今回の発着点は安芸高田市八千代町にある土師ダム湖畔にある「はじ丸館」。
土師ダムといえば、桜の名所で、広島市近郊の住民にとっては身近なドライブスポットだ。
はじ丸館はその一角にある。
今回のブルべは300キロのオーバーナイト。
午後6時出発ということなので、午後5時には現地入りしたい。
ところが今回、5時10分ごろの到着になってしまった。
なぜか。
西風新都の自宅から可部在住のケーキさんを拾って向かったのだが、可部で重要なことに気づいてしまったのだ。
「わし、ボトル忘れとる・・・」
しまった。出発前に少しでも冷やそうと、冷凍庫に入れたのが失敗だった。
そして、そのボトルを出すことなく、家を出てしまったのだ。
ずず~~ん。
沈む心。
下がるテンション。
「ケーキさん、可部には自転車屋さんはないんかいの?」
「ありますけど、開いているかどうか・・・」
「まあ、行ってみようや」
1階が散髪屋の建物。
駐車場の裏に回ると、サイクルスタンドがあって、MTBが駐輪している。
「開いている!」
どうやら店主さんが趣味でやっているようなお店らしく、ラッキーなことらしい。
靴を脱いで、2階に上がると、こじんまりとした店舗が。
そして幸いにもボトルが。
さっそく2本購入。
不幸中の幸いだった。
すっかり機嫌を取り戻したわし。
北へ車を走らせる。
ばたばたしたが、なんとか17時30分からのブリーフィングに間に合った。
ええ感じ。シュッとした人たちはカッコええ。 |
よそ見するマン |
説明聞くマン |
おなじみのみなさんとご挨拶。
ダンシングオールナイトならぬペダリングオールナイトを楽しもうという物好きさんが47人も出走。
女性は2人だったかな。
説明はシンプルに。 |
ケンセーさん、ツネさん毎度! |
毎回、この時間がたまらなく好きだ。
近づく出走タイム |
おかげで、eTrexのリセットをすっかり忘れてしまっていたのだが。。
ああ、阿保や |
あ、今回の装備ね。
前回の400キロに準じているけど、雨具は持たなかった。
きょうの気温と天候なら、少々雨に降られても問題ない。
いつもと違うボトルたち |
そして午後6時、自転車が好きすぎる、みなさんによる「真夏の夜の夢」が始まったのだ。
夕暮れの中をそろそろと走り出す車列。
わくわくするなあ。
きょうのわしたちは白色のTBCジャージ。
真夏なので、黒っぽいものより涼しいだろう。
それにコースにTBCの地元、三次が含まれているしね。
ダム湖を渡る橋を通る。
湖畔を一列になって進む。
みなさんいいペースだ。
前に付いていこうと思えばついて行けるのだけど、追い抜く車のために意図的にスペースを取るようにした。
湖畔が終わり、千代田へ向かう。
川沿いの道路はほぼ平坦。
道路改良工事も終わって、走りやすい。
夕日に向かって進むトレイン。
絵になるねぇ。
千代田の交差点を右折する。
国道261号を行く。
そろそろ路面が荒れてきた。
路面からの小刻みな振動が響いているのだろう。
と、思ったら後ろから何かが落ちた音が聞こえた。
なんや、なんや。
ケーキさんのeTrexだったか、Volt1600だかが、やはり振動で落下したようだ。
道ばたに停める。
わしも折角の機会なのでツール缶から工具を出して、ナットを締め増した。
これ以降、ゆるむことはなくなった。
走り出す。
国道261号から左折。
国道433号へ進む。
石見街道というらしい。
初めて通る。
じわじわとした上りが始まる。
夕暮れの田園風景。
気温はやや下がってきたが、身体にへばりつくような湿気があり、さわやかな感じにはほど遠い。
この夜は結局、ずっと湿度が高いままで、汗が乾きにくく、過ごしにくい条件だった。
ぶつぶつ文句は言ってみたモノの、夜間は日中よりはましなわけで、涼しいうちに距離を稼いどきたいな、とずっと考えていた。
ま、これはみなさん同じだったようで、いつになく早いペースで進んでいたようだ。
路面がやや濡れている。
ちょっと前まで雨が降っていたのだろう。
川の水量が増し、濁っている。
じわじわとした上り。
夜のとばりが下りてきた。
600メートルほどの峠に達する。
心拍数は150前後。
けっこう高目だ。
わしとしては頑張っている。
ここから高原地帯に入る。
上ったり、下ったりしていたら、見覚えのある場所に出た。
浜田往還でおなじみ、国道186号の交差点である。
いつも上がってくる王泊ダム側への道は通行止め。
温井ダムの上が昨年から通行止めになっているからね。
このまま浜田へ行こうにも、先日の大雨で大佐山から波佐への下りで、崩落しており、こちらも通行止めになっている。
今回のブルベ、当初は高宮を発着点とする同じコースの右回り、左回りの二通りで企画されていた。
しかし、発着点の高宮の温泉施設が行事で使用不能になり、発着点が土師ダムに変更され、それに伴いコースも変更。
その後、7月上旬の大雨で予定していたコースが通行止めになり、さらにコースを変更。左右回りを左回りだけに統一して、実施されたのだ。
AJ広島のスタッフの心労、いかばかりであったか。
開催にこぎ着けていただいて、本当にうれしい。
芸北の高原地帯を行く。
空を見上げる。
湿気が多いせいか、けぶっていて星がよく見えない。
せっかくのナイトライドなのに、これは残念だったなあ。
自販機があったので停車。
ドリンクを補給する。
カエルものどが渇いているのか。
リアルゴールドがお好きケロ? |
闇に沈んでいるが、見覚えのある風景の中を行く。
アップダウンは身体が覚えている。
気がつけば芸北の街中に。
昨年の600で宿泊した素敵なホテル(バス停)があるけど、チェックインにはまだ時間が早い。
国道186号から松原方面へ左折する。
淡々と進む。
星は見えないが、木々の上のほうをホタルがふわふわと飛んでいる。
前に二人組が見えた。
おや、見覚えがある。
一人は女性か。
チエさんじゃな。
春のしまなみ200でも走られていた。
トライアスロンのリレーにも挑戦している広島のスーパー自転車女子の一人だ。
そして、わしより確実に速い(^^;)
今回の300もわしらより約1時間早い16時間台でゴールされていた。
さらにもう一人のピナレロ女子は15時間台でゴールしていたという。
すごすぎる。
松原の交差点を右折する。
国道191号。
ここから深入山への上りが始まる。
聖湖キャンプで何度も訪れたことのある道だ。
じわじわとした上りが始まる。
右手に釣り堀がある。
おいしいという話も聞くが、まだ行ったことはない。
こんな山の中でもお客さんは来るのだね。
チエさんたちがだんだん離れていく。
さすがの健脚。
左手に例のお待ちかねポイントが。
チエさんたちに付いていきたい気もあるが、ここは一休みしましょ~。
聖湖キャンパーおなじみのわき水「深命水」である。
午後9時過ぎ、わしとケーキさんはここで休憩したのであった。
つづく。