ハード面はこれぐらいにしてソフト面も。
ソフトといっても心構えの話ね。
今回の1000キロでもっとも大切な場所と位置付けていたのが、最初の夜に通過する四国カルストの山々だ。
標高1400メートルにもなる場所を、深夜に走るという鬼のようなコース設定。
まじか。
深夜でしゅよ。深夜。
標高1400メートル。
西中国山地の最高峰、恐羅漢山(1346メートル)よりも高い。
昼間ならとてつもない絶景が広がっているであろうその場所を真夜中ですよ。真夜中、ミッドナイトですよ。
そんな時間に通っていいんですか。
運が良ければ満天の星空の中を、運が悪ければ五里霧中ですよ。
駄目でしょう。
ま、コースがそうなっているのなら仕方がない。
分かってはいるけど、納得はできない。
なので、行ってきましたよ。下見に。車で。
たまたま9月末に連休があったので、思い立って午後3時過ぎにストリーム号で自宅を出発。
この子なら車中泊ができるので。
宿も取ってないし。
山陽道からしまなみ海道、松山道を通過。
内子から一般道を通り、午後8時半ごろにPC3が設置される高知県梼原町の道の駅ゆすはらに到着した。
雲の上ホテルの夜景。おしゃれだね~ |
片道300キロのドライブ。
やっぱ遠いや、四国は。
その日は、ゆすはらの道の駅にある日帰り温泉に入って、駐車場で車中泊した。
実は梼原だが、今年のBRM503の600キロで郵便局前で通過チェックがあった場所なのだ。
道の駅周辺も通ったはずなのだが、翌朝見ても風景にまったく見覚えがなかった。
まあ、あの時通ったのは明け方だったしねえ。
梼原の町並みも確認した。
コンビニはヤマザキデイリーストアがあり、深夜12時から午前6時まではお休み。
午前6時以降は使えるから、わしの脚ならちょうど開店しとる。
隣にはブルベエ大好きコインランドリーがあり、畳スペースもある!
おお、こいつは使えるかも。
温泉も露天風呂があり、なかなかのもんでしたよ。
翌日は午前5時には起床。
BRM503で通った国道440号を上り、四国カルストのとっつきに向かう。
登り口は地芳トンネルの手前の茶屋付近にあった。
登り口が標高670メートル前後。
そこからさらに上る。
ぐねぐねとした狭い山道。
車だと楽々登れるが、斜度も結構あるようだ。
うひゃあ。
早朝なので、ほかの車と行き交うことはない。
どんどん高度は上がっていく。
民家発見! |
で、こんな場所にも人家があり、暮らしがある。
朝早くからお邪魔します。
空の明るさが増す |
だんだんと景色が開けてくる。
看板が・・
まだ10キロあるの? |
え、まだカルスト最高地点の天狗荘まで10キロあるの・・・
燃える山肌 |
正面の山に朝日が当たる。
カルストらしく、白っぽい岩々がところどころに見える。
気温はわずか8度! |
気温は8度。寒そうだなあ。
ようやく地芳峠の分かれまで上がった。
この地点で標高約1100メートル。
地芳峠の看板 |
とっつきから400メートル以上上ったことになる。
これだけで下手な峠一つ分だよ。
もう少し上ると、景色が広がってきた。
カルストとススキと |
風は冷たい。
ススキはその風に揺られている。
向かいの山。
さっき下から見上げた山だな。
頂上付近がみごとに草原。
もう少し進む。
レストハウスもある高原「姫鶴平」だ。
景色がさらに大きく開ける。
朝日が昇る |
レストハウスには自販機がある。
上ってきて、余裕があれば温かいコーヒーでも飲みたいな。
この付近で標高約1300メートル。
太陽も上がってきて、生の日光を浴びせかけてくる。
四国の山々の連なりが一望できる。
荒々しくもたおやかな瞬間。
稜線を吹き抜ける風は、結構強く感じるのだが、風車のプロペラは回ってはいない。
さらに進む。
道の右手の南側の斜面が牧場になっていて、柵が設けてある。
そのはずだが、柵の外でも大きな牛が草を食んでいる。
草もぐもぐ |
あれに衝突するとやばいな。
柵の内側でもお食事中だったり、休憩中だったり。
まだ朝だよ~ |
モーちょっと休モ~よ |
朝日の中を進むバイク。
バイクさんおはよう |
車が行く |
時折、車も通る。
この時間に来て、本当に良かった。
そう思える景色だった。
道はさらに続き、上っていく。
正面の山塊に向かっていく。
朝日がまぶしい。
坂は続く |
広々とした風景の中だとわかりにくいが、結構きつい斜面だ。
真夜中にここを上るのか~(上らかなかったけど)
振り返る。
おお、すごい風景だ。
これはすばらしい。 |
岩ごろごろ |
朝日に光る |
ススキとカルストと朝日と。
ほんまにこの時間に来られてよかった。
牛さんオッス! |
まぶしい |
逆光のススキ |
カルスト地形くっきり |
さらに逆光のススキ |
四国カルストの最高点に近い天狗荘が見えてきた。
ここがピーク。標高1430メートルにもなる。
天狗荘ハッケン! |
駐車場には結構車がいた。
車中泊らしき車もちらほらいたかな。
駐車場にはちょこちょこ車が |
一息入れて、道を下る。
ここから梼原のPC2まではほぼ下りのはずだ。
下り坂はきつく、路面も荒れている。
当日は注意しておりないとね。☜結局おりませんでしたが(^-^;)
途中間違えやすいカーブを曲がり、大規模林道へ。
3桁国道よりも、道がいい。
上り返しになるのだけど、結構きつくて長い。
ここは心折れそうになるなあ。
要注意だ。
ピーク付近にはトンネルがあり、その手前に「フォトスポット」という休憩ポイントがあった。
腹が減ってきたので、ここで朝食。
はるかカルストを望む |
午前7時のデイキャンプ |
温かいものがうまい |
さっき通った四国カルストを遠目に眺めながら、昨夜買ったぶっかけそばのつゆをコンロで温めて、そばにかけていただく。
冷えているので、温かいものがうまかった。
これ結構な上りやで |
はるか眼下の谷間に集落 |
トンネルを越え、山を下る。
ピークのトンネル |
ようやく国道197号に合流する。
ここを右折。
下るとゲートが |
また坂を上り、風早トンネルを越える。
600ブルベで通ったはずだが、記憶にない。
トンネルへ上る |
越えたところが道の駅ゆすはらだ。
戻ってきた。
空が青いわ |
実に厳しい区間だった。
下見をしてよかった。
これで本番を走る心構えができた。(結局走らなかったが)
ちょっとしゃれたコーヒーショップ |
うまいね |
道の駅にあった若夫婦がやっているコーヒー店で一杯。
挽きたてでうまかったなあ。
「来週の土曜未明に店開けてたら、自転車のお客さんたくさん来るかも」と教えてあげたけど、どうだったんだろうwww
満足した。
まだ9時台だけど、帰ることにする。
地芳トンネルの向こうは、内子までコース前半をたどって帰ってみるか。
再び梼原の町を過ぎて、国道440号を地芳トンネルに向かう。
うちのストリーム君のHDDナビにはトンネルは存在していなかった。
2010年に開通したらしいので、うちの地図が古いんだね。
梼原方面からカルストを望む |
トンネルを越えると高知県から愛媛県久万高原町に入る。
しばらくはだらだらとした下りが続く。
深い山。深い谷。
そして道があり、人が住む。
四国の山の懐の深さを思い知る道だ。
山肌に集落が広がる |
途中見つけたバス停。
「ごうかく」とは縁起がいいね。
しっかりとした造りなので、一息入れるのもよさそうだ。
立派なバス停 |
内部の居心地も良さそう |
山肌にへばりつくように建つ家。
高度感がすごい。
天空の集落 |
そしてはるか下を流れる川。
仁淀川の上流にあたる面河川のようだ。
眼下には清流が流れる |
ジェットコースターのようなトンネルを下り、ようやく谷に下りる。
本番で通過チェックになる道の駅みかわの前を通過する。
ん?蛍光ベストを着用したランドヌールらしき二人組が・・
話しかけてみると、なんとブルベ業界有数の武闘派として知られるAJ岡山の代表さんと、AR四国の副代表さんとな。
フラペにトゥクリップだと |
熟練のハンドル回り。サイコンを照らす工夫がすごい |
「今回は撮影ツアー。いい写真を撮って、みんなに参加してもらうの」ということだそうで。
颯爽と走っていくお二人。
いってらっしゃ~い |
頑張って! |
頑張ってください!
道の駅みかわを出発。
国道380号を西へと向かう。
だらだらとしたのぼりが続き、標高590メートルの真弓トンネルを過ぎる。
それまでは2車線の走りやすい道だったのが、途端に狭い山道になる。
トンネルを越えるとそこは坂道だった。
ってな感じ。全然違う。
内心冷や汗をかきつつ、峠道を下る。
交通量が少なく、離合に気を使わないでよかったのが救いだ。
本番ではこれを上るのか・・(結局上らなかったけど)
カルストの手前で見過ごしがちだけど、結構な峠だよ。ここ。
良かった。下見をしていて(役に立たなかったけど)
ふもとまで下ると、道は再び2車線に戻る。
内子町の手前の小田という町で、道の駅に立ち寄る。
飲食店発見 |
奥にうどん屋さんが。
どうやらこの界隈、たらいうどんが名物らしい。
たらいうどんキタ! |
当然頼む。
つるつる。
おいしゅうございました。
この後は内子から高速道路に乗った。
当然のようにしまなみ海道を通って帰る。
来島海峡大橋。さよなら四国 |
夕刻には自宅に到着。
ん~、いい下見だった。
コースのアップダウンをある程度分かったのが大きい。
本番への心構えができた。
そして何より、カルストの絶景も見られた。
これで真夜中に走っても悔いることはない。
あとは本番だ。
と思っていましたよ。
この時は。
はあ。
まさかDNFって・・・
はあ。
ということで2回に分けてお届けした準備編は終わり。
次回から実走編に入ります。たぶん。
つづく