午後5時38分、92.65キロ地点のPC2ファミリーマート鞆の浦店に到着。
クローズは午後7時12分なので、貯金は1時間34分。
PC1時点より10分積み増しした。
平地基調だけに順調、順調。
ただ雨が本降りになってきたので、ここで雨具を着用することにする。
ストームクルーザーのジャケット、サイクルレインストレッチパンツ、シューズカバー。
そしてシューズをポリ袋で包み、足首をテープで巻いた。
先人たちの教えに従って、今回初めて試してみた。
さて、どれくらい持つか。
クリートの脱着も問題なくできた。
あ、今回のルートはこんな感じね。
福山から笠岡を経由し、155.78キロ地点にある倉敷のPC3へと向かうのだ。
今回、このコースではお楽しみを用意しておいた。
笠岡で食べるラーメンである。
笠岡の神島大橋のたもとにある「みやま」というラーメン屋だ。
夜10時ごろまでやっているので、十分間に合うはず。
しかもコース上にある。
ケーキさんとガチオ君に伝えると、力強く快諾を得た。
待つものがあるとテンションが上がる。
鞆からは、工場群の灯りを右手に見ながらしばし北上する。
水呑のハローズを右手に見て、芦田川大橋を渡る。
郊外型の店舗が立ち並ぶ、広くて明るい、まっすぐな道を黙々と走る。
雨はひどくはないが降り続いている。
入江大橋を渡り、笠岡方面へ右折する。
JFEスチール西日本の福山工場の脇を行く。
土曜の夕方、車は少ない。
福山市大門町で右折。
小さな丘を越えて岡山県笠岡市に入る。
道は国道2号線の笠岡バイパスということになっているのだが、両側にセイタカアワダチソウが繁茂し、何やら寂しい風情だ。
街灯も少ない。
このあたりから脚が鈍り始めた。
25~30キロで巡航できていたのが25キロ前後に落ちてきたのだ。
次第にガチオ君から離されていく。
ヘルメットの尾灯が次第に小さくなっていく。
進行方向左手に道の駅の明かりが見える。
後ろからツネさんたちのトリオが抜かしていく。
30キロ超えのいいペース。
付いていこうとしたがあきらめた。
この辺りは仕事で何度か訪れたことがあるが、真っ暗なので全くわからない。
遠くに笠岡の街の灯りが見えるだけだ。
土の匂いが濃い。
酪農の匂いも混じっている。
雨に刺激されて、いろんな匂いが立ち上っている。
自転車は環境の変化を五感で感じられるスポーツだが、なぜか音って記憶に残らない。
虫の声も聞こえていたのかもしれないが、忘れてしまう。
匂いのほうが、記憶に残る。
干拓地の平地が終わった。
神島大橋へのとっつきの上りが始まる。
左折したら、小さなラーメン屋の灯りが。
ラーメン好きには名の知れた「みやま」だ。
店の前でガチオ君も待ってくれていた。
お待たせです。
のれんをくぐるとそこは・・・ |
時間は午後7時過ぎ。
晩飯にはちょうどいい。
店の周囲の屋根のある場所に自転車をとめさせてもらう。
店の前をほかの参加者の自転車が走りすぎていく。
PANA君か? |
濡れ鼠なので、屋外のテラス席にしようかと思っていたのだが、照明がないということなので、恐縮して店内へ。
女性二人が明るく迎えてくれて、ほっとする。
濡れ鼠の3人 |
そしてラーメン来た!
テーブルに着いて温かいものを食べる。
しかもうまいものを!
きた!ラーメン降臨! |
平麺に尾道風の醤油スープが疲れた身体に染み入る。
わしたちのヒットポイントが回復した!
メニューに530円とあったので支払おうとしたら「ごめんごめん、値段変えたんよ」とのこと。
安いもんね~550円ぐらいに値上げしたのかなと思いきや。
「500円ね~」とまさかの下方修正。
今時珍しいワンコインラーメンですか!
満たされた気持ちで店を出る。
お姉さんが「頑張ってね~」と見送ってくれる。
これはうれしいなあ。
30分も滞在しなかったけど、ずいぶん長居した気になったよ。
午後7時半には再び走り出した。
神島大橋を渡る。
真っ暗な海を右手に走っていく。
天気がいい、昼間だとさぞ気持ちいいだろうなあ。
けど、雨だし、夜だし、まったくわからん。
笠岡市から浅口市寄島町に入る。
平成の大合併で誕生した市だ。
お!中四国地方で初のラウンドアバウト(環状交差点)だ。
車おらんし、あんま意味ないぞ!
折角なので一周すればよかったかも(^-^;
一周すればよかったか。 |
海沿いの田舎道が延々と続く。
倉敷市玉島に入る。
沙美海水浴場というビーチがあるはずなのだけど、まったく見えない。
途中、秋祭りの神輿に出会った。
雨の中、お互いお疲れ様です。
ガチオ君は先行して久しい。
ケーキさんがドリンク切れらしい。
右折して水玉ブリッジラインに入ったところのサークルKに滑り込み、補給する。
相変わらず雨は降り続いている。
水玉ラインを黙々と進んでいく。
玉島大橋を渡る。
水玉ラインは自動車専用道らしく、ところどころ側道に入って交差点をやり過ごす。
何回か繰り返しているうちに、側道が堤防に突き当たった。
見上げる。
橋だ。どうやらここが水島大橋のようだ。
キューシートでは歩道走行が推奨されていたので、歩道を注意して探していたのだが、見落としていたらしい。
いったん引き返して、橋のとっつきまで戻る。
よく見たら歩道があるじゃないか。
歩道を通って橋を渡る。
高梁川の最も下流にあるだけに橋は長い。
なかなか終わらない。
ようやく水島に入った。
倉敷の市街地を目指し、ペダルを回す。
ほぼ平坦。
小さな峠を上り、トンネルを通る。
道は片側2車線の広い道が延々と続く。
山口県も道がいいけど、岡山県も道路整備が進んでいるなあ。
そして驚くことに自転車用の側道が整備されている。
車道と歩道の間が、ブロックで仕切られている。
正直、車道側のブロックは必要ないのだけど。
広島県の道路事情からすれば雲泥の差だね。
次第に市街地が近づく。
信号ストップが頻繁になってくる。
走っては止まり、止まっては走るの繰り返しだ。
そして見慣れた街並みが近づいてきた。
倉敷の美観地区である。
江戸時代の幕府直轄の天領として栄えた倉敷の風情が残る街並みだ。
堀川に柳の並木が雰囲気を演出しているのだが、時間はすでに午後9時半。
な~んも見えん。
ええカメラでもあればそれっぽい写真が撮れるのだろうけど、それもかなわない。
本来ならゆっくり観光すべき場所なのだけど、そそくさと通りすぎるわしとケーキさん。
午後9時42分、155.78キロ地点のPC3ファミリーマート倉敷美観地区前店に到着したのだった。
つづく
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