午後1時前、105キロ地点のセブンイレブン長門東深川下郷店に到着。
PCではないが、腹も減ったし、補給したい。
相変わらず雨は続くし、少し休みたい。
サングラスはレンズの下半分に雨滴がぷるぷるとたまって見えにくい。
水が滴るオークリー |
ゴアのレインジャケットも撥水機能を失って、ぐっしょりと重い。
こまめにメンテしているのだけど、この雨にはかなわない。
軒先にお邪魔します |
午後1時なので出発から6時間。
それで105キロ地点ということは、貯金は約1時間。
なかなか稼げないなあ。
手早く済まさないと。
ということでカレーをいただく。
カレーは飲み物なので、するすると胃の中に流し込まれていく。
カレーいいね!
2食連続カレー |
コンビニの軒先から見上げる空は、分厚い雲に覆われている。
雨がやむ兆しも相変わらずない。
陰鬱なる空 |
日本海に近づいてきたせいか、風も強くなってきたようだ。
陰鬱な気分になりそうだけど、おなかが満たされると少しはやる気がわく。
さ、行きますか。
20分ほどで休憩を切り上げ、雨中へ走りだす。
西へ。
次の目的地である千畳敷を目指す。
まもなく右手に日本海が広がった。
鈍色の空に、黒々とした鉛色の海。
白い波が激しく海岸に打ち寄せる。
モノクロの世界。
まるで冬の海だ。
海を渡る風が荒々しく暴れ、わしらの自転車を揺さぶる。
ハンドルを取られないよう握り、前をしっかりと見据えてペダルを回す。
風雨がわしの体を激しく叩く。
感受性を心の底に封じ込め、黙々と進む。
ようやく海岸線から離れることができた。
軽いアップダウンをこなす。
長門市郊外の田園地帯に入る。
天体観測ドームのある日置小学校の角を右折する。
眼前に広がる山塊。
中腹から上は雲に隠れて見えない。
あの雲の中、千畳敷が待っている |
田んぼの中を突っ切ると、上り坂が始まる。
上るにつれて斜度が増してくる。
右折する。
さらに斜度が増す。
ここか。ここなのか。
噂に聞いた激坂は。
斜度を確認しようと、520を見る。
「斜度4%」。ヲイ!違うやろ!
どう見ても10%以上あるやろ!
ちゃんと仕事してよ!
もしかして「こんな坂、たいしたことないよ」って、励ましてくれているのかも。
もちろんギアは34Tに落としている。
ケーキさんはダンシングをして懸命に上っているがしんどそう。
そりゃ今回は28Tのビチュー君だもんね。
車体は軽いが、ギアは重い。
ついに自転車を下りて押し歩きを始めた。
わしはなんとか頑張っているけど、いやほんまにしんどい。
シッティングでギシギシとペダルを踏んで上るしかない。
時速4、5キロ。
押し歩きよりわずかに速いか。
ずるずると上る。
どれだけ進んだろうか。
ちょっとだけ斜度がゆるくなった。
それでもしんどいのには変わりないが。
高度を上げるにつれて、周囲に霧が立ち込めてきた。
進行方向、もう真っ白。
霧の中に溶け込んでまったく見えない。
道路に沿って進むしかない。
じわじわと上る。
右手上方からブオンブオンという鈍い音が響いてきた。
進むにつれて次第に音が大きくなる。
ここを走ったことは2回目だから分かる。
風力発電の風車の羽根が風を切る音だ。
だが振り仰いでみても、ミルク色の霧があるだけで何も見えない。
知っているから大丈夫だが、初めてだと怖いだろうな。
稜線沿いに出た。
風車の風切り音は次第に霧の向こうに消えていく。
風が強まる。
相変わらず周囲は霧。
ミルク色に溶ける |
ほぼほぼホワイトアウト。
視界は10メートルぐらい?
周囲が雪だったら空間識失調になるかもしれん。
まあアスファルトの路面が見えるので大丈夫だけど。
本来ならここまで上がると日本海が見えるはずだが、まったく見えない。
「何これ。せっかく千畳敷に行っても、四畳半しか見えんじゃん」
と軽口を叩くと、ケーキさん「ウマイ!」とおだててくれる。
なにそれ、ちょっといい気分になっちゃったぞ、おじさんは。
相変わらずの五里霧中の道。
左折する。
そろそろピークだね。
と、霧の中から合図を送る人影が。
ケンセーさん、マロンパパさん!
雨なのでトイレに雨宿りする。
119キロ地点、PC2の千畳敷である。
到着は14時26分。
一応関係ないけど、貯金は30分に減った。
上り坂だったからね~。
てか、山頂にPC持ってくるのって結構厳しいよね。
下りで挽回できないから。
で、さっそく先ほどの「四畳半」ネタをふる。
お二人に気持ちいぐらいにウケて、申し訳ないぐらい。
やったーウケたぁ(撮影・AJ広島のゆかいな仲間たち) |
いやいやいや。
思わずニヤニヤする。
ケンセーさんにチェックを受ける(撮影・AJ広島のゆかいな仲間たち) |
上まで上ると、fuk@さんがお出迎え。
こんな天候なのにレストハウスでソフトクリーム食べていった強者がいるらしい。
全然見えない。てか寒い |
ほんとはこんな素敵な景色なんですけどね~。
2018年撮影 |
ま、お天道様にはかないませんわ。
相変わらず周囲は霧の中。
3人に別れを告げて走り始める。
すぐにには下山せず、しばし急坂を下ったり、上ったり。
若干、霧が薄れてきたか。
しばらく行くと、今回のもう一つのビュースポット「東後畑の棚田」だ。
絶景、かな? |
低く垂れ下がる雨雲。
棚田の向こうにどんよりとした日本海。
雲やら霧やらかかって若干だけど、見えにくいが。
晴れた夕刻はきっといい景色だろうて。
はぁああ。
ふと振り返ると、ため池がある。
「深田のため池」って名前らしい。
いやいや「深いため息でしょ」と突っ込んだら、ケーキさんに「きょうは冴えてますねえ」とおほめいただいた。
いや、どうもありがとうございます。
さ、行きますか。
つづく
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