2020年9月19日(土)~20日(日)のブルベ記録、前半書いてから忘れていました。
さあ、後半行ってみよ~~!
197キロ地点、久米の道の駅の奥にある田舎には珍しい高い建物。
あそこがZの格納庫だ。
午後8時37分。
予定通りそこにZガンダムの姿は見えなかった。
シャッターには「A.E.U.G.(エゥーゴ)」と書いてある。
なに、エゥーゴの拠点だと |
時間に間に合ったランドヌールよ。
君たちはこの芸の細かさを知ることはできなかったはずだ。
私の勝ちだな。
熱意あふれる解説 |
現時点での貯金は約1時間半。
あとは約200キロ走って戻るだけだ。
中国道沿いの一般道を一路西へと向かう。
気温は10度台前半。次第に下がってきた。
久米から勝山へ入る。
町の明かりに安心する。
ここから新見までの50キロはなんもないはずなので補給する。
補給だ |
勝山からは岡山県北の山間部をひたすら走る。
上ったり下ったり、また上ったり。
ウインドブレーカーを羽織っているのだが、下りのたびに体が勝手に身震いして体温を上げようとする。
体を丸めて、風を切るように進む。
278キロ地点、午前零時前。
疲れと眠気がそろそろ阻止限界点に近付いてきた。
左手に見えた姫新線の駅兼地元の集会所に滑り込む。
ベンチは手すりがついていて横になれないが、座ったら簡単に気を失えた。
15分休憩して再出発する。
大佐町から新見へのダウンヒルも厳しかった。
新見駅前でフォトチェック。
こなきさんへメールを送る。
最初の二つのチェックではメアドを間違えていて送れていなかった。
その後、修正してなんとかなった。
新見のコンビニで温かい豚汁を飲む。
体と心の中に小さな火がともる。
食べものがうまい |
新見から東城までは穏やかな山越えだ。
午前2時過ぎ、哲西町の道の駅鯉が窪に着いた。
休憩所がこの時間でも開いていて、素晴らしいことにベンチがある。
15分間横になる。
眠れないが十分、体は休まる。
ついでに上下に防寒用のレインウエアを着用した。
屋根があり、扉があるだけで天国だ |
走り出す。
午前3時、県境を越え広島県に戻る。
広島県に戻る。うれしい |
国道182号は芸備線と絡み合うようにして東城町へと下っていく。
東城のまちを過ぎる。
明かりを見ると安心する。
先ほど休んだばかりなのでコンビニはスルーした。
民家の明かりが少なくなり、登坂が始まる。
いよいよ山場の帝釈峡越えだ。
道は次第に斜度を増していく。
岡山県側よりも路面が荒れていて走りにくい。
この期に及んでは、もはや無になって、機械になってペダルを回すしかない。
最大で1時間半あった貯金もじわじわと食いつぶれていく。
見上げると星空。
この先に夜明けがあることを信じるしかない。
星空のBelieve(無理矢理タイトル回収)
いったんピークを越える。
帝釈峡の入り口まで下り、再び登りが始まる。
標高約600メートル、気温は8度。
瀬戸内海(高梁川水系)と日本海(江の川水系)の分水嶺を越す。
庄原へのダウンヒルが始まる。
指切りグローブだが、手先にさほど寒さは感じない。
むしろ体幹部が冷える。
下り坂の途中で止まり、ジャケットの脇の下のファスナーを閉める。
ケーキさんが後ろからスコーンと抜かしていく。
庄原までは下り基調が続く。
前に見えるケーキさんの姿がどんどん小さくなっていく。
あれ、もしかして抜かしたの気付いていないのかな。
マイペースで追うしかない。
ようやく追い付いたのは庄原の市街地に入ってから。
なんでも眠気を振り払うために、ガチ踏みしてたらしい。
まったく紛らわしい。
だが、この下りのおかげで貯金を1時間半に挽回できた。
相変わらず眠たいが午前5時を過ぎ、空の色が漆黒から濃紺へ、そして白んできた。
朝チュンののどかな田園地帯を駆け抜ける。
休めるところがあったら休みたかったが、そんな場所はなかった。
午前6時過ぎに340キロ地点、最後のフォトチェックの三次駅に到着した。
鵜飼いを模しているらしい謎モニュメントを撮影する。
ベンチに座って、補給食を腹に入れる。
朝のまちへ再出発する。
残り60キロ。
正午のタイムリミットへ向けて、もうひと踏ん張りだ。
行く手をさえぎる県央名物の霧。
不吉な・・・。
行く手は霧の中 |
三次からは国道375号を南下していく。
そう、ここからが長かった。
疲れ果てたケーキ氏 |
脚がほぼ売り切れて、筋肉痛がひどくなってきた。
坂はきつくないが、緩やかな上りが永遠に思えるかのように続いていく。
霧の中へ |
サラ脚なら、ダンシングを繰り出しながら20キロ以上でぐんぐん進んでいけるのに今は両脚ともに不良品。
「あんなのただの飾りですよ」状態だ。
霧は晴れて青空が広がり、気温が上がっていく。
こまめに水分を取りつつ、あずりながら進んでいく。
晴れれば気温が上がる |
日曜日の朝とあって、対向車線は北へ向かう行楽の車が目立つ。
そんな中、低い前傾姿勢を取った見知ったサイクリストの姿が。
タロンさんだ!
「あとはゴールまで下りだけですから」。
軽やかにおっしゃって、北へ向かっていく。
わしらの後ろを走っているはずのモリリンコンビを迎撃に行ったのだ。
たろんさん! |
わしらも南へ進む。
「下りだけ」どころか案の定、アップダウンがわしらを襲う。
「偉い人には、それがわからんのですよ」。
タロンさんのような剛脚でない貧脚のわしらはそうぼやくしかない。
最後の坂道を下ると、ようやく東広島の街中にたどりついた。
道の路肩が狭い!
そして車が多い!
しばし我慢。
それでもなんとか、ようやく午前10時25分、ゴールの東広島駅にたどり着いた。
認定時間は25時間25分。
400キロの旅が終わった。
先にゴールした面々が笑顔で迎えてくれる。
「ぼくには帰れるところがあるんだ。こんなうれしいことはない」。
アムロ気分で感慨にふけったのだった。
10時25分、到着 |
今回も実感したが、楽なブルべは存在しない。
どの距離、どのコースにもそれぞれのしんどさ、面白さが潜んでいる。
だからこそ、つらい記憶がズバズバ改ざんされ、また参加してしまうのだろうな。
ありがとうございました。 |
一緒に走ったみなさんお疲れ様でした!
AJ広島のみなさん、ありがとうございました。
コロナ禍での準備から開催まで、大変な気苦労だったでしょう。
というわけで。
次はどこへ走ろうか。
(おわり)
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