキャンプ場に行ってきた。

片道約30キロの平坦路を走る。


途中の24時間スーパーで肉やカップ麺を購入。

着いたのは岡山県井原市芳井町の天神峡である。

ここには無料キャンプ場があるのだ。

中村川砂防公園という。


まずはテントの設営。


袋に縫い付けられた英文マニュアルを読みつつ組み立てる。

フライシートの表裏や前後がちょっとわかりにくい。

試行錯誤すること20、30分。


でけた。

このテントの売りの一つが茶色いシートの部分。

フライシートの前室部分にバスタブ状に設置する「ランディングゾーン™️ストレージタブ」である。

要するに荷物置き。フライに覆われているので、雨や露に濡れない。


これは使いやすかった。

ぬれたら困る荷物はこちらへぽいぽいと。

一人用なのでインナーテントの横幅が80センチしかないが、手元に最小限の荷物を残せばいいので広く使える。


天井部分も一工夫してある。

独立したサブポールを横に突っ張ることで、天井部分にゆとりをもたせている。

テント内側から見たところね。

テント天井の頭部側にはオレンジ色の収納スペースが。

夜はここにヘッドランプを置くといい感じに室内を照らしてくれた。

サブポールの端は球状になっていて、テントに直結したアダプターにパチッとはめ込むタイプ。

細かいところまで気を配っている。

このテントのキモはDAC製のポールだろう。

この仕舞い寸である。

約30センチ。

このおかげでロードのハンドル内に収まるボリューム感を実現できたのだ。

そしてペグにも手抜きなし。

アルミ製なのだが、よくあるV字でなく、なんと三つ又。

非常にしっかりした作りで、打ち込むのに不安なし。

ゴムコードがあらかじめ取り付けられており、抜きやすいのもよい。

すごいな。

フライシートを外し、足下側から見たところ。

メインポールが足下と頭部で二股に分かれているのもいい。


というわけで、肉焼きタイム開始。

ユニフレームのネイチャーストーブに固形燃料を入れて、肉をあぶる。

後日、固形燃料はメチルアルコールだから直火はNGよって聞いたので、次から注意しよう。

午後6時前。次第に日が陰ってきた。

ネイチャーストーブに木切れを追加して、プチたき火タイム。

川沿いの夜は更けていく。


モンベルのモンベル ダウンハガー#3で眠ったのだが、寒さは感じず。


翌朝はのんびりと午前7時半起床。

朝カップ麺を食べて10時には撤収した。



さあ、次はどこで泊まろうか。


#ドラゴンフライバイクパック1P

#DragonflyBIKEPACK



2021年4月28日水曜日

BRM919東広島・岡山400Km Zガンダムに会いに その2星空のBelieve(完)

 どうもたっかんです。


2020年9月19日(土)~20日(日)のブルベ記録、前半書いてから忘れていました。

さあ、後半行ってみよ~~!


197キロ地点、久米の道の駅の奥にある田舎には珍しい高い建物。

あそこがZの格納庫だ。

午後8時37分。

予定通りそこにZガンダムの姿は見えなかった。

シャッターには「A.E.U.G.(エゥーゴ)」と書いてある。

なに、エゥーゴの拠点だと



時間に間に合ったランドヌールよ。

君たちはこの芸の細かさを知ることはできなかったはずだ。

私の勝ちだな。

熱意あふれる解説


現時点での貯金は約1時間半。

あとは約200キロ走って戻るだけだ。


中国道沿いの一般道を一路西へと向かう。

気温は10度台前半。次第に下がってきた。

久米から勝山へ入る。

町の明かりに安心する。

ここから新見までの50キロはなんもないはずなので補給する。

補給だ




勝山からは岡山県北の山間部をひたすら走る。

上ったり下ったり、また上ったり。

ウインドブレーカーを羽織っているのだが、下りのたびに体が勝手に身震いして体温を上げようとする。

体を丸めて、風を切るように進む。


278キロ地点、午前零時前。

疲れと眠気がそろそろ阻止限界点に近付いてきた。

左手に見えた姫新線の駅兼地元の集会所に滑り込む。

ベンチは手すりがついていて横になれないが、座ったら簡単に気を失えた。

お世話になりました


15分休憩して再出発する。

大佐町から新見へのダウンヒルも厳しかった。


新見駅前でフォトチェック。

こなきさんへメールを送る。

駅前の像といっしょに   


最初の二つのチェックではメアドを間違えていて送れていなかった。

その後、修正してなんとかなった。


新見のコンビニで温かい豚汁を飲む。

体と心の中に小さな火がともる。

食べものがうまい



新見から東城までは穏やかな山越えだ。

午前2時過ぎ、哲西町の道の駅鯉が窪に着いた。


休憩所がこの時間でも開いていて、素晴らしいことにベンチがある。

15分間横になる。

眠れないが十分、体は休まる。

ついでに上下に防寒用のレインウエアを着用した。

屋根があり、扉があるだけで天国だ



走り出す。

午前3時、県境を越え広島県に戻る。


広島県に戻る。うれしい

国道182号は芸備線と絡み合うようにして東城町へと下っていく。

東城のまちを過ぎる。

明かりを見ると安心する。

先ほど休んだばかりなのでコンビニはスルーした。

民家の明かりが少なくなり、登坂が始まる。

いよいよ山場の帝釈峡越えだ。


道は次第に斜度を増していく。

岡山県側よりも路面が荒れていて走りにくい。

この期に及んでは、もはや無になって、機械になってペダルを回すしかない。

最大で1時間半あった貯金もじわじわと食いつぶれていく。

見上げると星空。

この先に夜明けがあることを信じるしかない。

星空のBelieve(無理矢理タイトル回収)


いったんピークを越える。

帝釈峡の入り口まで下り、再び登りが始まる。

標高約600メートル、気温は8度。

瀬戸内海(高梁川水系)と日本海(江の川水系)の分水嶺を越す。

分水嶺を越える


庄原へのダウンヒルが始まる。

指切りグローブだが、手先にさほど寒さは感じない。

むしろ体幹部が冷える。

下り坂の途中で止まり、ジャケットの脇の下のファスナーを閉める。


ケーキさんが後ろからスコーンと抜かしていく。

庄原までは下り基調が続く。

前に見えるケーキさんの姿がどんどん小さくなっていく。

あれ、もしかして抜かしたの気付いていないのかな。

マイペースで追うしかない。


ようやく追い付いたのは庄原の市街地に入ってから。

なんでも眠気を振り払うために、ガチ踏みしてたらしい。

まったく紛らわしい。

だが、この下りのおかげで貯金を1時間半に挽回できた。


相変わらず眠たいが午前5時を過ぎ、空の色が漆黒から濃紺へ、そして白んできた。

朝チュンののどかな田園地帯を駆け抜ける。

休めるところがあったら休みたかったが、そんな場所はなかった。

ようやく夜が明けた


午前6時過ぎに340キロ地点、最後のフォトチェックの三次駅に到着した。

鵜飼いを模しているらしい謎モニュメントを撮影する。

三次に着いた


ベンチに座って、補給食を腹に入れる。

朝のまちへ再出発する。

残り60キロ。

正午のタイムリミットへ向けて、もうひと踏ん張りだ。


行く手をさえぎる県央名物の霧。

不吉な・・・。

行く手は霧の中



三次からは国道375号を南下していく。

そう、ここからが長かった。

疲れ果てたケーキ氏


脚がほぼ売り切れて、筋肉痛がひどくなってきた。

坂はきつくないが、緩やかな上りが永遠に思えるかのように続いていく。


霧の中へ

サラ脚なら、ダンシングを繰り出しながら20キロ以上でぐんぐん進んでいけるのに今は両脚ともに不良品。

「あんなのただの飾りですよ」状態だ。


霧は晴れて青空が広がり、気温が上がっていく。

こまめに水分を取りつつ、あずりながら進んでいく。

晴れれば気温が上がる



日曜日の朝とあって、対向車線は北へ向かう行楽の車が目立つ。

そんな中、低い前傾姿勢を取った見知ったサイクリストの姿が。

タロンさんだ!


「あとはゴールまで下りだけですから」。

軽やかにおっしゃって、北へ向かっていく。

わしらの後ろを走っているはずのモリリンコンビを迎撃に行ったのだ。

たろんさん!



わしらも南へ進む。

「下りだけ」どころか案の定、アップダウンがわしらを襲う。

「偉い人には、それがわからんのですよ」。

タロンさんのような剛脚でない貧脚のわしらはそうぼやくしかない。

登坂、まだあるじゃん


最後の坂道を下ると、ようやく東広島の街中にたどりついた。

道の路肩が狭い!

そして車が多い!

しばし我慢。


それでもなんとか、ようやく午前10時25分、ゴールの東広島駅にたどり着いた。

認定時間は25時間25分。

400キロの旅が終わった。

先にゴールした面々が笑顔で迎えてくれる。

「ぼくには帰れるところがあるんだ。こんなうれしいことはない」。

アムロ気分で感慨にふけったのだった。

10時25分、到着



今回も実感したが、楽なブルべは存在しない。

どの距離、どのコースにもそれぞれのしんどさ、面白さが潜んでいる。

だからこそ、つらい記憶がズバズバ改ざんされ、また参加してしまうのだろうな。

ありがとうございました。



一緒に走ったみなさんお疲れ様でした!

AJ広島のみなさん、ありがとうございました。

コロナ禍での準備から開催まで、大変な気苦労だったでしょう。


というわけで。

次はどこへ走ろうか。

(おわり)

2021年1月28日木曜日

BRM919東広島・岡山400Km Zガンダムに会いに その1 Ζ・刻をこえて

どうもたっかんです。

昨年の話ですが、2020年9月19日(土)~20日(日)にブルべ走ってきましたよ。

Facebookにメモで上げていたのですが、ブログは忘れていました。

せっかくなので大幅に加筆訂正してアップします。

Gネタをちりばめ、いつもとは若干文体が違うのですが、そこはご愛敬で。

ちなみにサブタイトルの「Ζ・刻をこえて」はZの前半OPね。


府中焼き

さて、BRM919です。

東広島市を出発して、岡山県津山市久米地区を往復する400キロです。

前の週の9月13日(日)にも広島市一周の200を走っているので、コロナ明け2発目になりますな。


久米地区の久米の道の駅には知る人ぞ知るZガンダムの立像があります。

今回のブルベの目的地はその格納庫がある道の駅。

昔、ドライブがてら遊びに行ったことはありますが、自転車では初めて。

 

われわれは午前9時スタート組。

スタート時の「密」を避けるために、午前7時から1時間おきに出発するのだ。

Zガンダムが格納庫入りするのが午後6時らしい。

なので、9時間で約200キロ走ればどうということはない。


今回は相棒のケーキ氏との出走。

さてわしらは刻をこえて、生き残ることができるか。(タイトル回収)


出発地点は新幹線東広島駅の近く。

広島市民にはなじみのないところだが、駅近くにはビジネスホテルが数軒建っていて、そこそこ賑わいが見れる。

安いパーキングに車を止めて、集合場所へ向かう。

こなきさん、くるぱんさん夫妻が笑顔で迎えてくれた。

よくこんな場所見つけたよね

午後8時半から受付、車検を済ませて順次スタート。

当初は雨とかの予報だったのだけど、どんどん上方修正され、この日は最高の晴天になった。


いい風景

収穫期を迎えた豊穣の大地を走っていると「みんな地球はいいところだぞ!」と∀ガンダムのロランばりに月に吠えたくなる。


往路は国道486号を東へと進む。

尾道市御調町からは府中市勤務の時にさんざん通った道だ。

ルート上に、仕事でお世話になった備後府中焼きの名店かたおかがある。

これは寄らざるを得まい。

府中焼きの名店

ちょうど昼時だし。

ミンチがポイントね

定番のそば肉玉は、脂身主体のミンチのうまみを吸い、カリっとした食感とも相まってうまい。

これで550円はありえない。

10年前から値上げしてないんだぜ

府中の人は幸せだ。

うちの子は広島に戻って、転校のあいさつで「府中から来ました」といったのを「宇宙から来ました」と聞き取られ、以来「宇宙人」と呼ばれていたという(一部創作)。

息子、おまえはスペースノイドだったのか。


大将との念願の再会も果たせ、自分的にはミッションを果たせた感でお腹一杯に。

とはいえ旅は続く。


福山市新市町から神辺町へ。

アンパンマンとフォトチェック。

アンパーンチ!

県境を越えて岡山県井原市へ。

息子が幼児の時に、井原にも勤務していたので、これまた懐かしい。

よい道ができていた

国道313号のバイパスが完成していたのには隔世の感が。



井原市から旧芳井町へ。

お笑い芸人の千鳥のノブの故郷な。

そういや昔、芳井夏祭りのゲストに営業で来ていたような。

コンビニで一休み

山を越える。

K代表たちに軽々と抜かされていく。

ピークには貴重なカップヌードルの自販機が

山を越える高梁市に入る。

旧川上町に入ると、高梁川水系が迎えてくれる。

高梁川と出会う。あれ?成羽川だったか?


成羽川を横目に下りながら、快走する。

旧成羽町の美術館のある街並みを過ぎると、高梁川に出合う。

まもなく備中松山城下に出る。

高梁市の中心部だ。


ここから高梁川に別れを告げ、なぜか吉備高原に上る。

夕暮れの高梁市街を見ながらのろのろと坂を上る。

登坂

「おーい」。下から声がする。

K代表じゃないか。

どうやらフォトチェックを通り過ぎていたらしい。

大先生、なんていい人なんだ。

若干、坂を戻ってループ橋の下で撮影する。

フォトチェックである

また激坂を上り、急坂を這い上がる。

重力に魂を引かれた我々は、肉体も重力の楔につながれている。


途中、電アシの高校生にぶち抜かれた。

コースディレクター氏への感謝の念が胸中をどす黒く塗りつぶす。


日が沈んだ。

このペースではZガンダムとの対面はどう考えても無理だ。

刻の涙が頬をつたう。


吉備高原は山の中である。

賀陽ICを過ぎると、コンビニすらない。

この週末、世間的には4連休だった。

川沿いのキャンプ場にはテントが立ち並び、あたたかなランタンの光が周囲を照らしている。

キャンプ場の明かり

小さな温泉宿もある。

むっちゃいい感じ


そこは天国かもしれない。

でも、われわれランドヌールは、ぬくもりを振り払い、真っ暗な道を突き進む。


午後8時、津山市の手前で実に2時間ぶりのコンビニを発見した。

これは寄るしかない。


「塩が足らんのです」。

加齢臭のするオヤジ二人はカレーヌードルとキーマカレーをむさぼり食う。

生き返ったよ。

華麗なる加齢臭のする彼らのためのカレーヌードル

出発直後、左手に昔懐かしい、うどんの自販機があったのを知り、深く悔やんだ。

この素晴らしいグラフィック


そして午後8時37分。

出発から約12時間。

197キロ地点のPC4久米の道の駅に到着したのだった。


到着


つづく