2015年10月18日日曜日

県北広域農道祭り BRM927広島200km その3

PC2で、わずか20分の貯金しかないわしたち。
まだ先は110キロと長い。
ここから頑張って貯金しなくては。
と、思っていたよ。その時は。


吉田からはじわじわと高度を稼ぎ、美土里へ抜ける峠を越える。
この辺はあんまり記憶にないなあ。
中国道をくぐって右折。
ソバの花が咲く。




なだらかな田園地帯だ。
そして左折。
99キロ地点である。


ここから今回のブルべでもっともしんどい農道区間が始まった。
まずは高北広域農道というらしい。
だが、その時のわしらには知る由もなかったのだ。
ただただeTrex神の導きのままに。


基本、広域農道は走りやすい。
昔からの道と違って、道はきちんと2車線ある。
地方道と比べてもそん色ない。
ただ、目的地を最短で結ぶルートが選ばれることが多い。
基本、広島県の田舎だから山間部である。
高い山こそないが、山がひたすら続いているのだ。
そこを地形を無視して、まっすぐ道を通すのだから、どうしてもアップダウンは避けられない。
車ならいい。車ならいいよ。早くつけるから。


でもわしらが乗っているのは自転車である。
しかもエンジンは飛び切り貧弱ときている。
これはたまらん。


高宮に出る。
国道433号を交差する。
見たことがある風景。
そうか300キロブルべの時に走った道だ。
あの時の農道もすごかったな。



いくつかのアップダウンをすごす。
だんだんと坂を上り切った後に下るのがいやになってくる。
下ったということは、また上らなくてはならないからだ。
じゃあ、ずっと上っていたほうがいいのか?
いや、それも困るけど。

だいぶ、くたびれていますね。


なんとか、峠らしき場所を越える。
ちょっと長めのダウンヒル。
いったん、川沿いの田園地帯に戻る。
そうそう、こんなとこでいいんだよ。
川沿いに道がついているほうが地理学的に自然だよ。


と、思ったら、導きの神が、左手の山に上がる道を指示する。
え、ここ無理に通らなくても三次に行けるんじゃ。
後で地図を調べたら、しっかり行けました(恨)。
でもしょうがないのでぜえぜえ上がる。
いったん途切れた高北広域農道がまた始まるのだ。


もう足が死にそう。
「誰やこんなコース考えたの!」
「位置エネルギーの大切さをなんじゃと思うとるんか。無駄遣いじゃ」
「まっすぐの道がいい!」
「いや、まっすぐですって」
「責任者でてこーい」
などとケーキさんと毒づいていると、向こうから本当にT田代表の赤いアクセラがやってきた。
「え!聞こえていたの?」
驚くわしたち。
そしてカメラを向けられると、なぜか笑顔になるという。

撮影・AJ広島代表

撮影・AJ広島代表

撮影・AJ広島代表

そして、ある意味今回のクライマックスともいえる絶望的に素晴らしい風景が広がる。
ドーン!



ほんまに一直線。
ここは北海道か。
そしてはるか向こうに上り坂が見える。
1キロ続いたストレート。
これは紛れもなく非日常だ。


今ならわかる。この景色をわしたちに楽しんでもらいたかったのだと。
でも、あの時は、そんな余裕はまったくなかった。


「なんでこんなところに道路作ったんだよ」
「税金の無駄遣いじゃ~~」
また毒づきながら、坂を下りて上ってを繰り返す。


やがて三次市に入る。
ようやくここまで来た。




道は容赦なく上っていく。
どうやら霧の海の展望台で有名な高谷山の裏側を上っているようだ。
案内看板も所々に立っている。
時間と気力、体力があれば、上ってみたいところだ。
が、そんなものは全く持ち合わせていないので、一顧だにせずに通り過ぎる。


標高440メートルから一気に300メートル近く下る。
これはいいコース。
三次のみんなが上りに来るわけだ。


江の川沿いに出た。
ようやく三次市内に到着だ。
寿橋を通り、江の川を渡る。




ようやくついたよ。
124.95キロ地点、PC3ローソン三次京蘭寺店だ。

撮影・PANAランドナーさん

時に午後249分。
タイムアウトが午後320分だから、貯金は30分。
PC2から10分しか貯金できなかったことになる。
目論見が崩れた。
本当に厳しい区間だった。



つづく

0 件のコメント:

コメントを投稿