2016年10月19日水曜日

BRM1008広島300キロ その6

午後9時42分、155.78キロ地点のPC3ファミリーマート倉敷美観地区前店に到着した。
ここが折り返しになる。

雨は若干小降りになっていたかな。
店頭で「宮崎駿監督似」(こなきさん談)だったAJ近畿のHさんの通過チェックを受ける。
宮崎監督なら鞆のほうがお似合いだったのでは・・・(^.^)


店内はブルべ参加者や観光客でごった返していた。
むすびや野菜ジュース、スポーツドリンク系を買い、隣の公園でひと休み。
ガチオ君は20分以上前にチェックを済ませていたようで、大変お待たせいたしました。
公園は屋根もあり、雨をしのげる。これはうれしいな。


PC3はクローズが午後11時24分なので、貯金は1時間42分。
さすが平地基調。
ラーメン食べても貯金が微増している。


トイレにこもり、お尻にワセリンを塗り込む。
この甲斐あってか、今回はブルべ後のまたずれはほぼなかった。
がっつり30分以上休んだ。
さあ、行きますか。
午後10時過ぎ、帰途につく。


土曜夜とあって、倉敷駅前の飲み屋街はにぎわっていた。
そうだよな~。これが正しい雨の夜の過ごし方だよね~。
うらやましさを感じつつ、ペダルを回す。


次なる目的地は、202.94キロ地点のPC4、ファミリーマート福山駅家町店だ。
午前2時32分までにチェックを受ければいい。
ただPCは混雑が予想されるのでチェックだけにして、その前後のコンビニでがっつり休憩することにした。
今回のルートね。


倉敷駅周辺は街中だけあって、ストップ&ゴーの繰り返し。
山陽線を踏切で越えて、倉敷チボリ公園跡のアウトレットモールを左手に見て、進む。
へんなゲートがある大きな交差点を直進。
伯備線の踏切で待つ。
格好いい寝台列車が走っていった。あれはサンライズ出雲だ!




踏切を渡ると、周囲は次第に街の灯りが少なくなる。
高梁川の土手道に出る。
ガチオ君を先頭に北上していく。
25キロ前後のいいペースが続く。
大きな鉄橋をくぐる。
井原線の高梁川鉄橋だ。
仕事でずいぶんと関わったなあ~。
ガチオ君やケーキさんにひとくさり昔話を語りたいところだが、この雨ではそれも無理。
ま、オヤジの昔話なんて聞いてもしょうがないしね(>_<)
清音で左折して、高梁川に架かる川辺橋を渡る。
川辺橋は自動車用の橋の下流に、歩行者・自転車用の橋があるので、そちらを通る。



橋を渡ると、旧山陽道だったであろう街並みの中を西へ行く。
間もなく国道486号に合流する。
西へ。西へ。
雨の中を行く。
ガチオ君に時速25キロぐらいでの巡航をお願いする。
これ以上、速いとついていけない。
情けないが、これが実力だ。


高梁川支流の小田川沿いの道は、これまたほぼ平坦。
邪魔をするのは降り続く雨だ。
倉敷市真備町から矢掛町へ入る。
小田川の土手を走っているのだが、川は暗闇に沈んでいて見えない。
時折、川のこけの匂いとザーザーという水音が聞こえる。


雨脚が強まってきた。
路面が水しぶきで白くなる。
雨粒が顔に容赦なく打ち付ける。
サングラスがにじむ。
ガチオ君の真後ろを走ると、水がはねて顔に直撃するので、微妙にずらす。


道路にも水たまりができてきた。
よけながら走る。
抜かしていく車が、水たまりを通過して、ジャバッと水をかける。
走っている車が少ないのが救いだ。


ポリ袋でガードした足元はまだ浸水していない。
100キロ以上走ってきたけど大丈夫。
結構、効果があるようだ。
走り始めは暑かったのだけど、今はちょうどいい。


豪雨の中のライド。
いやいや、結構しんどいぞ。
我慢の時間だ。


矢掛町から井原市へ。
井原はかつての赴任地。
親しい友人もいる。
さんざん車で走り回った道を今、自転車で走っている。
晴れてたらなあ。
寄り道したかったな。
でもこんな状況では、ひたすら前に進むしかない。


井原の市街地を抜ける。
見覚えのある看板がある。


見覚えのない店舗も目立つ。
井原を離れてから10年以上経つからね。
そりゃ当たり前か。
486号はいったん国道313号に名前を変える。


井原線の高架をくぐり、高屋町の313号バイパスを行く。
ここでランドナーに乗った参加者さんと一緒になった。
ガチオ君のお知り合いみたい。
ちょっと後ろにつかせてもらったが、ほぼ水はねがない。
ロードとえらい違いである。
伝統的な泥除けの完璧な仕事ぶりに感心したのだった。


バイパスの突き当りで右折する。
まだバイパス完成していないのか。
実はこの辺りで県境を越え、広島県福山市神辺町に戻っていた。
看板を見つけられないから分からなかったけど。
国道313号は2車線に戻り、田園地帯を貫く。
左手にコンビニが見えた。
サンクス神辺下御領店だ。
おや、イートインがある。
これはいい。ここで休もう。
二人に声を掛け、ストップした。


走り始めて11時間。
日付が変わった。
そろそろ200キロになるか。
夜食を購入。
店員さんに「濡れているのでごめんなさい」と断ってから、イートインコーナーに向かう。
椅子とテーブルがあると、人間らしいよね。
いただきます。体が冷えるので汁物も。

がっつり30分休んで、再び走り出す。
雨の中を走るのは気が進まないけど、走らなければ前に進まない。


右折すると再び国道486号になる。
西へ進む。
久しぶりにハローズ発見。
この先、486号は1、2キロ置きにハローズが現れるのだ。
備後七不思議の一つである(嘘)。
ここでもハローズの出店戦略についてガチオ君たちにひとくさり語りたかったのだが(以下略)


郊外型店舗が点在する単調なバイパス道を進む。
20分足らずでPCに到着した。
9日午前0時47分、202.94キロのPC4ファミリーマート福山駅家町店に到着したのだった。

つづく。

2016年10月18日火曜日

BRM1008広島300キロ その5

午後5時38分、92.65キロ地点のPC2ファミリーマート鞆の浦店に到着。
クローズは午後7時12分なので、貯金は1時間34分。
PC1時点より10分積み増しした。
平地基調だけに順調、順調。

ただ雨が本降りになってきたので、ここで雨具を着用することにする。
ストームクルーザーのジャケット、サイクルレインストレッチパンツ、シューズカバー。
そしてシューズをポリ袋で包み、足首をテープで巻いた。
先人たちの教えに従って、今回初めて試してみた。
さて、どれくらい持つか。
クリートの脱着も問題なくできた。



あ、今回のルートはこんな感じね。
福山から笠岡を経由し、155.78キロ地点にある倉敷のPC3へと向かうのだ。


今回、このコースではお楽しみを用意しておいた。
笠岡で食べるラーメンである。
笠岡の神島大橋のたもとにある「みやま」というラーメン屋だ。
夜10時ごろまでやっているので、十分間に合うはず。
しかもコース上にある。
ケーキさんとガチオ君に伝えると、力強く快諾を得た。
待つものがあるとテンションが上がる。


鞆からは、工場群の灯りを右手に見ながらしばし北上する。

水呑のハローズを右手に見て、芦田川大橋を渡る。

郊外型の店舗が立ち並ぶ、広くて明るい、まっすぐな道を黙々と走る。
雨はひどくはないが降り続いている。


入江大橋を渡り、笠岡方面へ右折する。
JFEスチール西日本の福山工場の脇を行く。
土曜の夕方、車は少ない。
福山市大門町で右折。
小さな丘を越えて岡山県笠岡市に入る。
道は国道2号線の笠岡バイパスということになっているのだが、両側にセイタカアワダチソウが繁茂し、何やら寂しい風情だ。
街灯も少ない。


このあたりから脚が鈍り始めた。
25~30キロで巡航できていたのが25キロ前後に落ちてきたのだ。
次第にガチオ君から離されていく。
ヘルメットの尾灯が次第に小さくなっていく。


進行方向左手に道の駅の明かりが見える。
後ろからツネさんたちのトリオが抜かしていく。
30キロ超えのいいペース。
付いていこうとしたがあきらめた。


この辺りは仕事で何度か訪れたことがあるが、真っ暗なので全くわからない。
遠くに笠岡の街の灯りが見えるだけだ。
土の匂いが濃い。
酪農の匂いも混じっている。
雨に刺激されて、いろんな匂いが立ち上っている。
自転車は環境の変化を五感で感じられるスポーツだが、なぜか音って記憶に残らない。
虫の声も聞こえていたのかもしれないが、忘れてしまう。
匂いのほうが、記憶に残る。


干拓地の平地が終わった。
神島大橋へのとっつきの上りが始まる。
左折したら、小さなラーメン屋の灯りが。
ラーメン好きには名の知れた「みやま」だ。
店の前でガチオ君も待ってくれていた。
お待たせです。
のれんをくぐるとそこは・・・


時間は午後7時過ぎ。
晩飯にはちょうどいい。
店の周囲の屋根のある場所に自転車をとめさせてもらう。
店の前をほかの参加者の自転車が走りすぎていく。
PANA君か?



濡れ鼠なので、屋外のテラス席にしようかと思っていたのだが、照明がないということなので、恐縮して店内へ。
女性二人が明るく迎えてくれて、ほっとする。
濡れ鼠の3人


そしてラーメン来た!
テーブルに着いて温かいものを食べる。
しかもうまいものを!
きた!ラーメン降臨!

平麺に尾道風の醤油スープが疲れた身体に染み入る。
わしたちのヒットポイントが回復した!
メニューに530円とあったので支払おうとしたら「ごめんごめん、値段変えたんよ」とのこと。
安いもんね~550円ぐらいに値上げしたのかなと思いきや。
「500円ね~」とまさかの下方修正。
今時珍しいワンコインラーメンですか!


満たされた気持ちで店を出る。
お姉さんが「頑張ってね~」と見送ってくれる。
これはうれしいなあ。
30分も滞在しなかったけど、ずいぶん長居した気になったよ。
午後7時半には再び走り出した。


神島大橋を渡る。
真っ暗な海を右手に走っていく。
天気がいい、昼間だとさぞ気持ちいいだろうなあ。

けど、雨だし、夜だし、まったくわからん。
笠岡市から浅口市寄島町に入る。
平成の大合併で誕生した市だ。


お!中四国地方で初のラウンドアバウト(環状交差点)だ。
車おらんし、あんま意味ないぞ!
折角なので一周すればよかったかも(^-^;

一周すればよかったか。


海沿いの田舎道が延々と続く。
倉敷市玉島に入る。
沙美海水浴場というビーチがあるはずなのだけど、まったく見えない。
途中、秋祭りの神輿に出会った。
雨の中、お互いお疲れ様です。
ガチオ君は先行して久しい。
ケーキさんがドリンク切れらしい。
右折して水玉ブリッジラインに入ったところのサークルKに滑り込み、補給する。


相変わらず雨は降り続いている。
水玉ラインを黙々と進んでいく。
玉島大橋を渡る。

水玉ラインは自動車専用道らしく、ところどころ側道に入って交差点をやり過ごす。
何回か繰り返しているうちに、側道が堤防に突き当たった。
見上げる。
橋だ。どうやらここが水島大橋のようだ。
キューシートでは歩道走行が推奨されていたので、歩道を注意して探していたのだが、見落としていたらしい。
いったん引き返して、橋のとっつきまで戻る。
よく見たら歩道があるじゃないか。


歩道を通って橋を渡る。
高梁川の最も下流にあるだけに橋は長い。
なかなか終わらない。


ようやく水島に入った。
倉敷の市街地を目指し、ペダルを回す。

ほぼ平坦。
小さな峠を上り、トンネルを通る。



道は片側2車線の広い道が延々と続く。
山口県も道がいいけど、岡山県も道路整備が進んでいるなあ。
そして驚くことに自転車用の側道が整備されている。
車道と歩道の間が、ブロックで仕切られている。
正直、車道側のブロックは必要ないのだけど。
広島県の道路事情からすれば雲泥の差だね。


次第に市街地が近づく。
信号ストップが頻繁になってくる。
走っては止まり、止まっては走るの繰り返しだ。
そして見慣れた街並みが近づいてきた。


倉敷の美観地区である。
江戸時代の幕府直轄の天領として栄えた倉敷の風情が残る街並みだ。
堀川に柳の並木が雰囲気を演出しているのだが、時間はすでに午後9時半。
な~んも見えん。


ええカメラでもあればそれっぽい写真が撮れるのだろうけど、それもかなわない。
本来ならゆっくり観光すべき場所なのだけど、そそくさと通りすぎるわしとケーキさん。


午後9時42分、155.78キロ地点のPC3ファミリーマート倉敷美観地区前店に到着したのだった。

つづく