6月9日(土)16時45分、129キロ地点。
通過チェックのキヌヤ須佐店に到着したわしら。
締め切りの目安が18時40分なので、2時間近く貯金ができたことになる。
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山陰のスーパーといえばキヌヤ! |
店内に入り、補給品を物色する。
コンビニより店内が広いので、目当てのブツを探すのに苦労する。
といっても、水、パン、むすびぐらいしか買わないのだけど。
レジに並んで支払う。
レシートの打刻は16時50分。
店の入り口のドアにこんな張り紙が。
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初めてみたよ。こんな警告 |
トンビに油揚ならぬ、トンビに買い物袋…。
空を見上げると。いるわ。確かに。
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トンビがくるりと |
幸いトンビの襲撃は受けなかったけど、受けたら受けたでそれでおいしい体験なような気がする。
またしてもケンセイさん、サブイボさんコンビと遭遇。
一足先に出発していった。
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いつも楽しそうな2人。手前のママチャリはブルベの人じゃないよ |
17時、わしらも須佐を出発した。
国道191号を西へ進む。
須佐から小さな峠を超える。
下り坂でスピードに乗る。
下り終えると、右手に日本海が広がる。
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右手に日本海 |
山口県の日本海側のことを地元の人は北浦と呼ぶ。
ここからは北浦を行くのだ。
走る方向が北東から南西に変わったので、風が追い風に変わった。
しかもかなり強い風。
海岸沿いの平坦路。
これは楽だ。
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風に乗ってとばす |
ツネちゃんが先を行く。
ケーキさんが追う。
わしも追う。
気温が下がってきたせいか、ツネちゃんがサイボーグ修行僧としての覚醒モードに突入したようだ。
速い、速い。
頑張って列車に付いていかないと振り落とされる。
振り落とされたら終わりじゃ。
貧脚コンビの奮闘が始まる。
巡航速度はほぼほぼ30キロ台。
下手すりゃ40キロ台をたたき出す。
20キロ後半なら「いいペース」のわしらにとってはもう別世界だ。
ケーキさんの後ろに付く。
ケーキさんもツネちゃんの後ろに付く。
風を味方にしたわしらに怖い物はない。
前に2人組のトレインが。
抜かすタイミングで声を掛ける。
2人がわしの後ろに乗車されました。
北浦特急が加速する。
ん、さらに2人組が。
1台はミニベロの凪だから、サブイボさんとケンセイさんか。
抜かしざま、2人に「乗りんさ~い」と声を掛ける。
しかしペースが違いすぎていたようで、2人は乗車に失敗。
きっと2人にはわしの声がドップラー効果付きで聞こえていたに違いない。
阿武町の道の駅を過ぎると、萩の町が見えてくる。
信号に引っかかるようになって、徐々にスピードが落ちてくる。
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萩のまちへ |
橋を渡って、市街地に入る。
18時20分、わしらはPC2の手前165キロ地点にある、すき家萩店に滑り込んだのだった。
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シックなデザインのすき家とサイボーグ |
ここはツネちゃんたっての補給ポイント。
実は道中、ずっと「萩ですき家」「萩ですき家」と言い続けていたので、わしらとしてもよらざるを得ない。
須佐からの35キロをずっと引いてもらったしね。
時間的にも夕食にぴったりだし。
北浦特急に同乗のお2人も一緒にカウンターに座る。
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モグモグタイム |
わしは豚汁セットを頂く。
大盛りにはしなかった。
塩味が染みるねえ。
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塩分が染みる |
ケーキさんはつゆだくを頼んだらしく、その後、胃がもたれてしょうがなかったという。知らんがな。
人間らしい食事を終えて、20分ほどで出発する。
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満足。行こう |
橋を渡る。
日が落ちる。
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日本海に日が沈む |
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今回のコックピット。この構成がコンパクトでよい。eTrexがねじれておる |
左手にコンビニがある。
166.2キロ地点にあるPC3、セブンイレブン萩玉江店である。
たっぷり食事をしたので、ここではカフェオレを1本買うだけ。
レシートの時刻は18時43分。
締め切りが21時04分なので、貯金は2時間21分。
良いペースで貯金が増えている。
ツネちゃん様々やね。
ここでもケンセイさんたちと会った。
ここまでほぼ同じペース。
彼らはもっと速いのに。
ツネちゃんに牽いてもらっているおかげだね。
すき家でたっぷり休んだので、このPCは早々に出発した。
ここからは中盤の難所、鎖峠である。
標高231メートルだから、峠としてはさほどでもないが、ゼロメートル地帯からの上りになり、これが正味の標高差になるのだ。
2年前の600では、ここを昼日中の暑い時間帯に走って往生した記憶がある。
上りはそれぞれのペースがある。
ツネちゃんがじわじわと先行していく。
気温が下がってきたので、楽になってきたのだろう。
体内の精密機械がかみ合ってきて本領発揮である。
いくつかのカーブを曲がる。
日が暮れる。
ツネちゃんは間もなく姿が見えなくなってしまった。
わしらものろのろと上る。
30分ちょっとかかって峠を通過。
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19時半の鎖峠。標高231メートル |
長門に向けてダウンヒル。
ツネちゃんの姿はもちろん見えない。
下りきると、周囲はすっかり闇の中だ。
ここからは何回も通ったコース。
長門市内へ向かう。
今回は広域農道のみのりロードは通らずに191号を進んでいく。
アップダウンが少ないが、車はそれなりに多い。
暗闇の中のライドが続く。
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暗闇のライド。ほかの参加者さんと |
日置の手前で左折し、国道191号を外れる。
ここからは農道を含む田舎道だ。
間もなく農道名物ジェットコースターアップダウンが始まる。
この道を通るのも3回目、いや4回目か。
さすがに要領が分かってきた。
下り坂では思い切り足を回してスピードを出し、その勢いを持続したまま坂を上る。
ずばり、これがベストだ。
これを繰り返す。
次第にリズムに乗ってきた。
坂がわしの味方をしてくれるのだ。
こりゃ気持ちいい。
それなりにしんどいけど。
前を走っている他のランドヌールをこの要領でごぼう抜き。
うひょ、楽しいわ。絶好調。
無敵感とともに突っ走る。
ケーキさんもしっかりとついてきている。
牛丼のつゆだくで胸がいっぱいだったらしいが。
そろそろこのアップダウンが終わろうかというころ。
ついに捕捉した。
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サブイボさん!ケンセイさん! |
闇夜に浮かび上がる3台分のライト。
ケンセイさん、サブイボさん、そしてツネちゃん!
かなり先を走っていたはずの3人に追い付いたのだ。
そのままぶち抜く。
うっひょー!
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ケンセイさん!ツネちゃん! |
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抜いた!ライトまぶしい |
経験から言うと序盤でもない限り、ブルベの走行中に他のランドヌールを抜くのは難しい。
PCでは別だよ。停車しているからね。
ブルベはある程度の脚力をもつ方が参加している。
だからこそ、なのだ。
わしレベルの貧脚では特に、である。
なので、この局面で3人に追いつけたのはわしとすれば奇跡に近い。
いや、奇跡だ。ミラコーだ、
後世の歴史家はこれを「北浦の奇跡」と呼び、長く語り継ぐであろう。
やったぜ、わし。
とまあ、こんな自己満感にひたりながら、みなさんと一緒に191号に向かう。
通過チェックのローソン豊北阿川店まであとわずかだが、ここから海沿い道路特有のアップダウンが地味にきつい。
5人パックになった我々。
上り坂では、ケンセイさんがぐいぐいと上っていく。
リッチなボディーを誇るケンセイさんだが、最近ヒルクライムに開眼したらしい。
見習いたい。
わしもなんとか付いていく。
いくつかの上り下りを超え、右手に白地に青いストライプのローソン発見!
21時22分、218.1キロ地点の通過チェック、ローソン豊北阿川店に到着したのであった。
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通過チェックにとうちゃこ~ |
つづく。
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