2017年9月12日火曜日

TBC三江線お別れ輪行ツアー その2


天空の駅「宇都井」

午前8時前、天空の駅「宇都井(うずい)」に到着したTBCの一行。
おお、改めて見ると、やっぱ高い。
駅のホームの場所は高さ20メートルにあり、日本一だそうな。
ホームにたどり着くには、116段もの階段を上らなくてはならない。
エレベーターはない。まじか。
そびえる階段棟。
既視感ありすぎ


なんか既視感があるぞ、この構造。
そう昭和年代に数多く建てられた公営住宅の階段そのものじゃないか。
3、4階建ての住宅からそのまま階段を抜いて、鉄道の高架に取り付けたって風情なのだ。


という訳で階段を上る。
なぜか自転車を背負っている。
よいしょ、よいしょ(撮影・管理人さん)

記念撮影のためならしょうがないではないか。
階段の壁には、地元の子どもたちの「あと●段」という激励メッセージが貼られていて、和む。

ぐるぐると階段棟を回って、ホームに到達した。
眼下に広がる、谷間の山里の風景。
高架の下に巣でも作っているのか、ツバメが足元を頻繁に飛び交う。
次に三江線が来るのは午前8時14分、三次行きだ。
20分近く待たないといけない。
撮る人を撮る

けつが汚れている?(撮影・管理人さん)


あれこれgdgdしていると、時間は過ぎる。
と、江津側のトンネルから風が吹き出してきた。
トンネル出口の木々が揺れる。
来たよ!

にわか撮り鉄の人たち

三江線がやってきた!
なんと2両編成の列車じゃないか。
結構、人乗ってますね

一日4便しかないですもんね。


江津から三次まで、三江線全線を通しで走る貴重な便だけに、お客さんが多い。
たぶんほとんど乗り鉄の男性。
サイクルジャージ姿のわしらがホームにいるのを怪訝そうな表情で眺めている。
手を振ってみるけど、応えてくれる人はいない。
わかるぜ。みんなシャイなんだな。
誰一人乗ることも下りることもなく、列車は動きだす。
さよーならー。




務めを果たし、地上に戻る。
階段大変。
でもいい経験だった。
よいしょ、よいしょ、再び(撮影・管理人さん


再び走り始める。
次の目的地は道の駅グリーンロード大和だ。


緑濃い旧道をしばらく走り、国道375号に合流。
ここからは快走路だ。
また鉄橋をくぐる


20分ほど走って、8時40分ごろに道の駅に到着!
と、駐車場の奥にテントが設置されていて、手招きする人が。

「こっちですよ~」
そういや今日、この界隈でやまなみ街道クライムライドというイベントがあったんだった。
「いやいやぼくらは違うんで。江津まで走るんです」と事情を説明。
「頑張ってね。次はよろしくね~」と笑顔で送り出してもらったのだった。
いずみんの本領発揮はまだまだ(撮影・管理人さん)

ほな行ってきまーす(撮影・管理人さん)


そして管理人さんともここでお別れだ。
確かに管理人さんのカメラによると、わしたちが出発してから10分も経たないうちにイベントの参加者が到着したようで。
そりゃ間違えるわいな(^_^)


まだまだ続く江の川。
浜原ダムの湛水部が始まる。
江の川は橋が多い

ダムの湛水部が始まる。水多いね

快走は続く


いんちょさんのペースも上々。
30キロ台の快速トレインが続く。
小高い場所へ。


ここからの景色が素晴らしい。
山の緑と、空と川の青と、民家の屋根に葺かれた石州瓦の赤褐色。
コントラストが実に鮮やかだ。
ビューチホー


トンネルを抜けると、粕渕へ。
いつものローソン・ポプラに滑り込む。
ここまでで約60キロ。
おっくん登場!


自転車を停めて一休みする。
どうやら、おっくんはここから合流して自転車に乗るみたい。
補給をとってのんびりしていた、わしたち。
ふと時計を見ると9時半過ぎ。


まだ江津まで50キロはある。
そういえば11時半には現地に到着の予定。
あと2時間。そろそろ出ないとやばくね。
どうやら宇都井駅に寄り道したのが響いて、時間が押してきたらしい。
行きますか!


粕渕から川本方面へ。
道は国道375号を離れ、県道を行く。
県道へ


朝方の曇天がうそのような晴天。
気温も30度前後に上がり、厳しい条件になってきた。
日差し強い


当初はわしとおっくん、オレンジさんの3人が先行。
時速20キロ台後半のゆっくりペースで走っていた。
が、まもなく後方から、いんちょさんたちが猛追しパスしていく。
わしも頑張って、いんちょさんトレインに追随する。


暑さとあいまってか、心拍数が上昇。
140~150前後で推移している。
さっきまでが120~130前後だったので、結構しんどい。


ただ県道なので時折、道が狭くなるのが救い。
スピードダウンして脚を休めることができる。
おや前方にカメラを構えた男性が。
後半のサポートを担当してくれる仙人さんだ!
道狭い。車の人ありがとう(撮影・仙人さん)


写真ありがとうございます!
いやあ元気でるなあ。


川本の街に入る。石見グランフォンドで見覚えがある。
いい雰囲気の街並みだ。
日陰があると休まる。
川本の街並み

再び始まる快走路。
いんちょトレインはさらに加速。
35キロ以上の高速巡航となる。
うわ~。まじか~。
顔で笑って、脚も笑って(撮影・仙人さん)

心拍は150を超え、160も超える。
なんとか付いていくが、これはきつい。
ゼーゼーハーハー。
どきどきどき。
胸のときめきが収まる時がない。


気温も30度をオーバー。
江津まで26キロか。
そろそろ飲み物休憩にしますか。
江津まで26キロ。半分来た。


右手に赤い物体が見える。
自販機だ!
日本の田舎道って素晴らしい。
木陰でひと息つくわしたち。
ロボコンじゃなくて良かった

木陰がうれしい


仙人さんとも改めてごあいさつ。
まもなく、おっくんとオレンジさんの第2陣も到着した。
仙人さん乙です


さて、ここでおっくんの装備を拝見しよう。
おお、アピデュラのサドルバッグとフレームバッグじゃないですか。
フレームサイズがでかいから、余裕ですね。
クロモリフレーム。シュッとしている(撮影・仙人さん)

これ余裕で2泊3日走れるやつ。
一体何を入れているのだろう。
夢と希望とロマンかな?
さあ行きますか(撮影・仙人さん)


10分ほど休んで、冷たい飲み物を飲む。
じゃあ行ってきま~す!
頑張るか!(撮影・仙人さん)

道は続く(撮影・仙人さん)


つづく。

2017年9月11日月曜日

TBC三江線お別れ輪行ツアー その1

まだまだ暑さの厳しかった8月20日(日)。
来春にも廃止が予定されている三江線を、輪行で楽しもうというライドに参加してきた。
今回は三次のTBCさんからのお誘い。
きっとgdgdなライドに違いないと、のんびりとした気分で参加したら大間違いだった (^-^;


午前3時半に起床。
夜勤の日なら就寝時間だ(^^;)
霧に煙る中国道を走って、三次は馬洗川の河川敷に駐車する。
時間は5時半過ぎ。
午前6時集合なので、まだだれも来ていない。
ウノさんの準備をしていると、お初のオレンジさんやツアーの呼び掛け人となるいんちょさん、いずみん、ホリさんが次々と登場。
まもなくカメラマンとして、ツアー前半の目配りを担当する管理人さんもやってきた。

おはようございます。
今回は全コースでサポートカーが付くという贅沢さ。
さすがTBCじゃ。
サービス精神が素晴らしい。
真ん中のコンテナに入れとくと、車で手荷物を運んでくれるとか。
真ん中のコンテナボックスに入れるんだ!(撮影・管理人さん)

これはありがたい。
わしは輪行袋をお願いした。
Raphaのビドンってキャメルバックなのね~


水を忘れたとかで、その辺のホースから補給するいずみん。
お茶目な女性である。
行ってきま~す(撮影・管理人さん)


という訳で走り始める。
前夜は花火大会があったらしく、朝早くから清掃の市民が多くいらっしゃる。
お疲れでございます。
巴橋見えた


三次のシンボル巴橋を渡り、右手にあるセブンイレブンに入る。
BRM722でPC3に使われたセブンね。
まずは出発前の補給である。


6時20分過ぎ、本格的に三次をスタート!
まずはジモティー専用の川沿いの裏道を通る。
裏道を行く

国道54号に出て、国道375号に左折。
江の川沿い、下り基調の平坦路が始まる。
今のところ曇り。
山には霧か雲がかかっている。
ガーミンによると気温は20度前後。
ずっとこれくらいなら走りやすいのだけど。


先頭を引くのは、ツアー発起人のいんちょさん。
すっかり色づいた田んぼの中を時速30キロ前後で進んでいく。
ブルベでは、25キロ前後の省エネ走法を心がけているわし。
それと比べると、かなりのハイペースだ。
大丈夫かわし。
黄金色の稲。沿岸部より実りが早い


わしは2番手。
後ろにカペルのジャージがおしゃれなホリさん、いずみん、オレンジさんが続く。
快調!いんちょさんトレイン(撮影・管理人さん)

後ろから軽ワゴンが抜いていく。
管理人さんか。お疲れ様です。


出発して1時間ちょっと。
21キロ地点の川の駅常淸に到着した。
川の駅に到着!(撮影・管理人さん)


我々を待っていたのは、おっくん!
しかも車で。
あれ走らないのかな。
その謎はもうちょっと先の粕淵で分かることになる。
おっくん(右端)自転車っぽい格好だけど(撮影・管理人さん)


10分ちょっと休んで、走り始める。
まだ時間はあるようなので、天空の駅として有名な「宇都井(うずい)」を目指すことにする。
石見グランフォンドでそばを走ったことはあるが、まだじっくり訪ねたことはない。
これは楽しみじゃ。


暖機運転が済んだのか、いんちょさんのペースが上がる。
下り基調の平坦路を30キロオーバーで巡航する。
いやあ気持ちいい。


まもなく島根県境のトンネル群への上りに差し掛かる。
で、ここで一つミスが。
本来なら上りの前に、375号を外れ、川沿いに進まなくてはならなかったのだが、見落としていたのだ。
トンネルを二つほど通過したところで気づく。
幸い国道から川沿いに抜けられる道があった。
下る。
早く気づいて良かった。


集落を抜け、江の川沿いに戻る。
気づいてよかったわ~。

ホリさん(左)といずみん

川沿いの旧道はただでさえ少ない通行量が、さらに減り、ほとんど貸し切り状態に。
と思ったら、道ばたにイノシシが。
驚かしてすんません(^^;)
緑に囲まれた気持ちのいい道だ。


頭上に三江線の鉄橋が通る。
かなり高い場所だ。
頭上に鉄橋

走るいずみん。手足が長いのでかっこいい。

ということは駅が近いな。
しばらく行くと、対岸へ渡る橋が。
車が何台か停まり、撮り鉄らしき人々が三脚に長玉を付けたカメラをセットしている。
ああ、鉄橋を通過する車両を撮るんだね。


橋を渡る。
管理人さんが先回りして待ち受けていた。
お待たせ~(撮影・管理人さん)


そして、出発から34.5キロ。
午前8時前、天空の駅「宇都井」に到着したのだった。
宇都井駅に到着


つづく

2017年9月9日土曜日

熊との遭遇

ある日、森の中、熊に出遭った。


人生で初めて野生の熊を目撃した。
8月31日のことだ。
場所は戸河内から恐羅漢山に抜ける内黒峠。
西中国山地のど真ん中だ。
標高1000メートル近い広島県内有数の峠である。
そこで遭ったのだった。


久しぶりの休み。
折角なら涼しい山沿いを走りたい。
午後イチに自宅から車で出て、戸河内の道の駅に車をデポ。
2時半から走り始めた。


今回の目的地は内黒峠経由の恐羅漢山。
その後は、横川川沿いに下り、国道191号へ合流する予定だ。
車では、はるか昔に通ったことはあるが、自転車では初めて。
実に楽しみだ。


戸河内の街を過ぎ、橋を渡ると上りが始まる。
渓流を横目に、結構な斜度の上りが続く。
ガーミンが斜度10%以上を示す。
足だけは付かないように、ゆっくりと慎重にペダルを回す。
速度は当然10キロ以下。
というか6~7キロ。
遅いと何が起きるか。
虫が寄ってくるのである。
顔の回りを、目つぶしくんが飛び回るのである。
手を振り回して、追い払おうとするが、まったくひるんではくれない。
いつも思うのだが、奴らは何が目的なのだろうか。
やっぱ吸血なのかな~。
アブの季節は過ぎていたのが幸いだった。
奴らに刺されると痛いし、腫れるしとろくなことがないからね。
しばらくは奴らとのバトルが続いた。


道路脇には渓流がある。
落差が大きいので、滝やら落ち込みばっかりである。
しばらく上る。


谷筋が終わり、大きなカーブに差し掛かった。
木が伐採してあり、見通しがいい。


て、まだ恐羅漢山まで7キロ以上もあるのか。
山肌を巻くようにして上っていく。
次第に景色が開けてきた。


稜線が近づいてきたのか。
風が涼しい。
目つぶしも姿を消した。
斜度も気持ち緩やかになったかな。


そしていくつ目かの右カーブを曲がった先に。
やつが見えた。
黒っぽい獣。
四つん這いで、ずんぐりとした体型だ。
一見大きな犬。
でもがっしりしている。
猪とは体型が違う。
熊か!


こちらには気付いていないようだ。
いったん自転車をくるりと引き返す。
一息ついて、スマホを取り出し、カメラモードにする。
意を決し、再び進み始める。
熊が見えた。
と、思ったら熊もわしに気付いたのか、きびすを返して、向こうにダッシュ。
ガードレールの下をくぐって、木々の中に紛れてしまった。
しばらくはガサガサという音が聞こえていたが、やがて消えた。


かろうじて2枚シャッターを切ったか。
そのうちの1枚がこれ。


アップにすると熊と分かってもらえるかな?
足の裏の肉球がくっきりと見える。


もう1枚には写ってないか。


しかし驚いた。
今まで、西中国山地を渓流釣りやらキャンプやらサイクリングやらでウロウロしてきたけど、熊には初めて出遭った。
車と違って、自転車は走行音が小さいので、相手に気付かれにくかったのか。
理由はわからないけど、実に得難い体験だった。


その後は内黒峠を無事越えた。
後ろからバイクが一台抜いていったけど、何も見なかったのだろうね。



下っていく。
半袖なので、むっちゃ涼しい。
山の中を甘く見ていました。


と、進行方向に恐羅漢山のゲレンデが見える。
どこまでも深い森の中に、突如現れる人工的な風景。
勝手なんだけど、なんか安心できる風景だな。


荒れた道を下っていくと、恐羅漢山への分かれに出る。
スキー場の車庫がある。
だが、ここまで来たら満足したので右折する。



ここからは基本2車線の走りやすい道路が続く。
遠回りになるけど、冬場のスキー場へは絶対こっちの道が楽だわ~~。
断言できる。


というか十数年以上前に走った時は、この辺りダートだったような気もするのだが。
当時はどうやったんだろ?


道を下っていく。
川沿いからちょっと離れる。


こんな辺鄙な場所にトンネルが現れた。
横川トンネルというらしい。
長さは900メートル以上あるとか。
ただでさえ涼しいのにトンネルに入ると一段、涼しかった。


トンネルを抜けてからは再び上り。
餅ノ木峠(770メートル)を越える。

しばらく下ると、三段峡の上流に当たる柴木川に出合う。
観光用なのか、この谷は滝や渕の名前を示す看板がやたらと多い。
夫婦淵やら夫婦滝やら名前が付いている。


だらだらと上がっていく。
小腹が減ってきたので、補給食をmgmgしながら上る。
ようやく国道191号に合流。
見慣れた風景に出合うと安心した。


ここからはいつもの道を戸河内方面へ。
途中、深入山を眺めた。


虫の木峠からは一気のダウンヒル。
5時半には戸河内の道の駅に戻ったのだった。
わずか3時間50キロのライドだったけど、秋の訪れと熊に遭遇するという得難い体験をした一日だった。

(おわり)