2020年12月20日日曜日

BRM1024呉・高知600km その4 ななこSOS

どうも、たっかんです。


深夜から未明にかけてのブルベはなかなか進みません。

細切れに休むのと、まとめてどかっと休むのがどっちがいいのか。

悩ましいところではあります。


というわけで、日付は変わって10月25日(日)午前3時38分。

わしは332キロ地点のPC5、ローソン須崎かわうその里店に到着した。

貯金は、はりまや橋での3時間20分から2時間30分に減った。


店舗の屋上にゆるキャラ「しんじょう君」の巨大なバルーンがそびえ立つ。

巨大なしんじょう君

しんじょう君とは、「すぐそばを流れる新荘川で最後に目撃されたニホンカワウソ、および須崎市の名物である鍋焼きラーメンをモチーフにしたマスコットキャラクターである」。(ウイキペディアより)

ローソンの青い制服を着ているのが可愛らしい。

フォトチェックなので、自転車としんじょう君を一緒に撮影する。

ツイッターで「しんじょう君と遭遇。眠い。」とつぶやく。


店内はうれしいことにイートインスペースが。

同士たちが適度な距離感を保ちつつ休んでいる。

そろそろ明け方なので、朝食をとる。

胃腸にやさしいにゅう麺をいただく。

おかゆがあったら、なおよかったな

食べた後はしばし気を失う。

15分くらい休んだか。

と、ここでツイートを見た参加者さんから声をかけられる。

やっぱり寒さにやられているようです。

お互い健闘を誓いあって未明の道へと出発する。


須崎の町を離れる。

海沿いの道で、いくつかのアップダウンをこなす。


中盤のヤマ場の一つ、七子峠に差し掛かる。

海抜ゼロメートルからのろのろと上っていく。

気温は一桁だ。

動いているので大丈夫だが、寒いことは間違いない。

SOSまではいかないが、なかなか追い込まれた状況ではある。

そういえば昔、ななこSOSって故吾妻ひでお先生の漫画だかアニメだかあったよな~(タイトル回収)。

美少女漫画の元祖とも


未明の山中。

風はそこそこある。

木々が揺れている。

なにが出できてもおかしくないが、今回はなにも登場しなかった。


トンネルに差し掛かる。

後ろからズゴゴゴゴ…とえもいわれぬ音が響く。

なんだ?


振り返ると、リカンベントが!

ああ、出発時にこなきさんが言ってたあのリカ乗りさん。

確か6時出発組。

キャノンボールを20時間以内で走破したという超ド級の凄いランドヌールさん。

リカ速い!

あ、説明不要だとは思うけど、自転車界で定義するキャノンボールとは、東京-大阪(約550キロ)を24時間以内に走破するという実にヘンタイ的な行為のことね。


声をかけて写真を撮り、ツイートしてもいいか、と尋ねるとOKだったのでその後ツイート。

わしのツイート史上、最多の反応を記録したのであった。


いやあ、すごいものを見せてもらった。

しばらくの間、興奮の余韻に浸っていた。


わしも頑張らないと。

引き続き黙々とペダルを回す。


振り返ると東の空がうっすらと色づいてきた。

そろそろ七子峠のピークだ。

時刻は午前5時21分

標高300メートルだから、そんなに高くはない。

が、海岸から上ってくるのと、斜度がゆるく距離があるのが、地味にこたえる。


ようやくピークを越す。

時刻は午前5時27分。

ようやくピーク

ゆるやかな下り。

そして高原地帯へ。

気温は一桁。

寒い。


空が次第に白んでいくのが希望だが、夜明けが一番寒いと言うしな。

道端の自販機を見つけたので、温かい飲み物をいただく。

おなかが温まると少しだけど、元気になる。


高原の田園地帯を走る。

左手奥の谷に霧の塊が見えた。

そちらには向かわなかったが、進行方向に霧が、雲の塊が見えてきた。

霧は体が冷えるんだよなあ。

霧に突入

前回の400kmの大分県安心院町付近で、夜の霧の中を走ったことを思い出す。

でも道を変えるわけにはいかないので、そのまま霧に突入する。

気温がまた下がった。


道路わきの田んぼは霜柱がたつほどではない。

でも、ガーミンの温度計は0度前後を指し示している。

ひたすら耐えるしかないわけで。


峠を越え、山間から川沿いを下る。

地名も四万十町から黒潮町へと変わった。

下り坂だ。

相変わらず、足を止めると妙な共鳴音が響く。

ほんまやめてほしいわ。

午前7時前、一休みして補給する。

朝だ

ブルベからしばし経過した先日、しましま店長にウノさんを見てもらった。

どうやら後輪スポークが緩んでいたようだ。

まあ、買ってから5年ぐらいになるもんな。

締め増してもらったら、その後、音は出なくなった。

いや、もっと早く見てもらえばよかったな。


谷間を抜けるように走っていくと、進行方向がどんどん明るくなっていく。

夜明けから日の出へ。

小さな港町を過ぎる。

坂を上る。

公園があるので寄る。

ウノさんと一緒に展望台に出る。


おおおおお。目の前に太平洋が!

ドーーーーーン!

太平洋!


午前7時半。

太陽は水平線からやや高いところにある。

太陽が、陽の光が限りなく暖かい。

ありがとう。太陽。ありがとう太平洋

ああ、走ってきて良かった。

おはよう、太平洋。

おはよう太陽。

新しい一日を走り出す気力が湧き上がってきた。

黒潮町の港


左手に太平洋を見ながら走り出す。

海岸線は岩がゴロゴロとしたのが、やや沖まで続いている。

瀬戸内では見ない風景だ。

右手は山が迫っている。


390km地点を過ぎる。

午前8時。

想定締め切り時刻が午前10時なので、貯金は約2時間になった。


しばらく進むと、左手に広大な砂浜が広がってきた。

有名なサーフィンポイントらしい。



波間にサーファーが大勢いる。

防波堤の切れ目に自転車を止める。




午前8時15分。396km地点。

気温が上がってきたので、防寒用のレインウエアを脱ぐ。

シューズカバーも外し、身軽になる。

バックパックから半袖ジャージを出して着替える。

よし、頑張ろう。


再び漕ぎ出す。

四万十市へ入る。

街中を通り、橋を越える。

午前9時過ぎ。

すでに走行距離は400キロを過ぎている。

有名な四万十川を越える橋だ。

四万十川。もっとゆっくり過ごしたい


下流域なので、まったく普通の田舎の川だ。

ここから上流域へのんびり走るときっと楽しいのだろうね。


のどかな田園地帯を行く。

左手の離れたところに高架の単線の鉄道が走っている。

土佐くろしお鉄道という三セクらしい。

かつて住んでいた岡山県井原市を走る井原鉄道を思い起こさせる風情だ。


田園の中に街が見えてきた。

くろしお鉄道の高架をくぐる。

郊外の大雑把な風景の中に大きくはない駅舎が現われた。

午前10時24分、430キロ地点のPC6宿毛駅に到着したのだった。


ようやくPC6


つづく。












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