2016年5月24日火曜日

浜田往還2016 その5(完)

瑞穂まで140キロ。
いよいよ後半最大の山場、三坂峠だ。

ケーキさんは昨年、瑞穂で無念のDNF。
サポートカーに乗ってこの峠を越えた。
だが今年は違う。
昨年とは違うのだよ、昨年とは。
力強い足取りでペダルを回している。
これなら、あと40キロは戦える!



上りはマイペースが一番。
ケーキさん頑張ってください。

抜かしたり、抜かされたり。
ゆるやかな九十九折の道。
5%前後の坂が約4キロ続く。




木漏れ日が心地よい。
時折、車が通る以外は鳥のさえずりと風に音が聞こえるだけ。
それとわしの息。

なんとか頑張って、ピークに到着。
標高は約580メートル。
この洞門を越えれば広島県だ。




ケーキさんには悪いが先に下らせてもらう。
ここからの下りが気持ちいいんよね~~。
大朝まで約6キロのダウンヒルだ。

ギアを上げて、がしがし踏む。
路面に注意しながら、コーナーをこなす。
踏めるところはしっかり踏む。
気持ちいい。
2キロ半走った。
そろそろ傾斜がゆるくなってきた。
限界かな。
脚をゆるめようとした時。

後ろからキャニオンとジャイアントのバイクがすーっと抜いていった。
ここは付いていかせてもらおう。
2人の後ろに入る。
ぐんとペースが上がる。
中切れはできない。
懸命に回す。

キャニオン氏が「前に追いつきましょう!」という。
そういえばOKBさんたちの集団が先行しているはずだ。
やってみましょう!
漢引きするキャニオン氏。
細身の体だがすごい。
わしも頑張って回す。
ジャイアント氏も一緒だ。
田園地帯を貫く直線道路を快走する、わしら3人。

しんどい。
でも楽しい。
お、前の集団が見えた。
もうひと踏ん張り。
集団の背中が大きくなった。
やった。追いついた。
本当に追いついたよ。

と、キャニオン氏が「もうダメ、先に行って~」と下がる。
ここまでの漢引きありがとうございます!
託されたからには付いて行かないと。
先頭集団に頑張って張り付く、わしとジャイアント氏。
遅れることなく、そのまま大朝のセブンイレブンに滑り込んだ。

いやあ、出し切った。
しんどかったが、実に楽しかった。
キャニオン氏、ジャイアント氏と互いに健闘をたたえ合う。
プロとはレベルが違うのだろうが、ロードレースの楽しさを垣間見た感がした。
キャニオン氏、ジャイアント氏、ありがとうございました!

大朝まで153キロ。
時間は午後4時20分。
みなさんとゆっくり歓談する。
ケーキさんもまもなく到着。
やりましたね!



今回のライドは一応ここで解散だ。
あとは三々五々、広島へ帰る。
主宰のM木さんからあいさつ。
一日お世話になりました。
楽しいライドでした。

ただ、家に帰りつくまでが遠足。
そしてわしの真の苦難は実はここからのわけで。

みんな断続的に出発する。
わしもケーキさんと出発しようとしたのだが、ネコ目のGPSサイコンがなかなかGPSの電波を拾わない。
最近、反応悪いのよね。これ。
しばらく待つしかない。
ケーキさんには集団について行ってもらおう。
わしは頑張って追いつきますわい。

で、しばらく待つ。
結局、復帰まで5分ぐらいかかったかしら。
う~ん、このサイコンあかん。
電池の持ちも悪いし。
ガーミンEDGEほしい。

ようやく電波を拾った。
行くぞ!
だが、この数分間の差は大きかった。
走れども走れども前に追いつかない。
江の川沿いの道は車が少ない。
風は雨上がりのせいか、この時期には珍しい北風。
思いっきりフォローだ。
なのに追いつかない。

サポートカーのアテンザ号からも超温かい声援とパワーをもらったのに。
全く前が見えない。
追いつけない。
自転車いた!と思ったら地元の高校生だったし(^_^;)
千代田まで、30~40キロのかなりいいペースで走った。
それでもあかん。

そして、その時は突然来た。
千代田から土師ダムへの途中。
右脚が固まる。
力を抜いて回そうとするがダメ。
ピキピキと固まっていく。
攣ってしまった。
スローダウンして歩道に上がる。
やっちまった。
さっきのスプリントの影響か。
脚を使いすぎたわ。

こんな時のために持ってきた漢方を服用する。



なんとか、脚は動く。
さ、行くか。
もう前に追いつく気持ちは失せた。
とにかくゴールの可部にたどり着くことだけを考えよう。

夕暮れの光の中を進む。
左手には土師ダムの湖面が広がる。



土師ダム湖畔の最後には小さな上り坂がある。
平時なら問題ないこの坂。
ピキピキ!
また攣りました。

しばらく休んでまた走り出す。
脚にできるだけ負担をかけないようにして、坂をクリア。
土師ダムを下っていく。
黄昏の国道54号を、黄昏ながら進むわし。
山の端に日が沈んでいく。




わいわい走った後だけに、一人は寂しいなあ。
54号のバイパスを使わずに、旧道に入る。
ようやく上根峠に着いた。



後は可部まで下るだけ。
無理せず行こう。



ダウンヒルをこなし、バイパス交差点を過ぎる。
夕方だというのに旧道の通行量はさほどでもない。
途中で根の谷川沿いの道に入る。




そしてセブンイレブンが右手に見えた。
ゴール!
時間は午後6時45分だ。
ケーキさんが待っていてくれていた。

乙でした。
一緒について行った集団が、なんでもすごいペースだったとか。
早々にちぎれたらしい。それでも追いつけなかったのか。

セブンで居合わせたOKBさん。
あれ?もっと早く着いたのでは?
なんでも途中でまたパンク神が降臨したらしい。
お疲れでした。

とにもかくにも、浜田への200キロの旅が終わった。
雨のち晴れのち脚攣り。
いろいろなことがあった一日だった。
ただ大きなトラブルがなかったのが何よりだ。
参加させていただいたMSCCのみなさん、本当に素晴らしい一日をありがとうございました。
また一緒に走りましょう。
そしてケーキさん、可部の自宅から家まで送ってくれてありがとう。
昨年の雪辱を果たせましたね。本当によかった。

楽しい旅の終わりはいつもちょっと寂しい。
この寂しさを味わうために走っているのかもしれない。
さあ、次はどこへ走ろうか。

って決まっているんですけどね(^.^)
いい一日をごちそうさまでした。

〆は周一なわけで。



おわり。

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