3日午前10時53分、230キロ地点。
道の駅阿武町は木を生かしたおしゃれな建物だ。
売店がにぎわっていて、長蛇の列ができている。
ほかに温泉やら、温水プールやら、シャワートイレがある公衆トイレやら、レストランやら、過ごしやすいベンチやらあって、なんか田舎とは思えないような立派さだ。
道の駅発祥の地をうたうだけあり、何かと力が入っている。
阿武町が萩市と合併せずに、単独町政を貫いているのも影響しているのだろうね。
ブルべの同好の士たちの姿も見える。
屋外のベンチで仮眠をとっている。
これは寝心地がよさそう。
わしはトイレで軽量化を図り、その後、臀部にワセリンを塗り塗りする。
前回の400キロで後半、尻がすれて痛かったのでその対策だ。
顔も洗う。すっきりした。
温泉に入れたら最高なんだけど、もう走りたくなくなるかも。
ここで食事を取ることも考えたが、売店は混んでいるし、レストランもそれなりのお値段がして、ちょっとためらってしまった。
ガチオ君と協議の上、ドリンク補給にとどめて、萩に向かうことにする。
休憩終了。
11時20分過ぎに出発!
結局、30分ほど休んでいた。
萩へ向かう海岸沿いの道を行く。
山陰から北浦への主要ルートである191号だが、実は海岸沿いに走れる気持ちのいい場所はそれほど多くない。
益田の持石海岸沿いと、阿武町から萩市まであたりだ。
そのほかは地味にアップダウンが続き、足を削ってくる。
萩が近づいてきた。
ただ昼になってきて気温が上がってきた。
ガーミンさんは30度以上を示している。
台風の余波か、湿気が高い。
これは地味にきつい。
右手に道の駅萩しーまーとが見えた。
ここも大きな駐車場があり、にぎわっていた。
ここはパスして、萩市内の店を探すことに。
ガチオ君が「あそこを曲がれば松下村塾が」「もう少し行けば松陰神社が」と立ち寄り観光をしたそうにしているが、これもパス。
わしも山口赴任以来だから、20年ぶりぐらいの萩なのだけど、今回は先を急ぐ。
立ち寄る気にならないのだ(^_^;)
あ、丘の上にあった反射炉は見えたよ。
萩の街はさすが風情がある。
街路樹が多いし、街並みに潤いを感じられる。
古い建物も残っている。
いい街だ。
景観規定があるのか、マクドもユニクロもすき家もコンビニもシックな色合いだった。
これぐらいが派手すぎず落ち着いていいよね。
道端にうどん店を発見した。
総菜が食べ放題で650円だと!
時間はちょうど正午。
二人で滑り込む。
ドーン。
手ごろな値段で、炭水化物をしっかり補給できました。
日本一周の若いサイクリストや中国からの観光客も。
おばちゃんも愛想よかったね。
30分ほどの食事休憩後、走り出す。
橋本川に架かる玉江橋を渡り、市街地を抜ける。
いよいよ中盤の難所、鎖峠の始まりだ。
ガチオ君とは上りのペースが違うので、先行してもらう。
すんませんなあ。ゆっくりとしか上れないのよ。
標高ほぼゼロメートルからの上りだ。
山腹を縫うように山陰道の巨大な橋が築かれている。
その下を這うように進むわし。
いったん100メートルぐらいのピークに至る。
無駄に下って、再び登坂にかかる。
頼むから、わしの稼いだ高度を返してくれ。
ん!道端を歩いて上る旅行者らしき姿が。
「頑張ってください」と声をかけ通り過ぎる。
坂はなかなか終わらない。
曲がれど曲がれどピークはない。
もちろんピークで待ってくれているであろうガチオ君の姿も見えない。
ログによれば、峠の最高地点は約250メートル。
eTrexの高度表示をにらみながら、淡々と進む。
気温は30度前後と蒸し暑い。
しんどい。実にしんどい。
上り始めから30分以上。
ようやくピークに着いた。
ガチオ君お待たせしました!
実際、かなり待ったらしい。
写真ありがとう!
![]() |
標高231メートルらしい。撮影・いずれもガチオ君 |
4キロほどのダウンヒルをこなす。
上りでロスした分を取り返さなくては。
下りが終わり、県道と合流する。
長門市三隅町だ。
田園地帯の中を走る。
ここは7月の400キロブルべで走った道だ。
一度走った道は、やはり安心する。
左手にあるはずの湯免温泉。
今回もパスする。
小学校の修学旅行で泊まったよなあ。
三隅バイパスの交差点にあるローソンに寄る。
400キロブルべでは、もう少し走って左手にあるセブンがPCだった。
峠を越えると、ドリンクがなくなる。
動き続けた体は熱を発している。
大き目の水を買い、ボトルに入れた残りを頭からかぶる。
気持ちいい!
ガチオ君もどうぞ!
生き返った。
さあ、行くか。
バイパスを進む。
400ブルべではバイパスの途中から左折し、市街地に避け、あえて山の中を進み、広域農道をたっぷり味わうという、おもてなしを受けた。
今回は左折せず、長門市の市街地を通過する。
まもなく海岸沿いに出た。
左手に山陰線が走っている。
おや、ガード下で寝ている人が見えた。
たぶん副代表さん(^_^;)
そして、お待たせ?の広域農道エリアへ。
191号を避けて、あえての農道なのだ。
ま、交通量少ないしね。
途中、ストップしてeTrexの電池を交換する。
スタートして16時間が経ったからね。
EDGE520Jにもモバイルバッテリーから給電する。
ゴールまで持ってくれよ。
走り出して間もなく謎の地球儀をハッケーン。
400ブルべの時も見たことあるはずなのだが、覚えていない。
さて、今回の広域農道、確かにしんどかったが、400の時よりも、農道の距離が短縮されたこともあり、それほどダメージを受けなかった。
知っている道というのもある。
同じ、しんどい道にしても、知っていれば覚悟はできる。
覚悟のできた人間は強いから。なんてね。
いくつかのアップダウンをこなす。
実りの季節を迎えた田んぼを横目に進んでいく。
この広域農道、みのりロードっていうらしい。
ようやく海が見えた。
国道191号に再び合流する。
で、中間点の角島が着実に近づいているわけだが、ここからが地味に厳しい。
結構なアップダウンが続くのだ。
それも100メートル級の。
海沿いに出たと、油断したところに来るアップダウン。
結構、斜度もあるし、心と体が削られるのだった。
ただ、このサノバビッチな区間も、わしは知っている。
走ったことはある。
だから耐えるしかない。
そして午後3時29分、通過チェック地点である298キロ地点のローソン豊北阿川店に到着した。
つづく。
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