7月上旬、西日本を襲った未曽有の豪雨。
自転車で通った記憶のある道が流され、自転車で通った見知ったまち並みが土砂に埋もれた。
多くの方々が犠牲になった。
突然、断ち切られた命。
その理不尽さに茫然となるするしかない。
多くの方々が被害を受け、今も不自由な生活を強いられている。
一日も早く復興し、もとの暮らしに戻れますように。
そう願ってやまない。
さて、6月は2本のブルベを走った。
400と300。
いずれも山口県内を出発するコースだ。
2週連続で出走するのは初めて。
体調をうまくリカバーして、次週に備えられるのか。
楽しさと不安が入り交じった気持ちで迎えたのだった。
ということで1本目。
BRM609広島400km岩国・角島である。
AJ広島の400としては、もはや定番。
由宇発着で角島を折り返すコースだ。
例年とはちょっとコースを変えてあるけどね。
わしが参加するのは3年連続。
過去2回はいずれもケーキさんとの二人旅だった。
さて、今回はどうなることやら。
6月9日(土)午前9時過ぎ。
わしらは、おなじみ岩国市由宇町のみなとオアシスゆうにおった。
梅雨の最中だが、天候は幸いにして晴れ模様。
予報も晴れ。ゴールまで持ってほしい。
出発が午前10時とゆっくりなので、前日もしっかり休めて体調は上々だ。
公園のパーゴラには、マツダスタジアムにあったカラフルな傘が飾られて、いい感じにトロピカル。
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夏のビーチ |
うれしいお見送りもあった。
事故で療養されていたマグナムさん。
見事に復活を遂げられ、由宇まで自走!
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アニキ~! |
さすがです。
また一緒に走りましょうぞ。
ランドヌールからトライアスリートへと華麗な転身を遂げたカタヤマ氏からのブリーフィング。
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なごやかブリーフィング |
午前10時に由宇をスタート。
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さ、行きますか |
eTRExくんはゴール地点のセブンを過ぎると、さっそく道案内を放棄した。
まただ。ゴールしたって勘違いするんだよね。
軌跡を再設定すれば問題なし。
ここからしばらくはいつものコースだ。
由宇球場まで上ったら、玖珂側へのダウンヒル。
このあたりの道は広くて、見通しがよくて気持ちいい。
さて今回、われわれのコンビに加わっている人がいる。
サイボーグ修行僧ことツネちゃんだ。
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ツネちゃんと一緒 |
いつもはかっとんでいくツネちゃんなのだが、今回はじっくり行きたいという。
いいよ、いいよ。
オヤジコンビと一緒に行こう。
玖珂の田園地帯をゆく。
国道2号の交差点手前で、地元のサイクリストと出会う。
日本海まで行きますよ。ご一緒に、と誘ったけど、笑ってスルーされましたわ(^o^)
2号をパス。
田園地帯を行く。
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カントリー・ロード |
実りの季節を迎え、黄金に輝く麦畑の横を過ぎる。
例のミニチュア姫路城の前を通り過ぎる。
常ちゃんに「見たい?」と聞いたけど、あまり興味なさそうだった。
川沿いのゆるやかな上り。
道の両側に木々が迫り、木陰があって実に走りやすい。
このまま普通に走っていれば獺祭本社そばにたどり着く。
と、目の前に通行止めの表示が。
ええ!道の奥には大型の作業車と作業員さんの姿が。
指定コースから外れるが、こういう場合は現場の指示に従うのがルール。
迂回するしかないか。右へ曲がれとな。
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この急坂は聞いてないよ~! |
って、こっち激坂やん・・・聞いてないよ~。
しょうがないので上り始める。
余裕で10%オーバー。
13%ぐらいあったかな。
しばらく上がっていくと、山の斜面にある何軒かの小集落に出た。
小道を走っていくと、ようやく迂回路のピークへ。
STRAVAの記録では、標高150メートルから220メートルまで一気に上がっていた。
そこから190メートル地点まで下る。
つまり余分に標高30メートル上らされたわけか。
にしては、えらくしんどく感じたのだった。
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獺祭のビル。西日本豪雨で被災したという |
ともあれ、遠目に獺祭のビルを眺めて、いつものループに向かっていく。
ループの後はいつものきつい上り坂。
その上、日差しもきつい。
ほんま梅雨か?
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坂が続く |
気温は30度に上がってきた。
ただでさえ少ない体力がじわじわと削られる。
時折、現われる緑陰がえらく有難く感じる。
先を行くツネちゃんとケーキさんを恨めしく思いつつ、ペダルを回す。
わし一人置いていきやがって・・・・
なんとかピークに達した。
ここからは周南市北部の高原地帯。
ところで、ケーキさんが今回、えらく調子がよい。
わしを置いたままどんどん先に行きやがる。失礼、行きんさる。
あまりに離れすぎて、待ってもらったぐらいだ。
ケーキさん、5月の四国でのDNFが悔しかったらしい。
その後、可部の自宅からの20キロ通勤をアクティブにこなし、地脚を鍛えていたという。
きっと、その成果が出たのだろう。
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高原の道 |
アップダウンが適度にある高原地帯。
下り坂ではできるだけ勢いをつける。
途中、ホタル祭りの準備をしているところがあった。
そうだよね。そんな季節だよね。
今回も夜、ホタルがみられるかなあ。
太陽は天高くわしらを照らし上げている。
そろそろ飲み物も補給したい。
というところで、いつもの交差点を右折。
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信号待ちに変顔をするツネちゃん |
49.1キロ地点のPC1ローソン徳山須々万店に到着。
ランドヌールたちがたむろしているわ。
時刻は12時34分。
締め切りが13時27分なので、PC1での1時間貯金は無理でした。
まあ、ほぼ山岳だったしね。
ツネちゃんは暑さに耐えかね、氷を購入。
サイボーグ修行僧の彼は、熱に弱い精密部品で構成されているため、冷却の必要があるのだ(嘘)
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脇の下は血管が集まっているので、冷却にいいとか |
地元山口組のケンセイさんは、わしらより一足先に出立。
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軽やかに走り出すケンセイさん |
わしらも15分ほど滞在し出発した。
国道315号を進む。
これまでのコースなら間もなく国道376号へ左折、島地川ダム方面へ向かうのだが、今回は違う。
そのまま直進し、周南市鹿野方面へ向かうのだ。
右手に錦川の向道ダム湖を見つつ、進んでいく。
錦川の上流へ向けて、ほとんど平坦の緩やかな上りが続く。
錦川って、河口に面した岩国市周辺のイメージが強いけど、上流は周南市の高原地帯を通っているんだよね。
山口県東部の川かと思いきや、その水源は県央部に発している。
そしてその水源部に向けて、わしらは走っている。
川沿いの道は好きだ。
峠越えと異なり、基本的には一番傾斜が緩いところを通っているから。
ま、上流部はその限りではないけど。
鹿野の旧市街を右手にみつつ、315号を進む。
実はこの辺りには「鹿」を冠した地名が多い。
周南市に合併する前は、都濃郡鹿野町という自治体だった。
山口県と島根県の県境の町だった。
島根県側もそうだ。
津和野町と吉賀町を抱えるのは鹿足郡だし。
吉賀ってのも「シカ」という音を含んでいる。
古来、鹿の多い土地柄だったのだろう。
てなことをペダリングしながら考える。
昔、フライフィッシングにはまっていたころ通い詰めた一帯なので、愛着がある。
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どうやっても変顔したいらしい |
風は軽いアゲンスト。
気温は30度前後。
湿度は高い。
体力がそがれる。
もうそろそろ14時。
PC1から1時間は走ったか。
ちょっと一休みいれたい。
集落がある。
特産品販売所とトイレもある。
3人で滑り込む。
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文化的なトイレ |
特産品販売所のお姉様方に聞くと、残念ながらアイスはないと。
その替わり、もうちょっといったところの商店であるよ、との情報ゲット。
ほんとに隣にあったわ。
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俺たちの商店 |
薄暗い店内にはアイス用の冷蔵庫がある。
お店のお姉様にお勘定してもらって、店の前でmgmg。
アイス最中うめ~。
サイクリング中のアイス系は最高だな。
15分ほど休んで出発。
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アイスは正義 |
と、ちょうど後方から、おなじみオカさんが追い付いてきた。
あいさつを交わして、先を急ぐ。
まもなくオカさんは見えなくなった。
ということでトリオでゆるやかな坂を行く。
今回の最高地点はこの坂の上った先にある河内峠だ。
標高は585メートル。
だらだらの坂をだらだらと上る。
最後にちょっとだけ峠っぽくなったけど、ほぼ緩やかな坂だった。
カメラを向けるとへんなポーズを取る人々。
なんなんだ、この人たち・・。
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変顔に加え、変ポーズ |
峠を過ぎると山口市阿東町。
気持ちの良いダウンヒルが続く。
きちんとスピード出せる下り坂っていいわあ。
上りにかかった時間をきちんと取り戻せる。
山口にはそんないい道が多い。
STRAVAで確認すると、ループ橋を通ったようなのだが、記憶から抜け落ちているなあ。
坂を下りきったあたりの左手に、ひなびたちょっといい感じの温泉があった。
自転車じゃなかったら入りたかった。
道は再び登坂に。
標高差100メートルなので、さほど厳しくない。
ピークのトンネルを抜ける。
なんか見覚えあるよ。
野道峠。
ああ、2016年のBRM902岩国600で休んだとこだわ。
初めての600キロで、へろへろになっていた場所だ。
こうして中国地方の道々に、わしが刻まれていく。
正確にはわしの記憶に刻まれているのだが・・
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峠を振り返る。標高427メートルとな |
ダウンヒルをこなし、阿東町中心部へ。
国道9号だ。
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正面に丸久の看板が |
地場スーパーの丸久を見ると、ここが山口県内であることを実感する。
山口線をまたぐ。
SLやまぐち号は走っていない。
ここからは標高300メートル台の田園が広がる高原地域。
ほぼ平坦路だ。
雲もあるが、青空も見える。
阿東に入ってから、気持ち涼しくなってきた。
自販機があったので飲み物補給。
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普通に自販機があるありがたさよ |
と、その横を通り過ぎていく、ケンセイさんやサブイボさん列車。
頑張って~。
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通り過ぎていくみなさん |
ペットボトルを買ったのはいいが、ボトルは満杯。
なので、バイクラ付録のトップチューブバッグに突っ込む。
途中すっぽ抜けることもなく、問題なく使えました(^^;)
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役立った付録 |
トンネルを抜けて、阿武町に入る。
ちょっと雲が多くなってきた。
雨降らないでほしいなあ。
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雲が出てきた |
115キロ地点からは日本海側へのダウンヒル。
ちょっとだけ上り返しがあったけど、ほぼほぼダウンヒル。
気温は20度を下回り、やや湿度は高いけど快適。
しかも山口県らしい、きれいな道路が続く。
四国の道路管理者のみなさん、ちょっと勉強に来てほしい。
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路傍の花 |
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続・路傍の花 |
そして須佐大橋からの爽快な眺め!
写真はないんですけどね。
というか、このダウンヒル区間、バイクをコントロールするのに精いっぱいで写真を撮る暇が全くなかったのよ。
国道191号に合流。
須佐のまちへ向かう。
道路左側にOKB師匠と来たイカの店もありましたが、17時前だからもうすでに店じまい。
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奥の建物がイカのお店ね |
イカんともしがたい。
心の中でイカちゃんに別れを告げる。
そして16時45分、129キロ地点。
通過チェックのキヌヤ須佐店に到着したのだった。
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山陰の地場スーパー、キヌヤさん |
つづく。
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