2019年6月12日水曜日

BRM511広島600km Around Yamaguchi その6 みんな疲れてみんないい編

午前1時半過ぎ、324キロ地点、長門市油谷町のコインランドリー。
素晴らしいベンチシートがわしたちを歓迎する。
乾燥機でジャージとシャツ類を乾かそう。
すり減ったオヤジ

200円投入。
これで20分待たないといけない。
カラン、カランと音を立てて回り始める乾燥機。


目をつぶりしばしあちらの世界へ旅立つ。
音が気になるが、気にしない。
カラン、コラン、カラン、カラン、コロン。
ジャージのファスナーでも当たっているのかな。
・・・・・
戦士の休息。長椅子は天国


200円分の乾燥が終わり、乾燥機がピーと鳴いた。
ふたを開ける。
なにかが乾燥機の中に。
あ、オークリーの交換レンズ。
しかも度付きのやつ。
プラスチックのレンズを乾燥機にかけてしまった・・・
ジャージの後ろポケットに入れたままだった。
熱でゆがんだり、コーティングが剥がれたりしてないか。
やばいかも・・
気づいてしまったけど、気づかなかったことにして、レンズをしまう。
今ここで騒いでも事態が改善するわけでもなし。


メリノウールの長袖シャツを着る。
ほっこりとぬくいのが気持ちいいけど、乾燥機にかけたせいかサイズが心なしか小さくなった気もする。
まあ追及しないでおこうか。ハハハ。ハァ。(*´Д`)


ちなみにオークリーのレンズ、後日チェックしたのですが、縁が少し剥がれたぐらいで使用に支障ありませんでした。よかった (^^;


午前2時過ぎ、出発する。
30分は休んだ。
しかしこの時間帯は本当に厳しい。
休んでも休んでも休み足りない。
しかし休んだら前へ進めない。
実に悩ましい。
そして肉体的なパフォーマンスも激落ち君である。
頑張って足をまわしているつもりなのに、20キロちょろちょろがやっと。
なんと情けない。


深夜の国道191号をひたすら東へ進む。
油谷から日置へ。
天体観測ドームがある学校のそばを通る。
小学校らしいのだけど、立派だよなあ。


長門市の市街地に向かう丘を行く。
ん?
道の向こうからロードバイクの集団が近づいてきた。
ブルベエご用達のベストも着用している。
4人組でうち一人は現場のプロが着る点滅LED付きのベストだったような。
こんな時間に何で?
って思ったけど、それはこっちも同じことか。
ほんとに一瞬の出来事。
幻のような時間だった。


帰宅後、調べてみたけど、同時期にほかのブルベは開催されていなかった。
一体なんだったのだろう。あのトレインは。


191号を外れて長門市街地に入る。
仙崎駅に明かりがともっている。
休みたいけど、さっき休んだばかり。
突き当りを左折すると眼前に仙崎漁港。
暗くてよくはわからないけど。


シャッターを下ろした土産物店やかまぼこ店などがぽつぽつと並ぶ。
右の海側には道の駅やら漁港やらが。
まもなく正面に大きな橋が現れた。
青海島へ架かる青海大橋だ。
結構、傾斜がきつい。


上りきって橋を渡ると、青海島に上陸した。
事前に聞いていた通り、アップダウンがかなりきつい。
島の先端に近い場所まで行って引き返さないといけない。
今回、上関の長島や笠戸島、粭島でも同じパターンがあった。
今回のブルべ、当初は周防大島を一周する予定だった。
が、昨年の船の衝突事故で大島大橋が事実上の自転車通行止め状態に。
周防大島のかわりに島々を回るコースに変更したそうな。


理由は納得できるのだが、しんどいのには変わりない。
時折、先行するランドヌールたちとすれ違う。
お互いエールを送る。
すれ違うのがうれしくもあり、悔しくもある。
わしらと彼らはこうも引き離されているのかと。
羨望と絶望のまなざし。


小さな峠を越えたら、道は海岸線に出る。
ややフラット。
この辺で胃の調子がおかしくなってきた。
なんだか妙に吐き気がする。
飲み物を飲むとしばらく収まるが、まもなく再発する。
どうやら胃の中に食べ物が入っていなかったようだ。
補給が足りてなかったようだ。


上り坂の手前で思わず足を止めた。
酸っぱいものがこみ上げてくる。
戻そうとするが何も出てこない。
飲み物とちょっと補給食を口に入れたか。
なんとか収まったので、再び走りだす。
ふうう。


島内のアップダウンをこなす。
ノダカナらしき人物とすれ違う。
一体どのくらい離されているのだろう。
ほんとよく頑張るな。


島の入口から何キロ走ったのだろう。
港が見えてきた。
午前3時45分、347キロ地点のフォトチェック青海島のくじら資料館に到着した。
くじらの鎮魂碑の前で撮影を済ませる。
くじらのしっぽが見えるかな


フロントバッグに入れておいたコンビニおにぎりをほおばる。
おなかに固形物が入ったせいか、むかつきは収まった。
また眠たくなってきたのだが、話に聞いていた仮眠ポイントは見当たらない。
しょうがないので青海島を引き返していく。
またもアップダウン。
この時間帯には厳しい。


ここ長門は金子みすゞの故郷だったね。
みんな疲れてみんないい。
みんな眠くてみんないい。


あかん、もう眠たい。
左手にバス停が見えた。
ケーキさんに合図して停車する。
「少し休みますか」
「え、どこで?」
「君の後ろにあるバス停で」
「あ、ほんまじゃ!」


どうやらケーキさんもたいがいらしい。
二人してバス停のベンチに腰掛け、一休みする。
おやすみなさい・・・
・・・・・
10分ぐらいの小休止。
だが空を見上げると、そろそろ群青色に変わってきた。
朝が近づいている。


走り出す。
長かった青海島が終わる。
橋を駆け降りる。
左手が海側、東の空。
次第に明るくなっている。
長かった夜が終わり、朝へ。
相変わらずパフォーマンスはどん底だが。


長門市の市街地を外れ、東へ。
すっかり空が白んできた田舎道を行く。
家が次第に少なくなり、見覚えのある田園地帯に入る。
補給したいところだが、ルート上にコンビニはない。


行く先を山塊が遮る。
来たな。鎖峠だ。
萩からは何回か越えたことはあるが、長門側からは初めて。
標高は230メートルで大したことないけど、ほぼゼロメートルからだからね。
平地でもがんばっても20キロぐらいしか出せない身にとっては厳しい。


上りが始まる。
決してきつい傾斜ではないけど、ダラダラと続く。
心理的にはいつまでも終わりそうにない。
いやはやまいったな、これは。
トンネルをいくつか抜ける。
上り続けること延々30分。
体感的にはもっと長かった。
午前6時前の鎖峠


午前5時55分、ようやく標高230メートルのピークに。
萩市に入る。
しばらく下る。
道端からサルの群れが現れた。
結構な数。


そして下りばっかりかと思いきや、上り返しが。
萩から上るときに、地味にだまされるのよね。これ。
ワレワレハ中盤の難所を突破した!


橋本川を渡ると、萩の市街地。
昨年の400で夕食を食べたすき家に寄ろう!
と思ったら、朝早くてまだ開いてない。
ここは24時間じゃないのか!
労働力不足に悩む日本社会の何かがわしらを直撃した。


仕方ないので、前へ前へ。
落ち着いた街並みの中を抜ける。
セブンがあったので休もうかと思っていたら、
どうやらオンルート上のすぐ近くにジョイフルさまがいらっしゃるらしい。
やった!まじ!


午前6時半過ぎ、出発から387キロ(Edge520調べ)地点のジョイフル萩店にピットインしたのだった…。
24時間営業ありがとうございます

つづく

2019年6月9日日曜日

BRM511広島600km Around Yamaguchi その5 漆黒の北浦街道編

魂がだいぶん抜けている(撮影・AJ広島のゆかいな仲間たち)

午後8時26分、248.1キロ地点のPC2セブンイレブン下関彦島水門店に到着。
平坦基調とはいえ、この距離を走るとさすがに楽ではない。


今回のブルべで、数少ないPCのうちの一つ。
AJ広島のスタッフが出迎えてくれた。
心遣いがうれしい。
向かいのジョイフルのレシートでもOKだけど、わしらはセブンのものを取得。
ジョイフルでランチしたしね~。
ここのクローズは午後11時32分なので貯金は3時間とちょっと。


増えもしないが、減りもしない。
補給を済ませて20分ほどで再出発した。
いってきま~ス(撮影・AJ広島のゆかいな仲間たち)


さあここからが本格的なナイトライドだ。
まずは丘を越えて、彦島バイパスへ。
これまた自動車専用道と間違えるような片側2車線のバイパスだ。
夜なので交通量はさほどでもない。
見通しのいいほぼ直線路だ。
この日は夜になっても晴天が続いた。
雨が降らないだけでありがたい。


国道191号に合流。
今度は海岸沿いの別のバイパスを行く。
ひたすら距離を稼いでいく。


やがて立派なバイパスは終わり、普通の郊外の国道になる。
左手には付かず離れずの距離を取り、山陰線が並走している。
しばらく我慢の時間帯。
気温も徐々に下がってきた。


田園地帯を抜け、建物が増えてきた。
下関市豊浦町だ。
右手にはローソン。
距離は275キロ。
時刻は午後10時過ぎ。
少し休もう。
休憩だ


サドルバッグから冬用のレッグカバーを取り出して着用する。
太ももを露出しないと履けないので、建物脇に隠れる。
肌寒くなってきたので、薄手のウインドブレイカーも羽織る。
このレッグカバー、ゴールまで履きっぱなしでした


ここで一緒になった彼からタバコを恵んでもらうケーキさん。
喫煙者同士の妙な連帯感ってあるのね。
ケーキさんの視線はタバコへ

ここで暖かいものを食べた気がするのだけど、よく覚えていない。
着替えたりしたので随分と休んでしまった。
尻に根が生える前に動かないと。


再び北へ、北へ。
瓦そばで有名な川棚温泉を過ぎ、小串へ。


やがて道は海岸沿いに出る。
右手は山。
左手は山陰線の向こうに響灘が広がる。
月齢6の下弦の月が空の半ばにぶら下がっている。
水平線から下の海は月の光を浴びて、ちらちらと綾織のように細かくきらめく。
スマホのカメラでは切り取れない情景だ。


道の先には、小さな街灯が見え、わしらの行く先を示す。
無心になって走る時間。


だが、なかなか次の目的地である角島大橋が近づかない。
角島大橋ってこうも遠かったっけ。
時刻は11時過ぎ。
眠気が迫ってくる。


「道の駅北浦街道ほうほく●キロ」という看板がある。
そうそう角島の手前に道の駅があるんだよ。
なんとかそこまで耐えよう。


左手に道の駅発見!
ケーキさんと滑り込む。
午後11時半、出発から約300キロ地点。


四方を囲まれたスペースではないけどベンチがある。
暖かくはないが昨年秋のアラウンド広島ほど、寒くて耐えられないほどでもない。
ここでいいや。
すごく人気ある道の駅らしいよ。昼間は

横になる。
目をつむる。
おやすみなさい・・・
...


起きる。
少しだけ復活する。
もっと寝たいのは山々だけど。
ホットドリンクに癒される


暖かい飲み物をいただく
結局、30分間休んだだけで再出発した。
調べてみると、この道の駅たいそう人気があるようで。
角島の眺めがよかったり、イカの活け造りとか新鮮な魚介類を楽しめたり。
深夜、日付が変わるころにくる場所じゃないね。全く。


191号から角島大橋への道はアップダウンが多い。
いつも日が暮れてからしか走ったことがないわしら。
いつかゆっくりと明るいうちに走って、道の駅でうまいもんでも食べたいものだ。


過去何回かのブルベでおなじみの風景。
妙に立派なバス停のそばを通って、角島大橋のたもとにたどり着いた。
角島大橋に到着


角島大橋の向こうには沈みゆく月が。
たちまちフォトチェック用の証明写真を撮る。
フォトチェックのミッション完了!


周囲にはだれもいない。
用事がすめば立ち去るだけ。
今回のアラヤマのほぼ折り返し点だ。
山口県のほぼ西北端。


いつもの道を通って、国道191号に戻る。
合流点にあるローソンは今回は通過した。


だいぶん冷え込んできた。
道端に自転車を止める。
冷えてきた
防寒用のレインジャケットに着替え、レインパンツを履く。
モンベルさんお世話になります


いつものアップダウンをこなして、長門へ向かう。
時折ある下り坂もフル装備なので寒くない。
ケーキさんはレインパンツを積んでいたなかったので寒い思いをしたようだ。
備えあればうれしいな。


眠気の波状攻撃が、わしらを襲う。
やれん。
長門の手前にちょうどいいコインランドリーがあるとの情報を得ていたので、そこに滑り込む。
午前1時半過ぎ、324キロ地点。
まだまだ旅は終わらない。

長くなってきたので、つづく