2016年10月22日土曜日

BRM1008広島300キロ その7


9日午前0時47分、202.94キロのPC4ファミリーマート福山駅家町店に到着した。
雨は降り続いている。

ドリンクだけ買って、滞在10分足らずで出発する。
今回のコース図ね。


PC4からPC5までの74キロ。
標高300メートル級の山を二つ越す。
平坦続きの今回の300キロの中で、文字通りヤマ場になる。


駅家から新市へ。
24時間スーパーのハローズ発見!
486名物の連続ハローズ

新市から府中へ。
ハローズ発見!
府中市内に突入。
ハローズ発見!
ハローズのおかげで暗闇の中でも、どの場所にいるのか分かるという(^.^)。


雨は強いままだ。
雨宿りして仮眠できそうな場所の心当たりがあるので、二人に眠くないかどうか尋ねる。
正直、雨の中を走り続けるのが、ちょっとしんどくなってきていたのだが。
二人とも大丈夫とのことなので、もうしばらく先へ進むことにする。
終盤の山岳地帯に入る前に、ひと休みできる道の駅があるので、そこがたちまちの目標かな。


高木のハローズを左手に見る。明るいわ~。
旧宅のそばを通り、市役所前を過ぎる。
目崎のバス車庫を過ぎると、右手に山が迫り、人家は途切れる。
左手には芦田川が流れている。
川面は見えないが。ゴーゴーという水音は聞こえる。
路面に落石がないか、気を配って走る。
がけ崩れの名所だからな~。


父石で芦田川に架かる橋を渡る。
御調方面に向かって進む。
ここからは御調川沿いをさかのぼる。


雨に加えて風も強まってきた。
しかも逆風だ。
平地なのだが、20キロ前後でしか走れない。


大きな雨粒が顔に容赦なく当たる。
雨具の肘部分に水が溜まってきた感触がある。
びしょ濡れだ。
普段の1・5倍くらいのペースで体力が消費されていく。


御調川沿いを走る田舎道が続く。
府中市から尾道市御調町に入る。
中国横断道尾道―松江線の下を通る。
はるか上に高架道が走る。
ここじゃ、雨宿りできんよなあ。


家の灯りが増えてきた。
そろそろ道の駅くろすろーど御調だ。
ここで雨宿りがてら、休むことにする。
午前2時前、ほうほうの態で道の駅に逃げ込んだ。
雨具を干す(乾かないけど)


この時間帯は本当に厳しかった。
休めるのが、こんなにうれしいことはない。


ひさしの下に眠れそうなベンチを見つけた。
自販機にホットドリンクがあるのも確認した。
気温は確か16度前後。
思ったよりも冷え込んでいないのが救いだ。
サドルバッグの中から、タオルと着替えのメリノウールの長袖シャツを出す。
雨具を脱いで、ジャージもシャツも脱ぐ。
体を拭いて、水分を取る。
シャツを着る。
さらっとして気持ちいいっ!
濡れていないだけで、こんなに気持ちいいとは。
下半身はそのままなのだが、それでも天国到来。
シャツ一枚なのに、横になっても寒さは感じない。


ガチオ君に20分のタイマーをセットしてもらって横になる。
おやすみなさい。


意識はある。
が、寝ているだけで体は休まる。
すぐ20分経過。はやっ。
時間は3時半ごろ。


スマホのレーダーで雨雲の動きを確認したガチオ君が「あと30分も休めば雨雲が通過します。それまで休みませんか」とうれしいご提案。
外はまだ雨が降り、風も強い。
現在、約225キロ地点で、東広島のPC5まで残り50キロ。
クローズは午前7時28分なので、3時過ぎに出ても4時間以上ある。
山岳地帯とはいえ、これは余裕で間に合うでしょう。
「休みましょう」と力強く決断したのだった。
雨具を着込んだまま、横になっていたケーキさんは眠りながら「よしっ!」と内心ガッツポーズをしていたという。
後世の歴史家たちは、この英断を「御調道の駅の決断」として記録し、長く伝えることになる(嘘)。


ガチオ君が寒そうにしていたので、着替えることを提案。
着替えたら温くなったみたいで、よかった。
休む時は着替えるのがいいみたいね。


というわけで、再び30分以上しっかりとご休憩。
タイマーが鳴ったので3時過ぎに起き出す。
ジャージの上は、びしょ濡れなので着ずに雨具の上を着込む。
いずれ湿ってしまうのだけど、今だけは気持ちいい。
今後の上りに備え、ソイジョイを一つ食べる。
この時、ケーキさんにも一声かけていればよかったが後の祭り。アフター・ザ・フェスティバル。


午前3時10分過ぎ。
結局、この道の駅で1時間15分ほど休んでいた。
ブルべでこれだけ長時間休んでいたのは初めてだ。


もはや雨はほとんど上がっていて時折、小雨がぱらつく程度だ。
東へと走り出す。


雨の抵抗がないだけで、えらく体が軽く感じる。
走り出して間もなく右手にコンビニが。
後で思えばここで寄っていれば良かったが、後の祭り。アフター・ザ・フェスティバル。


三原久井インターへの長くてゆるい上り坂が始まる。
三原市久井町に入る。
それぞれのペースで淡々と上っていく。
ガチオ君が先行する。
ケーキさんが後退する。
わしはその間。


途中、名物のこっそり堂を左手に発見!
同好の士のブログを見ていたら、ここで一服した強者もいたとか。マジか(^-^;
ま、18禁だから、ランドヌール的には問題なしか。
こっそり堂撮影にこっそり成功!


三原久井ICの交差点で右折し、すぐに左折する。
ここから高坂への本格的な上りが始まる。
自販機コーナーにライトが見えたので、寄ってみたけど、ガチオ君ではなかったので、あいさつしてそのまま進む。
上り坂を淡々とこなす。
真っ暗。
雨がほぼ止んだのがありがたい。
さっき来たばかりのシャツがもうしっとりしている。
上りだからしょうがない。


途中の左折ポイント。
ガチオ君が待ってくれていた。
ケーキさんを待つ。
1分ほどで上がってきた。
再び上り始める。


右手に山陽道を見ながらペダルを回す。
まもなく今回のブルべの最高点に到達した。
標高約380メートル。
ガチオ君が待っていた。
雨はほぼ止んだ。
風は少しあったかな。
気温は13度。
時間は午前4時過ぎ。
約1時間のヒルクライムが終わった。


1分ほど待つと、ケーキさんも追いつく。
ここから本郷まで一気に下る。


ほぼ一本道だ。
eTrexにガイドしてもらっているのだが、この辺、GPSが示す道筋が結構アバウトで、実際の走路と激しくずれていた。
マイ補正をかけながら、ひたすらダウンヒルを続ける。
路面がウエットなので、気を使いながら下っていく。
リムが濡れるような条件ではなく、ブレーキは仕事してくれるのが救い。
降雨時のダウンヒルじゃなくてよかった。
リスクが相当違う。いい判断だったね。


本郷の街に下りる。
山陽線の本郷駅が右手にあった。
蛍光ベスト姿の参加者でにぎわっていた。
なるほど、そういう手もあったか。


沼田川沿いを走る。
ほぼ平地基調だが、ケーキさんが遅れ始める。
「コンビニまだですかねえ」と辛そうな表情でいう。
どうやらエネルギー切れ、ハンガーノックのようだ。


そうか御調で補給していればよかった。
手持ちの補給食も切らしているようだ。
空港への登り口にコンビニがあるはずだから、そこまで我慢すればいいはずだ。
たちまちソイジョイを1本渡す。
走りながらでも食べれるから。
と、そうこうしているうちにPC外のコンビニが右手に見えた。
セブンイレブン本郷インター店だ。
幸いイートインもある。
食べよう、休もう。




なんとか一息ついた。
時間は5時過ぎ。
PC5まで25キロ。
クローズまで2時間半弱ある。
脚を回さなければ始まらない。
ケーキさんも復活してくれればいいのだけど。


広島空港への登坂が始まる。
約6キロ、標高差320メートルの上りだ。
しかしケーキさんの速度が上がらない。
息が荒い。

食べてすぐでは復活しないのか。
この登坂、一人では心がしんどい。
一緒についていこう。
これでゆっくり上る口実ができたぞい (^.^)


ギアをインローに落とし、時速6~7キロでゆっくりと進む。
ケーキさんは懸命に頑張っている。
回しても回しても坂が続く。
空が青っぽくなってきた。
夜明けが近づいている。
がんばれ!ケーキさん


ケーキさん、この時はマシンと化して無心にペダルを回していたらしい。
まさに修行である。
きっと何かのステージで、一つ上に上がったに違いない。


上り始めて30分以上経ったか。
ようやく空港の滑走路下をくぐるトンネルが見えた。
上りがほぼ終わった。
ケーキさん、ナイスファイトです。
空は雲に覆われているが、白み始めている。



空港前を通る。
滑走路を左手に見ながら、徐々に下りに入る。
滑走路進入灯の下で、ガチオ君が待っていた。
ようやっと山を越えた。
あとはゴールまで下り基調のはず。


ちょっと休んでいると、PANAランドナーさんも。
コースについて説明を受ける。
さすが道をよく知っている。
去りゆくわれら(撮影・PANAランドナーさん)



走り出すわしたち。
高原の田園地帯を行く。
なんかカメラが変。防水じゃないからなあ

基本、下り基調とはいえ、丘陵地帯なので上りもそこそこある。
白市駅付近で山陽線と合流する。
次第に人家が増えてきた。
相変わらず、上ったり下りたりが続く。
地味にこたえる。
ケーキさんはまだスピードが乗らない。
このアップダウンが響いているのだろう。
この辺も我慢の時間だった。


西条インターの手前で左折し、国道375号に入る。
山陽道をくぐり、南下する。
高架橋を越える。
田園地帯の中を貫く4車線の道路だ。
マクドナルドなどの郊外型の店舗が立ち並ぶ。
まもなく左手にコンビニが見えた。
ん?ガチオ君が変なとこから出てきた!
どうしたんだいったい?

一緒に店先まで進む。

午前6時57分、277.01キロ地点のPC5セブンイレブン東広島土与丸橋店に到着したのだった。
締め切りの7時28分まで31分。
かなりの薄氷ものだったけど、なんとか間に合った。


つづく

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