2018年8月29日水曜日

6月は山口満喫月間 1本目はBRM609広島400km岩国・角島 その3(山口の中心で眠たいと叫ぶケモノ編)

21時22分、218.1キロ地点の通過チェック、ローソン豊北阿川店に到着。
ここも通過チェックなので時間は関係ない。
通過チェックで一休み

今回は角島に渡らず、ここが400キロの折り返し点になる。
締め切りの目安が24時31分ごろなので、貯金は3時間ある計算だ。
うん、上々上々。
ツネちゃんにずいぶん押し上げてもらったね。
おつかれケーキさん


靴を脱いでリラックスする。
これでずいぶんリフレッシュする。
レッグカバーから塩が浮かんでいる


一通り補給が終わったので3人で出発する。
ケンセイ、サブイボコンビさんお先です。
まあ、また次のPCで会うでしょう。


特牛から左折して内陸へ。
国道435号を東へ進む。
ここから当分、丘陵地帯が続く。
次の目的地は277キロ地点のPC3である。
「あと60キロ」
ナイトライドの一番しんどい時間が始まる。
この夜は曇天。
星が見えない。
見えたら多少は気がまぎれるのだが・・
ライトに照らされた道の先を見つめ、残りのキロ数を考える自分がいる。
ひたすらペダルを回す


「あと●キロ」「あと●キロでPC」。
ひたすらそんなことを考える。
この堂々巡りの思考はちとつらい。
むしろ残りの距離は考えない方がいい。
目の前の道をたんたんとこなすべきだ。
夜だとなんも見えないけど。
ただ前へ前へ進むことだけを考えよう。
そうすれば、目的地は近づくはずだ。

旧豊北町から旧豊田町へ。
去年までは町中の川沿いの道を走っていたが、最近バイパスが完成したようだ。
ひたすら広く、立派な道が続いている。
美祢市に入った


下関市から美祢市に入る。
23時過ぎ。そろそろ疲れてきた。
相談して、美祢の手前あたりで小休止することに。
休憩所か何かあればいいけど、何もないので路肩だ。
何もないけど、座ればそこは休憩所に


横になる。
ちょっと眠ったか。
10分足らずの休憩だったけど、少し元気が戻った。


再び走り出す。
美祢市街地に入る。
そろそろ脚があやしいし、補給もしたい。


お、自販機。止まろう。
先を行くツネちゃんに声をかけたけど、届かなかったようだ。
ツネちゃんの自転車が、道の先へ消える。


仕方がない。
交差点を横断し、自販機に寄る。
ケーキさんも一緒だ。
ま、ツネちゃんとはどっかで再会できるだろう。
一息入れてまた走り出す。

忍耐の時間が再び始まる。
水田の中の道。
周囲は闇に沈んでいる。
美祢から秋芳へ。
秋芳から美東へ。
今回の旅で、最もメンタル的にしんどい区間だった。


日付が変わった。
10日午前0時46分。
277キロ地点のPC3、ローソン美東大田店にようやく到着した。
本当に長い60キロだった。
ローソン。向かいに道の駅がある

さすがにツネちゃんは先着していて、わしらを待ってくれていた。すまんのう。
締切が4時28分なので約3時間40分の貯金がある。
これなら多少休んでも大丈夫だ。
寝よう。休もう。横になろう。
深夜の相棒


ローソンで買い物を済ませ、向かいにある道の駅へ。
なんとか屋根のあるベンチを探して横になる。
ふと見るとケーキさんが野ざらしの場所に寝ている。
ガーミンによると、気温は16度。
それに風が結構強い。
これは寒そう。
ベンチを動かして横になれる場所をつくる。
ケーキさんを呼んだが、すでに気を失っていた。
声が届かないか。しょうがない、寝かしとこ。
タイマーをかけて横になる。
・・・・・
小一時間休んだ。
眠った感じはしない。
でも動こう。
ささやかな休憩時間が終わる

重い身体を起こして再起動する。
この状況下でも変ポーズを取るツネちゃん。
さすがサイボーグだ。
深夜の変顔&変ポーズ。これがサイボーグだ


ローソンの前に行くと、ケンセイさんとサブイボさんが。
聞くと、豊田の道の駅で仮眠していたという。
コースからは計4キロも外れることになるが、眠気には勝てなかったらしい。
お晩でやんす(^o^)


1時50分過ぎ、PCを出た。
ここからは峠が三つある。
未明の峠3連発。
眠気と坂道との戦い。
ここが今回のブルベのヤマ場の一つだった。

つづく。

2018年8月26日日曜日

6月は山口満喫月間 1本目はBRM609広島400km岩国・角島 その2(爆走!北浦特急編)

6月9日(土)16時45分、129キロ地点。
通過チェックのキヌヤ須佐店に到着したわしら。
締め切りの目安が18時40分なので、2時間近く貯金ができたことになる。
山陰のスーパーといえばキヌヤ!


店内に入り、補給品を物色する。
コンビニより店内が広いので、目当てのブツを探すのに苦労する。
といっても、水、パン、むすびぐらいしか買わないのだけど。
レジに並んで支払う。
レシートの打刻は16時50分。
店の入り口のドアにこんな張り紙が。
初めてみたよ。こんな警告


トンビに油揚ならぬ、トンビに買い物袋…。
空を見上げると。いるわ。確かに。
トンビがくるりと


幸いトンビの襲撃は受けなかったけど、受けたら受けたでそれでおいしい体験なような気がする。
またしてもケンセイさん、サブイボさんコンビと遭遇。
一足先に出発していった。
いつも楽しそうな2人。手前のママチャリはブルベの人じゃないよ


17時、わしらも須佐を出発した。
国道191号を西へ進む。
須佐から小さな峠を超える。
下り坂でスピードに乗る。
下り終えると、右手に日本海が広がる。
右手に日本海

山口県の日本海側のことを地元の人は北浦と呼ぶ。
ここからは北浦を行くのだ。
走る方向が北東から南西に変わったので、風が追い風に変わった。
しかもかなり強い風。
海岸沿いの平坦路。
これは楽だ。
風に乗ってとばす


ツネちゃんが先を行く。
ケーキさんが追う。
わしも追う。


気温が下がってきたせいか、ツネちゃんがサイボーグ修行僧としての覚醒モードに突入したようだ。
速い、速い。
頑張って列車に付いていかないと振り落とされる。
振り落とされたら終わりじゃ。


貧脚コンビの奮闘が始まる。
巡航速度はほぼほぼ30キロ台。
下手すりゃ40キロ台をたたき出す。

20キロ後半なら「いいペース」のわしらにとってはもう別世界だ。
ケーキさんの後ろに付く。
ケーキさんもツネちゃんの後ろに付く。
風を味方にしたわしらに怖い物はない。
前に2人組のトレインが。
抜かすタイミングで声を掛ける。
2人がわしの後ろに乗車されました。
北浦特急が加速する。
ん、さらに2人組が。
1台はミニベロの凪だから、サブイボさんとケンセイさんか。
抜かしざま、2人に「乗りんさ~い」と声を掛ける。
しかしペースが違いすぎていたようで、2人は乗車に失敗。
きっと2人にはわしの声がドップラー効果付きで聞こえていたに違いない。


阿武町の道の駅を過ぎると、萩の町が見えてくる。
信号に引っかかるようになって、徐々にスピードが落ちてくる。
萩のまちへ


橋を渡って、市街地に入る。
18時20分、わしらはPC2の手前165キロ地点にある、すき家萩店に滑り込んだのだった。
シックなデザインのすき家とサイボーグ

ここはツネちゃんたっての補給ポイント。
実は道中、ずっと「萩ですき家」「萩ですき家」と言い続けていたので、わしらとしてもよらざるを得ない。
須佐からの35キロをずっと引いてもらったしね。
時間的にも夕食にぴったりだし。
北浦特急に同乗のお2人も一緒にカウンターに座る。
モグモグタイム


わしは豚汁セットを頂く。
大盛りにはしなかった。
塩味が染みるねえ。
塩分が染みる


ケーキさんはつゆだくを頼んだらしく、その後、胃がもたれてしょうがなかったという。知らんがな。
人間らしい食事を終えて、20分ほどで出発する。
満足。行こう


橋を渡る。
日が落ちる。
日本海に日が沈む


今回のコックピット。この構成がコンパクトでよい。eTrexがねじれておる


左手にコンビニがある。
166.2キロ地点にあるPC3、セブンイレブン萩玉江店である。
たっぷり食事をしたので、ここではカフェオレを1本買うだけ。
レシートの時刻は18時43分。
締め切りが21時04分なので、貯金は2時間21分。
良いペースで貯金が増えている。
ツネちゃん様々やね。
ここでもケンセイさんたちと会った。
ここまでほぼ同じペース。
彼らはもっと速いのに。
ツネちゃんに牽いてもらっているおかげだね。
すき家でたっぷり休んだので、このPCは早々に出発した。


ここからは中盤の難所、鎖峠である。
標高231メートルだから、峠としてはさほどでもないが、ゼロメートル地帯からの上りになり、これが正味の標高差になるのだ。
2年前の600では、ここを昼日中の暑い時間帯に走って往生した記憶がある。


上りはそれぞれのペースがある。
ツネちゃんがじわじわと先行していく。
気温が下がってきたので、楽になってきたのだろう。
体内の精密機械がかみ合ってきて本領発揮である。


いくつかのカーブを曲がる。
日が暮れる。
ツネちゃんは間もなく姿が見えなくなってしまった。


わしらものろのろと上る。
30分ちょっとかかって峠を通過。
19時半の鎖峠。標高231メートル

長門に向けてダウンヒル。
ツネちゃんの姿はもちろん見えない。
下りきると、周囲はすっかり闇の中だ。
ここからは何回も通ったコース。
長門市内へ向かう。
今回は広域農道のみのりロードは通らずに191号を進んでいく。
アップダウンが少ないが、車はそれなりに多い。
暗闇の中のライドが続く。
暗闇のライド。ほかの参加者さんと


日置の手前で左折し、国道191号を外れる。
ここからは農道を含む田舎道だ。


間もなく農道名物ジェットコースターアップダウンが始まる。
この道を通るのも3回目、いや4回目か。
さすがに要領が分かってきた。
下り坂では思い切り足を回してスピードを出し、その勢いを持続したまま坂を上る。
ずばり、これがベストだ。
これを繰り返す。
次第にリズムに乗ってきた。
坂がわしの味方をしてくれるのだ。

こりゃ気持ちいい。
それなりにしんどいけど。
前を走っている他のランドヌールをこの要領でごぼう抜き。
うひょ、楽しいわ。絶好調。
無敵感とともに突っ走る。
ケーキさんもしっかりとついてきている。
牛丼のつゆだくで胸がいっぱいだったらしいが。
そろそろこのアップダウンが終わろうかというころ。
ついに捕捉した。
サブイボさん!ケンセイさん!


闇夜に浮かび上がる3台分のライト。
ケンセイさん、サブイボさん、そしてツネちゃん!
かなり先を走っていたはずの3人に追い付いたのだ。
そのままぶち抜く。
うっひょー!
ケンセイさん!ツネちゃん!


抜いた!ライトまぶしい

経験から言うと序盤でもない限り、ブルベの走行中に他のランドヌールを抜くのは難しい。
PCでは別だよ。停車しているからね。
ブルベはある程度の脚力をもつ方が参加している。
だからこそ、なのだ。
わしレベルの貧脚では特に、である。
なので、この局面で3人に追いつけたのはわしとすれば奇跡に近い。
いや、奇跡だ。ミラコーだ、
後世の歴史家はこれを「北浦の奇跡」と呼び、長く語り継ぐであろう。
やったぜ、わし。
とまあ、こんな自己満感にひたりながら、みなさんと一緒に191号に向かう。


通過チェックのローソン豊北阿川店まであとわずかだが、ここから海沿い道路特有のアップダウンが地味にきつい。
5人パックになった我々。
上り坂では、ケンセイさんがぐいぐいと上っていく。
リッチなボディーを誇るケンセイさんだが、最近ヒルクライムに開眼したらしい。
見習いたい。
わしもなんとか付いていく。
いくつかの上り下りを超え、右手に白地に青いストライプのローソン発見!
21時22分、218.1キロ地点の通過チェック、ローソン豊北阿川店に到着したのであった。
通過チェックにとうちゃこ~

つづく。