2014年5月21日水曜日

石見グランフォンド2014 その8

西の原から北の原へ。
走行ログを確認すると、標高差150メートル、斜度7%というところだ。
単独ならそうえげつなくない。
しかし170キロを走ってきた脚には実にこたえる。
ken2さんも「はきそう」としんどそうだ。
だが、ここをクリアしないと最後のCPにたどり着かない。
我慢して上るしかない。



そういやサポートバイクが「チョコバナナが待ってますよ~~」って言ってたよな~。
もう少し頑張るか。

最初にまっすぐな坂がきつい。先を見ないようにして淡々と進む。
大きな九十九折が二つあるのもきつい。インロー固定で淡々と進む。
夕刻が近づいてきた。木々を抜ける日差しもやわらかい。

ken2さんが少し遅れる。
わしは遅いなりにペースを保って、そのまま進む。
右手に草原が見える。
ピークはもう少しのはず。

一緒に上っていた人と「あともう少しですね」と会話を交わす。
「骨折して脚にチタンが入ったままなんですよ。エアロバイク中心にトレーニングしてきたのだけど、なんとか上れました」とおっしゃる。
すごいな。素直に感心する。
ここまで彼を引きつける何かがこのコースにはあるのだろうな。

そして。
着いた。
ピークに。
思わず「よっしゃ~」と喜びの声が漏れた。
たぶんガッツポーズをとっていたと思う。

STRAVAによると約590メートル。
よくぞ、ここまで上った。
標高だけならはもっと高いところに上ったことはあるが、状況が違う。
距離と標高の積み重ねが違う。
先ほどの人もうれしそうだ。
「やりましたね」と声を掛け合う。

とろとろと下って第7CPの北の原の三瓶バーガー前に到着。
午後440分。
ほどなくしてken2さんも到着。



駐車場に倒れこむ。
先行したTBCのみなさんが迎えてくれた。







わしはうれしさと達成感で、軽い興奮状態だ。
「やったねken2さん。三瓶が近くに見えるよ」←と言ったらしい。
ken2さんは「たっかんさん、バカですか。なんでそんなに元気なんですか。倒れるのが普通です」とあきれた表情で、お言葉を。

もともと柔道家のken2さんは運動素人のわしに対して、追い込むのに慣れている。
だから、坂でも、ついつい運動の強度をあげてしまうのだろうね。
わしはそこまで追い込めない。
その時は自分なりにがんばっているのだけど、5%ぐらいは余している気がする。
だから坂が終わっても、立っていられるのかな。
レースとかだったら追い込んで出し切らないといけないのだろうけど。

でも、すごいじゃないか。
ここまで上ったのだよ。
自転車で。自分の力で。
これは誇っていい。
やった~~!


ラスボスの三瓶山はやはり手ごわかった。
でも打ちのめされてもあきらめずに上ったよ。
それが大事。



エイドでコーラとキリリと冷えたチョコバナナをいただく。
三瓶山に乾杯!
う~~ん、んんま~~い。
勝利の味だ。自分へのご褒美だ。

ただ三瓶バーガーを食べるほど、食欲はなかった。
4時半を過ぎるとオーダーストップになるみたいだし。
きのう食べといてよかったにゃあ。

しばらくするとken2さんも復活してきた。
なんやかんや言って、わしと違ってアスリートだから、復活も早い。



25分ほど休んだ。
あとはゴールへ向かって下るだけ。
栄光へのダウンヒルを駆け抜けよう。

つづく


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