2019年12月19日木曜日

BRM615広島400km 徳山・竹田津 その5 晴れハレユカイ編

棚田さんさようなら

6月15日午後3時前、山口県長門市油谷地区の東後畑の棚田を出発した。
いったん高度を稼ぐ。
トンネルを抜け、山塊の南側へ下る。
霧が切れてきた。
小雨になってきた。
眼下には、油谷湾を取り囲むように田園地帯が広がっている。
空も次第に明るくなってきたようだ。


水田の中を抜ける。


南へと進む。
雨が止んだ。
午後4時前、やっと雨が止んだよ

路肩に止まり、テムレスを外す。
気分が少し軽やかになる。


そばを流れる川は茶色く濁り、水かさを増している。
泥のにおいがする。
茶色く濁る粟野川


ここからは小さな山越えの道。
いつもは海岸沿いの191号を通るので、初めてだ。
元気が出てきたケーキさん


翌日にある「ツールドしものせき」の案内看板があちこちに立っている。
そういえば去年の300でもよく見たわ。
九州方面のみなさんが殺到する人気イベントらしいよ

近くの山に風車が数基立っている。
日本海っぽい風景だよな。
風車のある風景

滝部の集落を過ぎ、坂を下る。
時刻は午後4時半。
眼前に響灘が広がる。
海に出た!


太陽も出てきた。
海が輝いている。
さ、最高じゃん。
さっきまでの風雨はなんだったんだ。
晴れ間も出てきたよ


右手に日本海。
ペダルを回すわし。
幸せな時が過ぎる。


161キロ地点のフォトチェック、福徳稲荷神社で一休み。
国道をちょいと脇に入った高台にある。
本殿はえぐいところにあるらしいので、入口の大鳥居で証拠写真を撮影。
フロントバッグにかぶせたシャワーキャップは中に水が溜まっていた。
少雨ならいいけど、大雨ならダブルにするとか工夫しないとな。
レインジャケットを脱ぐ。
テムレス手袋を解除し、サドルバッグに結わえつける。
徐々に身軽になっていく。
鳥居で一休み


ここでフロントバッグはまさぐっていると、中からeTrexが出てきた。
あれ、こんなところに・・
おのれのアホさ加減にあきれる。
なので以降は自分のeTrex20に道案内してもらうことにした。
ケーキさんeTrex30をありがとう。
軽く補給してから再出発。


しばらく進むと左手にコンビニを発見。
補給がてら滑り込む。
時刻は午後5時過ぎ。
シューズカバーを外す。
かなり湿気たけど、中に水がしみ込んで水浸しにはなることはなかった。
これだけでもずいぶん快適さが違う。
ビニールカバーも解除


オストリッチのサドルバッグを開く。
インナーバッグを取り出す。
あ、内部まで水がしみている。


やっぱきょうのような豪雨だと、完全防水じゃないと無理か。
これはわしの選択ミスだった。
オストリッチは悪くない。
雨対策をしたつもりだったけど、まだまだだな。
この知見を次に生かそう。
って、あんまり活用したくもないけどね。
身軽になった分、自転車に括り付ける


雨具をすべて外すと、随分身軽になった。
荷物はサドルバッグに突っ込んだ。
時刻は午後5時20分ごろ。
下関へ向かう。


右手に響灘。
徐々に太陽が沈んでいく。
6月15日、あと1週間で夏至なので昼間が長い。
暗くなるまでには下関を通過できるだろう。


国道191号を黙々と南下する。
次第に車の通行量が増えてきた。
信号でもちょくちょく止まるようになってきた。
信号ストップが増えてきた


ラッシュ時でもあるしな。
自転車にとっては我慢の時間だ。


午後6時を過ぎた。
バイパスに入る。
ふあああ、超いい道路。もちろん自転車通行OK

一見、自動車専用だけど自転車OKという素晴らしさ。
信号がないので、合流地点に気を付けさえすれば走りやすい。
追い風がペダリングを後押ししてくれる。
何より車が少ないのがいい。
影と並走


はるか向こうの港に、こんもりとした建物のようなものがある。
でかい。大型クルーズ船か。
まるでマンションだ。


まもなく市街地に入った。
快適区間とはこれでお別れ。
6時半までに下関のPC3に到着したかったけど無理なようだ。
下関到着


これまでさんざん苦しめられた風に助けられ、下関市街地に入る。


関門海峡に面した公園を通過する。
港町の風情がええのう。
海峡のまちだなあ


午後6時47分、193.5キロ地点のPC3ファミリーマート下関あるかぽーと店に到着。
見知った面子が出迎えてくれた。
みなさん、お待たせ~~('ω')

貯金は1時間9分。
補給するぞ!(撮影・AJ広島のエブリバデー)


夜に備えて、店内のイートインでがっつりと補給した。
午後7時、再出発だ。
有名な神社の前を過ぎる。
夜でも派手

関門橋をくぐったら。
関門橋をくぐる


関門トンネルに突入する。
エレベーターで降りる

自転車で通るのは、わしは2度目。
ケーキさんは初めてだったらしく、お喜びだった。
県境であります!


県境を越える。
15分ほど自転車を押して歩いて、地上に戻った。
自転車に乗ったら、注意されるらしい


10分ほど走って、フォトチェックの門司港駅に到着した。
宵闇迫る、黄昏時の門司港駅舎は実にフォトジェニックだった。
薄暮の門司港駅とウノさん

時刻は午後7時半すぎ。
400キロブルベの制限時間は27時間。
なので必ずどこかで一夜を超す。
ここからは夜の世界に突入だ。

つづく。

2019年12月18日水曜日

BRM1019広島200km 松江・日御碕・美保関岬巡り 雨中全般イズモ(下)

道の駅安来はにぎわっていた。
ガーミンさんによると、128キロ地点。
PC2は128.85キロ地点。
コースミスで若干大目に走っているので、もう少し走ればPCなのにとも思ったが。
まあいい。

店頭では、「新米祭り」と銘打って屋台が出ていている。
落ち着けそうなレストランがあった。
だが、どうやら靴を脱いで店内に入るシステムらしい。
濡れねずみのわしらにとっては敷居が高い。
オープンスペースのテーブルに陣取って、屋台のものをいただくことにする。
麺類はなかった。残念!
新米を使ったらしい海鮮チラシ寿司と、地元は中海のシジミ汁をいただく。
チラシ寿司にも小さいシジミ汁がついていたのが誤算だったが、大正解だった。
海鮮チラシとしじみ汁が大小


体が温まる。
心に灯がともる。
うまいわ~

30分以上のんびり休んで再び雨の山陰路を走り出す。

2キロ弱走ったところで、PC2のローソンに到着。
時刻は午後零時17分。
関門は午後1時40分なので1時間23分の貯金だ。
あんま稼げていないのな。
やっぱり雨がね~。


米子から境港へ向かう。
日本有数の砂州である弓ヶ浜半島を行く。
ほぼ平坦。右を見ても左を見ても山がない。
同じような道がドーンと続く。
目印がなさ過ぎて途中、曲がり忘れて1キロ以上ミスコースしてもうたわ。


境港水道を渡って、美保関へ。
境港の漁港に、マンションみたいな構造物が見える。
最近はやりの大型クルーズ船だろう。
下関でも見たし、境港でも。
地方の港を席巻しているようだ。


相変わらず小雨は続いていないけど、雲の位置が高くなり、多少遠くの見通しが効いてきた。
これは、そろそろ晴れる兆しかな。お昼も過ぎているもんな。


境水道大橋を渡る。
境水道はもはや幅の狭い海峡みたいなもんだろうと思っていたけど、調べたら実は斐伊川の河口に当たるらしい。
なので実質海なのだが、実は非常にゆったりと流れる(?)川。
たぶん、ほぼほぼ海水だけど。


その境水道を右手に見ながら、美保関灯台を目指す。
山口一周の600キロで散々走らされたあのパターンだ。
明け方の青海島は峠だらけで実につらかった。
だが島根半島東端の灯台への道のりはほぼ平坦。
これで天気さえよければ最高なのにな。


美保関の漁港を行く。
神社では結婚式をやっていた。
美保神社という由緒ある神社らしい。
小さな旅館もある。
ゆっくりとしなかったが、いい雰囲気の港町だった。


港を抜けると、最後に少しだけ上り坂があった。
上りきると、展望台に到着。
159キロ地点の通過チェックである。
通過証明になる観光案内板の写真を撮影した。
時刻は午後2時4分。
通過証明の観光案内看板と


展望台からは、離れたところにある灯台と日本海が一望できた。
これで天気さえ良ければ(以下略)
美穂関灯台を一望


降り続いてきた来た雨も、どうやら上がってきた。
なのでここで雨天装備を解除する。
上下雨具を脱ぎ、レインシューズカバーを外す。
シューズカバー下のポリ袋も取り去る。
若干、日本海からの風が冷たいが身軽になった。
ケーキさんは寒がりなので、ジャケットは着たままか。
サドルバッグに入れておいたむすびを食べ、トイレを済ませ再出発する。


美保関の港を通過する。
結婚式は終わっていた。


境港方面に戻る。
ここで誤算。再び雨雲が近づいてくる。
昼前には雨が止む予報だったのに、どうなってんのよ。
雨が降り出す。
しょうがないので道端に自転車を止め、雨具を再び着用する。
時間を無駄にしてしまった。
山陰の雨は本当にしつこい。
境水道を再び越えて、境港に戻る。

夏の300ブルベ以来の水木しげるロードは、観光客で大賑わいだった。
道端に水木しげるの漫画に登場した妖怪たちのブロンズ像が並ぶ。
境港って街の規模は浜田とかと変わらない。
でも水木しげるロードがあるだけで、にぎわいがまったく違う。
まちおこしにも色々方法があるけど、これは大成功の部類だよね。
ねずみ小僧にあいさつ。
親しみを感じる


鬼太郎ともランデブー。
おす!


にぎわう水木しげるロードに別れを告げる。

まもなく「ベタ踏み坂」こと江島大橋のたもとに到着。
車道も走れないこともないが、とにかく路肩が狭い。
通行量も多いので、多少しんどいが歩道に回る。
歩道の入口には「自転車は降りて通行してください」と看板がある。
なのでケーキさんと二人、きちんと押し歩きした。
これで二度目だが、相変わらずむっちゃ長い。
前回と比べて、昼間の景色を楽しめたのは良かった。
地元の高校生は電チャリで軽々と歩道を上って、下りていたけどね。


江島から堤防を通って大根島へ。
この界隈、ウナギ屋さんが何軒かあった。
さすが汽水湖の中海だわ。


午後4時過ぎに184キロ地点の通過チェック、大根島のセブンに到着した。
ゴールまであと17キロか。
頑張れば午後5時までにゴールし、12時間を切れるのでは。
そう考えるとなんだか俄然とやる気がわいてきた。


降り続いた雨もようやく上がってきた。
ところどころに晴れ間が見える。
まったく遅すぎるぜ山陰。


大根島から中海の堤防道路を渡って、松江へ。
小高い丘を越す。
丘を越したところにある信号に引っ掛かる。
ほぼほぼ車がこない信号で待つのはある意味苦痛でもある。
が、忍耐のひと時。
左手に宍道湖と中海を結ぶ大橋川が見えてきた。
夕日を反射して川面がオレンジ色に輝いている。


市街地に入る。
松江の街中は「どう行列」の祭り準備でにぎわっていた。
道端に倉庫があり、参加者が山車の回りに集まって祭りの準備をしている。
法被姿の男性から「頑張れー」とエールをいただき、力が湧く。
みなさんこそ頑張ってください!


信号峠に辟易しながら、ようやく宍道湖沿いに出る。
夕日が今まさに落ちんとする宍道湖。
夕日に向かって最後のスパートだ。
時刻は午後5時にだんだん近づいている。
左手にゴールのファミマ松江西浜佐陀店が見えた。
あそこじゃ!
店内に滑り込んで、ノンアルを手早くお勘定。
時刻は午後4時55分。
なんとか12時間を切った。
良かった。やり切った。


受付のイングリッシュガーデン駐車場までのんびりと。
ただいま!(撮影・AJ広島)

スマホの電池が切れていて、通過証明の写真をなかなか表示できないというおまけもありましたが、なんとか認定していただけました。
これでSRヨシ! ほっと一息ですわ。
喜色満面のオヤジたち(撮影・AJ広島)


ゴール後は松江市内のビジネスホテルに投宿。
どう行列を見たり。
松江駅前は大賑わい


大橋川沿いの店で、おでんを楽しんだりしたのであった。
うまかったわ


ほぼほぼフラットの200キロは、好天ならば大楽勝なのだろうけど、そこは天の配剤。
山陰ならではの雨のスパイスが効くことで、難易度がぐっと増した。
体感とすれば、倍ぐらいだろうか(異論は認める)
ちなみにSTRAVAのデータです。

ともかく、AJ広島のみなさん。
おもつらい一日をありがとうございました!
来シーズンも、まだ見ぬ道との出合いを楽しみにしております!
さあ次はどこへ走ろうか。

おわり