どうも、たっかんです。
2021年になりましたね。
コロナ禍の収束が相変わらず見えません。
一応エントリーしていたBRM110は延期になりました。
もっとも実施していても寒波でDNSだったかもしれませんが。
ということで、600ブルべの振り返りを続けます。
25日午後5時40分、526キロ地点のPC7道の駅日吉夢番地に到着です。
愛媛県鬼北町ということで、大変セクシーな鬼ママがお出迎えしてくれた。
詳細はググれば分かるので書かないが、大変力の入った造形でさすが海洋堂。
ライトアップされた白いおみ足が美しい。
フォトチェックなので、自転車と一緒に記念撮影。
白いふくらはぎが美しい |
想定締め切り時間は、午後7時6分なので貯金は1時間26分に縮まった。
PC6の宿毛が2時間19分だったので、1時間以上浪費したことになる。
残り80キロちょっとなので、6時間もあれば大丈夫な気もする。
多分完走はできるだろうけど痛む足をかばって、どこまでいけるか。
疲れ果てたおぢさん |
夜の帳が下りてきた国道197号を北へと走りだす。
道の駅から少し走ると小さな峠。
理論上はここから内子町までしばらく下りが続くはずだ。
緩い下り坂をしばし進む。
左手にYショップが見えた。
補給しよう。
止まると、K代表たちがいた。
あれ、もっと先に行ったと思っていたのに。
ちょっと安心する。
店の光が温かい |
午後5時57分、パンとおにぎり2個、ドリンクを購入する。
わしが補給している間にK代表は出発していった。
走りだす。
川沿いのなだからな道を下っていく。
川はいくつかの支流を束ね「肱川あらし」で知られる「肱川」と名前を変える。
ダム湖とトンネルが続く。
下り基調なので、何回かペダリングすると痛む右足を休めるために足を止める。
だけど、空走すると自転車からハム音がするので、再び足を回す。
休めないじゃん。
そしてトンネルが続く単調な景色も地味に心を蝕んでくる。
寒さはさほどでもなかったような気がするが、よく覚えていない。
いや寒かったかも。
この界隈、今思うと実に厳しい状況だった。
ようやくダム湖の連続が終わった。
肱川をそのまま下らずに右折する。
支流の小田川沿いを川上の内子町に向けて走っていく。
両側に迫る山。
見上げれば星が瞬いている。
道は行き交う自動車もまばら。
我慢の時間が続く。
両側の山が遠くなり、少し開けてきた。
内子の街だ。
以前、1000ブルべの下見で通過したことがある。
そろそろ午後8時。
ガーミンによると走行距離は566km。
あと約50キロ。
元気ならなんてことはない距離だが、疲れ果てたズタボロにはしんどい。
それに眠気も襲ってきた。
小田川沿いに観光案内所のような年季の入った建物があった。
誰もいないようだが、室内には入れる。
これはありがたい。
この時期、風が直接当たらないだけで違うのだ。
お邪魔します。
内部は休憩所のようになっていて、なんとベンチもある。
すみません、少しだけ休ませてくださいな。
横になってしばし気を失う。
目を覚ます。
15分ほど休んだようだ。
午後8時。
頭がしゃきっとした。
クローズまで残り4時間。
たぶんこれが最後の休憩になる。
ここから50キロ走って標高270メートルちょっとの峠を一つ越えればいいだけ。
それだけの簡単なお仕事のはずだが・・・。
ここまで来て後ろに戻る選択肢はない。
リタイアするにしても、松山まで行かないといけない。
しんどくても前に進むしかない。
再び夜の田舎町に漕ぎだす。
古い街並みを過ぎる。
道端の自販機で補給する。
570キロ地点を過ぎる。
貯金は1時間45分。
下り基調だったので少し盛り返せた。
内子からは国道56号を犬寄峠に向けて川沿いに上っていく。
相変わらず右足のアキレス腱は痛い。
何回かペダリングし、スピードに乗ったら足を止めて空走するのを繰り返す。
ひたすら繰り返す。
道はじわじわと上っていく。
暗闇の中で、同じ景色が繰り返していく。
ガーミンの距離計が数を積み重ねている。
なので、いくばくかは前に進んでいるのだろうけど、実感できない。
eTrexの高度計を見れば、標高を稼いでいるのは分かるのだが、そのペースは遅い。
ただただ、ひたすら苦行の時間が続く。
事前学習によれば、峠周辺には色々と道の駅やらドライブインやらがあって、そこそこにぎわっている感じだった。
なので、左右に建物やら駐車場やらが出てきたので、そろそろかと思いきやまだピークがこない。
でもしょうがないのでペダルを回す。
やがて夜空が広くなり、道が緩やかになった。
どうやら峠が終わったらしい。
安堵する。
下り坂が始まる。
トンネルをいくつか抜ける。
右下に鉄路があるのか、列車が走っているのが見える。
いくつかのカーブを曲がる。
坂が終わった。
ようやく。
見覚えのある景色。
1000ブルベで敗退したときに見た風景だ。
見上げると、標識がある。
午後10時過ぎ。
「松山10キロ」
ふぉおおおおお。
帰ってきた。
ようやく。
この看板はうれしかった |
もう松山市中心部まであと10キロちょっと。
30分ぐらいで着くやん。
達成感が身体を満たす。
両手を振り上げて、勝利の雄たけびを上げた。
ようやく。
ようやっと。
一足早いが充足感が体中を満たす。
あとはゴールするだけ。
と思っていたら、ここからが長かった。
片側2車線のバイパスは信号峠が続く。
ストップ&ゴーの繰り返しである。
右足を傷めたわしには極めてつらい。
ビンディングを外して、着けて、体重をかけて漕ぎ出す。
その作業がたまらなくつらい。
あああ、せっかくの平地なのに。
楽なはずなのに。
ブルベって奴はどこまで苦労を強いるのか。
見慣れた景色の中を、のろのろと進む。
そして、そして。
ついに道後温泉の街並みが眼前に。
ゴォォォォール!!!!! |
「坊ちゃん」の時代じゃなくて「坊ちゃん」からくり時計だ!(タイトル回収)
ちなみに「坊っちゃん」の時代ってのは、関川夏央と谷口ジローの漫画のことね。
みんな知ってるよね。名作だもん。
25日午後11時5分。
わしはついに609キロ地点のゴールに到着したのだった。
もう少し続く。
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