2016年7月19日火曜日

BRM702岩国400キロ その6

PC3、午後11時30分、252キロ地点のローソン美祢インター店。
角島灯台についたのが午後7時45分だったので、そこからの53キロに3時間45分もかかってしまった。
平均時速はなんと14.1キロ。
だんだん遅くなってきているし。
ただ、この時はそんなことを考えている余裕はなかった。

店に入る。
さっきのPCでケーキさんが食べていたラーメンがおいしそうだったので、麺類にしよう。
ということで、きつねうどんをオーダー。
レンジでチンして温かくなるやつね。

きつねうどんです。でも、きつねさんごめんなさい

おや、ここのローソンはカウンターテーブルがある。
そうか。美祢市内にもローソンあったけど、これがあるからこの店にしたんだ。
今思うと、AJ広島スタッフのご厚情が胸にしみいる(この時はそんな余裕なし)
しかも、塩タブレットが無料サービスで置いてあるじゃありませんか。
この気持ちがえも言われずうれしい。
いくつかいただいていく。

このカウンターが神仕様。嬉しいです

テーブルに座ってうどんをいただく。
塩分と炭水化物が体中にしみこんでいく。
折角のきつねだが、お揚げさんはちょっと胃が受け付けてくれなかったので、ここはご遠慮申し上げる。
そろそろ日付を越える。
コンビニの前で、横になって休んでいる参加者さんがいる。
確かに眠気もそろそろやってきた。
ケーキさんに休むかと聞いてみたが、少しでも先を急ぎたいとのこと。
じゃあ、もうひと踏ん張り頑張りますか。

PCに別れを告げ、暗闇の中へと漕ぎ出す。
ここから先には、山口市へ抜ける大峠が待っている。
その後には荷卸峠、島地川ダムへの上りも。

国道435号を東進する。
途中で右折したようなのだけど、あまり覚えていない。
川を越えたようなのだけど、あまり記憶にない。
なんか道を上ったり下ったりしているうちに眠くなってきた。
もうたまらん。
ケーキさんに「休もう!」と告げ、よさそうな場所を探しつつ進む。
夜に入ってから天候はすっかり安定していて、雨が降る気配はない。
そのへんに転がってもいいのだが。いい場所がない。
よさそうなバス停もないし、店もない。

お、トンネルだ。
短いけど歩道がしっかりあるし、乾いているし、ここにしませんか。
ケーキさんは「ここで?」と戸惑っていたらしいが、知ったこっちゃねえ。
とにかく眠い。
自転車を停め、タイマーをしかけて、歩道の上に横たわる。
お休みなさい・・
目をつむっているのだが、意識はある。
ケーキさんがいびきをかいている。
よっぽど眠かったのだろう。
わしもちょっとだけ意識が混濁した。
・・・・

ん、タイマーがならない。
目を覚ます。
スマホを見ると、タイマーがうまいことセットされていなかったらしい。
あらら。
どれだけ寝たのかしら。
よくわからない。
声をかけると、ケーキさんも目を覚ました。
後でSTRAVAで確認すると、この場所は小郡萩道路の下を抜けるトンネルで、15分ほど休んでいたようだ。

再び走り出す。
ここからは大峠への上りがあるはず。
その前に美東町の上り口までいまないと。
眠ったせいか、体がよく動く。
ペダリングもスムーズになっている気がする。
休む前よりも、はるかにいい感じで走れている。

この間、あまり記憶がない。
あるのだけど、ふわふわしている。
目の前のEdge520JとeTrex20の数値や表示を見て、反応しているだけだった。
坂が5%超えた→心拍数上がった→ギア軽くしよ→心拍下がった→ちょっと回すか
って感じの思考回路に沿って、シンプルな機械となって走り続けるだけの存在になっていた。

思い続けていたのが「大峠なかなかこないな~~」ってこと。
5%の坂とか普通に続いていて、実は上り坂が始まっていたのだが、その時はそんなこと考える余裕が一切なかった。
ケーキさんによると、どうやら、われわれには覚醒モード(NT-D)が発動していたらしい。
それまでとは全く違うペースでぐいぐいと坂を上っていたらしい。
あまり自覚はないのだけど。
ケーキさんもわしについてくるのが必死で、覚醒モードに入っていたようだ。
そういえば、この区間、誰か別の参加者さんを抜かした気が・・
それまでは抜かされまくりだったのにね。
ただ、STRAVAで確認したら、山口市への大峠、それほどのタイムで上っていない。
ま、主観による補正が大幅にかかっているということで勘弁してつかあさい。

ぐいぐいと坂を上るわしたち。

気が付くと鳳翩山のトンネルがあるではないか。
「ありゃ、着いちゃったよ」とケーキさんに告げる。
ほんとここの上りは拍子抜けな感じだった。
覚醒モードは終わった。
奇跡の時間は終わったのだ。

トンネルを抜け、山口市へ下る。
路面は果てしなくよろしくて、走りやすい。
わしは先ほどまでの余韻で、いい気分で下っていたのだが、ケーキさんはそうでなかったようだ。
上りで力を使い果たしただろう。
「眠たいです。休みましょう」と力なく、おっしゃっている。
山口を越えても、荷卸峠が控えている。
休むとしましょうか。

吉敷を抜け、国道9号に出る。
いいところがないかなあ。
コンビニ発見!
午前1時半ぐらいか。

PC外だが、休むことに決定。
駐車場の端っこに寝転ぶ。
今度はタイマーを10分ほどセットする。
おやすみなさい。

やはり意識は飛ばない。
周囲の動きはある程度感知できるが、体はずっしりと重力に引かれて、地面に張り付いている。
心拍がだんだんと落ち着いていくのがわかる。
己の鼓動が感じられる。
こうやって少しでも体力が回復しているのだろうね。

タイマーが鳴る前に起きたか。
今回のケーキさんは、いびきをかくまでに至らなかったようで。
やはり、コンビニだけあり、車の出入りがあったからかなあ。
落ち着けなかったようだ。

いそいそと起きだし走り出す。
13分ほど休んだようだ。

左手に県庁を見て、9号を進む。
大きなバス停があった。
寝心地のよさそうなベンチも。
「あそこで眠ればよかったねえ」と話しながら通過した。
次回はあそこで寝よう、って次回はあるんかい!

宮野から仁保への峠を抜ける。
休んだせいで、なんとかやっていける。
仁保に入り、往路で休んだ自販機で飲み物を補給する。
さあ、荷卸峠、行きますか。

だらだらとした坂が続く。
深夜の峠。
右手には中国自動車道がある。
心拍を上げないように、ってか上げれないので、のろのろと10キロ以下で走り続けるしかない。

ようやくピーク。
下りる。
重力に引かれて。

下りでは、だいたいわしのほうが速いので、先行する。
山口県の道路はいいので、安心してダウンヒルできる。

ケーキさんが来ない。
途中で止まる。
しばらく待っていると、光が下りてきた。
よかった。事故らず下りてくれて。
さ、行きましょうか。
峠を下り、見慣れた気がする風景を走る。

そして午前3時29分。
ようやく着いたのだった。
304.9キロ地点のPC4ローソン徳地堀店に。
ほんま長かった。

ようやくPC4。疲れた~~

つづく。

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