2019年6月14日金曜日

BRM511広島600km Around Yamaguchi その7 いよいよ山岳編

5月12日午前6時半。
出発から387キロ(Edge520調べ)地点。
萩のジョイフルにピットインしたわしら。
スタッフさん、朝早くから失礼しますね。
24時間働いてくれて本当にありがとうございます。
ブルべ中のジョイフルは神


口当たりのよい、おかゆ系のものを食べたい。
なので、これ。
世界よ、これが日本の朝食だ!


豚みぞれ朝食711円(税込み)。
豚のみぞれ煮はあっさりとして食べやすいし、温玉ごはんもイケる。
ドリンクバーもついていたので、コーヒーやら何やらも一緒に。


すっかり満足したよ。
なんだかとても眠いんだ・・
パトラッシュ・・・
・・・・
いかん、いかん、座ったままで彼岸を詣でていた。
ネロになるのはまだ早い。


起きたらえらく胸がドキドキしている。
ないですか、みなさんそんなこと。
ともかく重い体を引き上げて、トイレを済ます。
しっかり45分休んだので、時刻は7時15分ごろに。
腹も太ったし行きますか


再び東へ走りだす。
しっかり補給したので、先刻までより足が回る。
時速20キロがやっとだったのが、25キロ程度まで上がる。
きょうも晴天。
朝日を正面に見ながら走る。
394キロ地点を過ぎる。
なんやかんやで4キロぐらい余計に走っているので、コース上では390キロぐらい。
時速15キロで走ったとすると390÷15=26時間かかる計算だ。
で、出発は午前7時だったから26時間+7-24=は9。
つまり午前9時が締め切り時間。
現在の時刻は7時半。
ということは貯金が1時間半しかない。
ありゃあ、ずいぶん浪費してしまった。
一時は約3時間あったのに。


そんなことをぼやけた頭で考えながら、左手に日本海を眺めながら走る。
岩だらけの海岸だが、海水は透き通っていて、海底の岩がくっきりと見える。
日本海ブルーとでもいうのか、瀬戸内海とは違う独特の青みだ。
穏やかな海面を見ていると、心が休まる気がする。
体はずっと動いているままだけど。


阿武町に入る。
道の駅阿武でトイレ休憩とドリンク補給。
昼間はにぎわう人気の道の駅だけど、まだ8時前だから静かなものだ。


10分ほどで出発。
自転車で日本一周でもしているのかな。
道の駅で休んでいたと思しき、後輪に大きなバニヤバッグを付けた若いサイクリストがついてきた。
が、会話を交わすこともなく、小さな丘でわしらが先行。
以降は見かけなかった。


阿武から須佐へ。
道は海岸沿いからやや内陸に入る。
細かなアップダウンがあり、時折トンネルも現れる。
この辺りはあまり走りやすくない。
しばし我慢の時間だ。


須佐はかつてミコトイカを食べに来た思い出の地。
店の前を通ったが、午前9時前だから当然開いていない。
ブルべをやっていると、飲食店の営業時間が24時間のうちでわずかとということに気づかされてしまう。
だからこそ尊いのだよ。ジョイフルが。


須佐からまた内陸部に入る。
田園地帯を行く。
田万川町に入る。
この界隈、実にトラックが多い。
長門と萩の間は山陰道ができているのだが、この辺りはまだまだだしね。


川を渡る。
左手に道の駅やらなんやらが集積している。
しかしわれわれの当面の目的地、PC3は右手にある。
道路を渡って滑り込む。


午前9時14分、425キロ地点、PC3のローソン・ポプラたまがわ店に到着した。
11時20分締め切りなので、貯金は約2時間に回復。
萩以降の平坦で若干盛り返せたらしい。
いってらっしゃーい!


わしらが着いた時、ちょうどノダカナが出発するところだった。
まだまだ元気そうな彼女。やるなあ。
PCでモリリンのサポートを受けて、復活したところだったようだ。


これから中国山地の山越え。
わしらもそれなりに補給しないと。
ざるそばいただきます


ざるそばをいただく。
まだ朝だけど、次第に気温が上がってきたので、さっぱりした食事がいい。
きょうはレッグカバー外さないよ(撮影・AJ広島のゆかいな一味)

ケーキさんはモリリンのサポート車の荷室で横になっている。
ちょっとしたことだけど、それで体が休まる。
わしはトイレにこもって軽量化成功!
山岳を前に、身も心も若干軽くなった。
頭の中も軽い二人(撮影・AJ広島のゆかいな一味)


25分ほど休んだ。
出発!


ここからは南へ。
川沿いをさかのぼっていく。
昨日に引き続き日差しは強い。
次第に暑くなってきた。


田植えが終わったばかりの田園地帯。
道端に止まって、アンダーをメリノウールからジオラインに着替える。
道が次第に斜度を増す。
坂の途中で山口県から島根県益田市に入る。


かつて益田に赴任していたケーキさんをもってしても初見の道とか。
次第に高度をあげていく。
道は2車線としっかり広いので、日当たりがやたらいい。
つまり暑い。
日陰がもっとあってもいいのに。


ねえ、なんでわしらは坂を上るの。
別に坂なんて上る必要ないんじゃないの?
脳内をそんな思考が、小野田坂道くんばりのハイケイデンスで駆け巡る。


山は深くなっているが、坂は終わらない。
山肌に集落がある。
斜面に動物除けの柵を要塞のように張り巡らせている。
イノシシ除けかシカ除けか。
人と自然のせめぎあいがある。


いよいよ道は狭くなり、坂はきつくなる。
片側は深い谷。
緑陰に囲まれた涼しい道なのだけど、斜度はきつい。
10%ぐらいあるんじゃないの?
Edgeを見る。
な!斜度30%だか50%だかとんでもない数字が表示されている。
なんぼなんでもそれはないでしょう。
君も登坂に嫌気がさしたのか。
多分きっとそうに違いない。
つけててよかった34T


谷を隔てたところに道がある。
農道か?
もっと広いちゃんとした道のようだ。
あ、別にこっちの道通らなくてもいいんじゃないの。
そんな疑問がまたもハイケイデンスで脳内を駆け巡る。


脳内でぼやきながらじわじわと上りきる。
はぁ。
なんか広いとこに出た。
おお、そろそろか

向こうにトンネルの入り口が見える。
おおお、どうやらピークらしい。
白杭トンネル到着


標高334メートル、白杭トンネルを通過する。
これで山岳第一陣をクリア。
あとは通過チェックのある津和野まで下り基調だし、楽ちん。
と、思ってました。その時は。


下り基調ということは、足を休める時間が多いということ。
運動強度が下がるということ。
となると人はどうなるかというと、これが眠たくなるのだ。
刺激の少ない津和野への田舎道。
あああ、また睡魔が、スイマーが迫ってきたたたたたた。


寝落ちする前に休まなくては。
バス停を発見。
ケーキさんと座り込む。
一瞬であちらの世界へ移行する。
この状況下だと横にならなくても、たやすく眠りに落ちる。
バスの時間は調べましたよ


10分以内に意識を取り戻し再び走りだす。
忍耐の時間。
下り基調という言葉にだまされてはいけない。
下り基調は詐欺だ。
下り基調詐欺だ。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
耐えることしばし。


ようやく津和野の町に入った。
下り基調の約20キロを1時間もかかってしまった。
午前11時50分ごろ、460キロ地点、通過チェックのローソンポプラ津和野店に到着したのだった。

つづく

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