波子(はし)駅の駅舎を探して、集落に足を踏み入れる。
ゆるい坂を上っていくと、一番奥まった小高い場所に駅舎があった。
こうこうと電灯が灯っている。
お邪魔しまーす。
「いらっしゃ~い」
愛らしいしまねっこの看板が出迎えてくれた。
ようきたの。 |
さすが駅舎だ。
しっかりとしたベンチ。
これならゆっくりと体を休めることができる。
すてき空間♩ |
床にはダンゴムシさんがワラワラと。
駅員さんはダンゴムシ |
おやすみなさい。
横たわる何か |
10分ほど休んだところで、10分延長。
大丈夫。貯金はある。
起きた。
補給を済ませる。
「お世話になりました」
ありがとう波子駅さん |
駅舎に心の中でお礼を言って、再びサドルにまたがる。
熟睡する集落を抜けて、国道9号に戻る。
延々と東へ。
再びこぎ出す。
休んだせいか、平均心拍数が大幅に下がった。
休む前は140~150までは上がっていたのが、130以下に落ちた。
休憩すると、体のモードが切り替わるのだろうか。
江津の街を進む。
このへん、なぜかコインランドリーが多かった気がする。
コインランドリーさん、おっす! |
かつて住んでいた広島県府中市付近もよくあったなあ。
特に福山市神辺町からの国道486号沿いに多かった。
コインランドリーが多い場所には、共通の要素ってあるのかしら。
久しぶりに信号で停まる。
右手に江津駅が明るく輝いている。
あそこも広そう。
江津駅とケーキさん |
橋を渡る。
江の川の河口を越える。
川面は見えないな~。
橋を渡ると、バイパスと合流する。
東へ。
この辺からアップダウンが増えた気がする。
ピーク付近にはトンネルがある。
古い設計らしく道幅が狭いのが気になる。
路肩もっと! |
道ばたにはポツポツとコンビニがある。
四国と違って深夜でも補給に困ることがないのもありがたい。
ローソン! |
温泉津付近から道はやや内陸に向かう。
夜の道はどこまでも続く。
仁摩の街を行く。
「仁摩サンドミュージアム」って看板があるが、どこにあるのやら。
左手にスーパーマーケットがある。
「ビーバード」って書いてある。
あ、なんか見覚えある。
FBに安売り情報が時々載る店じゃね。
街を外れる。
海岸沿いを行く。
午前4時すぎだ。
後ろからジェット機が発するような金属音が響いてきた。
大型トラックだ。
しかもぶっ飛ばしているヤツ。
ゴオッ!
轟音をたて、暴力的な風が通り過ぎていく。
「こ、こわ!」
思わず身をすくめる。
路肩を走っているわしらの姿が見えないのか。
それとも見えて、あえてすぐそばを抜かしていくのか。
その後も何台かのトラックが追い抜いていく。
たいがいは距離を開いて抜かしてくれるのだが・・
魔の時間帯 |
また後ろから金属音。
身構える。
ゴオッ!とまた大型トラックがすごい勢いで抜き去っていった。
肝が冷える。
対向車線に車がいないのに、全く車線からはみださずに抜いていく。
絶対100キロぐらいでてるし。
どうみても故意だろ。
自転車、バカにしすぎだろ。
あれだけの質量に引っかけられでもしたら、本当に命がない。
怖すぎる。
今まで、いい感じで走ってきたのに、一気にテンションが下がってしまった。
この区間、たぶん五十猛海水浴場付近だと思うけど、山陰道が途切れているので、トラックが地道である9号に回ってきたため、通行量が増えていたようだ。
本当に身の危険を感じた。
国道9号を甘く見ていたよ。
明け方になってきたので、運転が荒れてきたせいもあるのかもしれない。
が、これが昔から言われてきた国道9号の真の顔なんだろうな。
ああ、早く大田の街に着いて、9号から離れたい。
9号嫌い。
大田早く。
9号離れたい。
大田早く。
そればっかり考えてペダルを回していた。
空が次第に白んできた。
左手に大型店舗が見え始めた。
どうやら大田の街に着いたようだ。
路肩が広くなってきたのが救いだ。
さよなら9号 |
交差点が見えた。
我慢の時間は終わった。
国道375号へ右折する。
ふう。一息つく。
そろそろPCか。
左手にローソンがある。
ランドヌールの姿は見えない。
え、これPCじゃないよね。
調べてもらったら、まだ先らしい。
山陰線のガード下をくぐる。
市役所を過ぎる。
見覚えのある風景。
交差点の左向こう側にローソンが見えた。
お、ここは一昨年の300でつかったところやね(→準備不足じゃ!)
コンビニに滑り込む。
と、店の前に軽バン車が停まっていて、背の高い人が立っている。
もしかしてと思っていたら。
もしかしてと思っていたとおり。
地元は大田在住のウメさんじゃないですか~~。
ウメさん!そして右にいるのは・・・ |
実は事前のツイッターでのやりとりにより、うれしい応援があるかもしれないと期待していたのでした。
本当にいらっしゃるとは。
互いに久闊を序す。
ウメさんはグランフォンドで一緒に走った仲。
その後、地元石見地方でBRMがあるときには、応援に駆け付けてくれる男気あふれるナイスガイなのだ。
そしてさらにうれしい差し入れが!
何かが軽バンの荷台に鎮座ましましている。
これは…
お、い、な、り、さ、ん!
本職の料理人であるウメさん手作りのいなり寿司である。
うわ~、むっちゃうれしい。
早く食べたい気持ちを抑えて、店内に入り、買い物を済ませ、レシートをもらう。
午前4時56分、199.29キロ地点のPC2ローソン大田宮崎店に到着したのだった。
つづく
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