2021年1月14日木曜日

BRM1024‌呉・‌高‌知‌600km‌ ‌そ‌の‌‌6 ‌「坊ちゃん」の時代

どうも、たっかんです。

2021年になりましたね。

コロナ禍の収束が相変わらず見えません。

一応エントリーしていたBRM110は延期になりました。

もっとも実施していても寒波でDNSだったかもしれませんが。


ということで、600ブルべの振り返りを続けます。

25日午後5時40分、526キロ地点のPC7道の駅日吉夢番地に到着です。


愛媛県鬼北町ということで、大変セクシーな鬼ママがお出迎えしてくれた。

詳細はググれば分かるので書かないが、大変力の入った造形でさすが海洋堂。

ライトアップされた白いおみ足が美しい。

フォトチェックなので、自転車と一緒に記念撮影。


白いふくらはぎが美しい


想定締め切り時間は、午後7時6分なので貯金は1時間26分に縮まった。

PC6の宿毛が2時間19分だったので、1時間以上浪費したことになる。

残り80キロちょっとなので、6時間もあれば大丈夫な気もする。

多分完走はできるだろうけど痛む足をかばって、どこまでいけるか。


疲れ果てたおぢさん


夜の帳が下りてきた国道197号を北へと走りだす。

道の駅から少し走ると小さな峠。

理論上はここから内子町までしばらく下りが続くはずだ。


緩い下り坂をしばし進む。

左手にYショップが見えた。

補給しよう。

止まると、K代表たちがいた。

あれ、もっと先に行ったと思っていたのに。

ちょっと安心する。


店の光が温かい

午後5時57分、パンとおにぎり2個、ドリンクを購入する。

わしが補給している間にK代表は出発していった。


走りだす。

川沿いのなだからな道を下っていく。

川はいくつかの支流を束ね「肱川あらし」で知られる「肱川」と名前を変える。


ダム湖とトンネルが続く。

下り基調なので、何回かペダリングすると痛む右足を休めるために足を止める。

だけど、空走すると自転車からハム音がするので、再び足を回す。

休めないじゃん。


そしてトンネルが続く単調な景色も地味に心を蝕んでくる。

寒さはさほどでもなかったような気がするが、よく覚えていない。

いや寒かったかも。

この界隈、今思うと実に厳しい状況だった。


ようやくダム湖の連続が終わった。

肱川をそのまま下らずに右折する。

支流の小田川沿いを川上の内子町に向けて走っていく。


両側に迫る山。

見上げれば星が瞬いている。

道は行き交う自動車もまばら。

我慢の時間が続く。


両側の山が遠くなり、少し開けてきた。

内子の街だ。

以前、1000ブルべの下見で通過したことがある。


そろそろ午後8時。

ガーミンによると走行距離は566km。

あと約50キロ。

元気ならなんてことはない距離だが、疲れ果てたズタボロにはしんどい。

それに眠気も襲ってきた。


小田川沿いに観光案内所のような年季の入った建物があった。

誰もいないようだが、室内には入れる。

これはありがたい。

この時期、風が直接当たらないだけで違うのだ。

お邪魔します。

内部は休憩所のようになっていて、なんとベンチもある。

すみません、少しだけ休ませてくださいな。

横になってしばし気を失う。

目を覚ます。

15分ほど休んだようだ。


午後8時。

頭がしゃきっとした。

クローズまで残り4時間。

たぶんこれが最後の休憩になる。


ここから50キロ走って標高270メートルちょっとの峠を一つ越えればいいだけ。

それだけの簡単なお仕事のはずだが・・・。


ここまで来て後ろに戻る選択肢はない。

リタイアするにしても、松山まで行かないといけない。

しんどくても前に進むしかない。


再び夜の田舎町に漕ぎだす。

古い街並みを過ぎる。

道端の自販機で補給する。


570キロ地点を過ぎる。

貯金は1時間45分。

下り基調だったので少し盛り返せた。


内子からは国道56号を犬寄峠に向けて川沿いに上っていく。

相変わらず右足のアキレス腱は痛い。

何回かペダリングし、スピードに乗ったら足を止めて空走するのを繰り返す。

ひたすら繰り返す。

道はじわじわと上っていく。

暗闇の中で、同じ景色が繰り返していく。

ガーミンの距離計が数を積み重ねている。

なので、いくばくかは前に進んでいるのだろうけど、実感できない。

eTrexの高度計を見れば、標高を稼いでいるのは分かるのだが、そのペースは遅い。

ただただ、ひたすら苦行の時間が続く。


事前学習によれば、峠周辺には色々と道の駅やらドライブインやらがあって、そこそこにぎわっている感じだった。

なので、左右に建物やら駐車場やらが出てきたので、そろそろかと思いきやまだピークがこない。

でもしょうがないのでペダルを回す。


やがて夜空が広くなり、道が緩やかになった。

どうやら峠が終わったらしい。

安堵する。


下り坂が始まる。

トンネルをいくつか抜ける。

右下に鉄路があるのか、列車が走っているのが見える。

いくつかのカーブを曲がる。

坂が終わった。

ようやく。


見覚えのある景色。

1000ブルベで敗退したときに見た風景だ。


見上げると、標識がある。

午後10時過ぎ。

「松山10キロ」

ふぉおおおおお。

帰ってきた。

ようやく。


この看板はうれしかった

もう松山市中心部まであと10キロちょっと。

30分ぐらいで着くやん。

達成感が身体を満たす。

両手を振り上げて、勝利の雄たけびを上げた。

ようやく。

ようやっと。

一足早いが充足感が体中を満たす。


あとはゴールするだけ。

と思っていたら、ここからが長かった。


片側2車線のバイパスは信号峠が続く。

ストップ&ゴーの繰り返しである。

右足を傷めたわしには極めてつらい。

ビンディングを外して、着けて、体重をかけて漕ぎ出す。

その作業がたまらなくつらい。


あああ、せっかくの平地なのに。

楽なはずなのに。

ブルベって奴はどこまで苦労を強いるのか。


見慣れた景色の中を、のろのろと進む。

そして、そして。

ついに道後温泉の街並みが眼前に。


ゴォォォォール!!!!!

「坊ちゃん」の時代じゃなくて「坊ちゃん」からくり時計だ!(タイトル回収)

ちなみに「坊っちゃん」の時代ってのは、関川夏央と谷口ジローの漫画のことね。

みんな知ってるよね。名作だもん。


25日午後11時5分。

わしはついに609キロ地点のゴールに到着したのだった。


もう少し続く。

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